著者
兼城 糸絵
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第47回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.88, 2013 (Released:2013-05-27)

本発表では、東日本大震災における津波によって被災した地域社会が復興へと歩みをすすめる過程においてアニメ聖地巡礼者たちが果たしてきた役割について具体的事例とともに考察していく。地縁血縁的枠組みに基づくローカルな組織でも災害復興を目指すアドホックな組織でもない、趣味に基づいて形成された組織が災害復興において重要な役割のひとつを担っていることを震災前後のコンテクストに基づいて明らかにする。
著者
川村 清志 葉山 茂 青木 隆浩 渡部 鮎美 兼城 糸絵 柴崎 茂光
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,被災地域における文化的支援が地域の生活文化の復旧に貢献しうるのかについての可能性を検討し,文化的支援の新たな可能性を、フィールドワークを通して検証することができた。東北地方太平洋沖地震後,有形・無形の文化財を救援してきた文化財レスキューは,改めて活動の意味・意義・活用が問われ,被災地の生活を再創造するための手法の確立が求められている。この要請から本研究は,レスキューした被災物についての知識の共有、活用を通じて,文化的支援のモデルを確立する。具体的には民俗学・文化人類学が被災地で果たす文化的支援モデルを構築し,地域文化へのアプローチの手段を深化させるものとする。