著者
正保 正惠 田丸 尚美 平田 道憲 今川 真治
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.130, 2010

<B>【目的】</B>2008年度の福山市保健所3歳児健診時のアンケートより、育児不安の高低と育児リフレッシュとの関連等がみられた。本研究は,福山市において,このような育児ストレス・不安をもつ親たちのために、実験的に母親同士のコミュニケーションとリフレッシュ、母子分離体験とを同時に得ることができるオリジナルのプログラムを設計し、効果を検討することを目的とする。<BR><B>【方法】</B>(1)アンケート結果に基づき、プログラムを設計、実施。(2)その際、_丸1_毎回の振り返りをKJ法で分析。_丸2_全8回のうち第1回目に2009年度版と同様のアンケート調査を行い、最終回にもう一度同じ内容のものを実施し、その変化を見る。_丸3_最終回にインタビュー調査を実施し、内的な変化を聴きとる。<BR><B>【結果】</B>(1)全8回のうち、最初の2回はアンケート結果に基づく講義や自己紹介、参加者中心プログラムについての理解、続く5回は、短い講話のあと2人が各自自由にリフレッシュタイムを取り、残った3人の親で5人の子どもを見守り、最終回にアンケート等を実施。(2)KJ法の分類では、講話よりもリフレッシュに対する感想が多く、貴重な体験であったとの記述があった。(3)_丸1_育児不安値が2008年度の中央値よりも高い母親が多く参加していた。_丸2_プレ・ポストの結果の得られた母親8名のうち、比較的高かった4名の育児不安値が下がり、低かった4名が上がるという結果になった。_丸3_個別にみると母子分離体験がうまくいき母子ともに自信を持った親子と、逆に参加によるタイムプレッシャなどの負担増や分離場面で問題が顕在化した親子が出てきた。_丸4_インタビューでは、ほぼ全員から育児の大変さが語られ、プログラムには肯定的であったが個性に配慮した改良が必要である。
著者
倉元 綾子 正保 正惠 山下 いづみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

【目的】 2011年の東日本大震災と福島原発事故を契機に,日本社会においては家族やコミュニティに対する関心が高まっている。一方,女性に対する暴力,子ども虐待,無縁死など,多様で複雑な個人・家族・コミュニティをめぐる問題が山積している。本報告では,日本における家政学を基礎とする家族生活支援の仕組みづくりへの示唆を得るために,台湾・新北市の家庭教育センターにおける家族生活教育教材『幸福家庭』を分析する。<br>【方法】 2009年9月,台湾・新北市家庭教育センター等を訪問し,実地調査を行い,関連する資料などを収集,分析をおこなった。<br>【結果】 (1)台湾においては,家族生活教育の「幸福家庭123」のもとに,「1.親が毎日,2.20分間,3.子どもと一緒に3つの活動 ①読書,②共同活動,③スポーツ・遊び」の活動をすることが提唱されている。(2)『幸福家庭123 親子ハンドブック』は趣旨,意義,子どもの学習の特徴,幼稚園段階における方法,小学校低学年における方法,小学校中学年における方法,小学校高学年における方法,留意点から成っている。(3)『幸福家庭Easy Go』は,結婚前教育編,結婚生活経営編,親としての教育編,医療保健編,家庭資源編,家庭法律編から成っている。(4)「幸福家庭123」を通じて,親密な家族関係・親子関係を育成することが重視されている。また,読書活動は,学習型家庭を建設する基礎と考えられている。
著者
大石 美佳 山下 美紀 正保 正惠 竹田 美知
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 教育期から労働期への移行段階における若年女性の自立と家族資本との関連を明らかにすることを目的として、女子大学生を対象に質問紙調査を実施した。本報告では、女子大学生のキャリアデザインの実態を把握し、家族資本との関連を検討する。 <br><b>方法</b> 2012年11月~12月、女子大学の大学生を対象に「大学生の生活環境と将来設計についての調査」を実施した。配布数1209票、有効回答数は1097票である(回収率90.7%)。家族資本を経済的サポート(家計のゆとり)と情緒的サポート(家族からの理解)の二側面から、キャリアデザインを自立度、理想のライフコース、将来設計、就職先条件からとらえ、関連を検討した。<br><b>結果</b> 女子大学生の家族資本は経済的サポート、情緒的サポートともに高く、経済的サポートと情緒的サポートには高い相関がみられた。女子大学生の自立度は低く、約8割が経済的に自立していない、約6割が精神的に自立していないと自己評価した。理想のライフコースは「結婚出産で中断、再就職」、理想の夫婦の役割分担は「夫婦で仕事も家事育児も」がもっとも多かった。将来に向けて就職活動に25.8%、結婚活動(婚活)に8.4%、資格・技能の習得に51.3%が力をいれていると答えた。就職先として重視する条件は「福利厚生」「能力個性発揮」「給料」(上位3つ)であった。家族資本とキャリアデザインとの関連については、経済的サポート、情緒的サポートともに、理想のライフコース、将来設計、就職先条件とのあいだに関連がみられた。
著者
木村 範子 竹田 美知 正保 正惠 倉元 綾子 細江 容子 鈴木 真由子 永田 晴子 中間 美砂子 内藤 道子 山下 いづみ
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

今日の日本社会では、家族をめぐる問題は、虐待や暴力など複雑で多様となってきている。その打開のためには、人や物にかかわる「家族生活」のトータルな支援・教育と、地域のネットワークづくりが必要である。そのことは、日本のみならず、グローバル・ウェルビーイングの観点から,世界共通の家族問題の打開のために必要な視点である。本研究は、日本で生涯学習として「家族生活教育」を行うために「家族生活アドバイザー」の資格化を視野に、その養成のための研修講座のカリキュラム開発を行うことを目指して行われた基礎的研究である。
著者
山下 いづみ 倉元 綾子 黒川 衣代 正保 正惠
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.275, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 今日,日本の個人・家族・コミュニティにおいては,晩婚化・未婚化,DV等に対する取組が求められている。米国等では,家政学・家族研究を基礎とした生活課題の予防・支援が行われてきている。ここでは,米国の家族生活教育の主要文献である Family Life Education: Working with Family across the Life Span,Chapter10: Education for Relationships and Marriage を分析し,結婚前教育と結婚教育について明らかにする。  方法 Family Life Education: Working with Family across the Life Span (2nd Ed.), Lane H. Powell & Dawn Cassidy, 2007, Waveland Press, USA(邦訳『家族生活教育:人の一生と家族』倉元綾子・黒川衣代監訳,2013,南方新社)等の文献を研究した。結果 (1)第10章「結婚前教育と結婚教育」は,結婚教育の必要性,結婚教育の歴史,予防的方法対治療的方法,哲学・理論およびプロセス,結婚教育へのアプローチ,プログラム評価,要約の各節と,討論問題・復習問題から成る。 (2)結婚教育は,長く続く幸せな結婚を支える順調な人間関係を築くために準備する方法を見つけることである。 (3)結婚エンリッチメント・プログラムにおける必要最小限のスキルは,個人・関係・パートナーの成長への関与,理解につながるコミュニケーション方法,創造的変化を刺激するために葛藤を用いる能力,親密性を作り維持する能力である。 (4)結婚教育は,認識行動学,学習理論,宗教的指導,ロジャーズ学派,人間性心理学,システム理論,コミュニケーション・システム理論,社会的学習理路,認知行動理論などを理論的基礎としている。
著者
正保 正惠 竹田 美知 山下 美紀 大石 美佳
出版者
福山市立大学教育学部
雑誌
福山市立大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Fukuyama City University (ISSN:21876347)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2015

In this study, we analyzed the factors of the uneasiness of students about the scholarship return. As a method, we performed the questionary survey to the students of A public university and the multiple regression analysis. The results are as follows. (1) It promotes uneasiness of the return most that the scholarship is spent for cost of living. (2) When a family understood the uneasiness of the student and did emotional support, uneasiness was reduced. (3) For uneasiness of the future return, support such as the student support of the university side does not have an influence at all. (4) The consultation of the trouble made "friend of the same sex" or "family" mainly. Including the students with resources, the public support from the university will be effective as right coping.
著者
山下 美紀 大石 美佳 正保 正惠 竹田 美知
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.194, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 教育期から労働期への移行段階における若年女性の自立と家族資本との関連を明らかにすることを目的として、女子大学生を対象に質問紙調査を実施した。本報告では、女子大学生の生活評価(「生きづらさ」)、心理的適応(「自尊感情」)、心身の状況を把握し、家族資本との関連を検討する。 方法 2012年11月~12月、女子大学の女子大学生を対象に「大学生の生活環境と将来設計についての調査」を実施した。配布数1209票、有効回答票の1097票を分析に使用した(回収率90.7%)。家族資本を経済的サポート(家計のゆとり)と情緒的サポート(家族からの理解)の二側面からとらえ、生活評価に関わる項目は「生きづらさ尺度」(山下、2011)、「自尊感情尺度」(Rosenberg、1965)および「心身の状態」(11項目)からとらえた。結果 女子大学生の家族資本は経済的サポート、情緒的サポートともに高く、家族の経済的サポートと情緒的サポートには高い相関がみられた。女子大学生の「生きづらさ」得点は平均15.31 点(レンジ8-32点 SD=5.20)、「自尊感情」得点は平均30.48点(レンジ10-50点 SD=4.53)であった。家族資本と「生きづらさ」等の生活評価との関連については、経済的サポート、情緒的サポートともに「生きづらさ」「心身の状態」との間に関連がみられた。とくに、情緒的サポートとの相関が高かった。
著者
正保 正惠
出版者
福山市立女子短期大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

現在進行している保育の社会化を社会全体で支援する社会を「子育て支援社会」ととらえると、支援の方向性として、(1)施設型保育:a 保育所の量の充実、b 保育所の質の充実(1)=生活空間化(幼保一元化を考えるときに問題となる給食システム、生活の見通しを考えることができ、また保育士の労働環境の改善にもつながる食寝分離、子どもの自己決定能力を高めるためのコーナー保育等) c 保育所の質の問題(2)=保育内容の現代化(女性労働の一般化、国際化、消費社会化など新しい保育ニーズに応えられるような保育内容の充実) (2)家庭型保育:a 保育ママ制度の充実 b ベビーシツター制度の充実、(3)(直接)・子育て支援:a 子育て支援センター等の相談事業等の充実 b 子育て支援組織のネットワーキングに整理することができる。このなかで、保育所の食寝分離については、日本では同じ教室で食事の後布団を敷いて寝るのが一般的であり、現在問題が気づかれ始めている段階である。アメリカでは簡易ベッドが用いられ、デンマークでは、乳児は乳母車・幼児はお昼寝をしないというそれぞれ別の方法ではあるが保育士の過重労働は避けられている。24時間保育については、今後圧倒的に増加していくという状況は考えにくいが、それでもそこに預けられて生活をしていく子どもたちが今よりは増加していくに違いない。そのためにも保育所の「生活空間化」は重要なタームとなるであろう。しかしながら、24時間保育は世界の保育の潮流とは逆行するものである。欧米では女性たちは社会進出を果たしつつも生活者として親として保育をする権利も捨てることなく職業生活についている。また、中間施設として保育ママ制度も活発に機能している。メインストリームとしては保育所の「生活空間」化を重視すべきであるが、補助的な支援のバリエーションを揃える必要がある。
著者
平田 道憲 今川 真治 正保 正惠 田丸 尚美 八重樫 牧子
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

(1) 「子育て共同化」プログラム実施のための国内,国外のアンケート調査を実施し,「子育て共同化」プログラムに関する母親のニーズを明らかにした。(2) 国内・国外の先行事例を研究した。(3) 「子育て共同化」プログラムを試行し,参加者の育児不安の変化やニーズを明らかにした。(4) 父親の子育て参加のためのワークショップを実施した。(5) 「子育て共同化」プログラムの行政・民間機関との連携についての研究が今後の課題である。