著者
志賀 優毅 内海 ゆづ子 岩村 雅一 カイ クンツェ 黄瀬 浩一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.12, pp.1733-1736, 2014-12-01

読書活動を把握することは,人の知識の質と量の把握につながるため,重要であると考えられている.とりわけ,多くの人の読書活動を長期間に渡って詳細に把握することができれば,これまでにない知見が得られる可能性がある.しかし,読書活動を記録する現在利用可能な方法は手動記録に限られ,現実的に掛けられる手間を考えると,詳細な読書活動の記録には適していない.そこで本論文では,読書活動を自動的に記録,分析するために,ユーザが読んでいる文書を推定する問題を考え,その意義と課題を議論する.
著者
黄瀬 浩一 岩田 基 岩村 雅一 内海 ゆづ子 クンツェ カイ デンゲル アンドレアス 外山 託海
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Knowledge Logとは,人が日々獲得している知識の記録である.従来から存在するライフログとの違いは,Knowledge Logが知識という高次記号情報をログの対象とするのに対して,ライフログは,信号情報あるいは記号であっても単純なもの(例えば人の座る,歩く,食べるなどの行動)を記述する点にある.人の知識の大半は,人の読むという行為によって獲得されていることに着目し,本研究では,読むことに関連した知識のログを中心に,その量や質について推定するための各種手法を構築した.また,その基礎となる特徴照合,文書画像検索,文字,顔,物体などの認識技術,大規模文字画像データベースについても開発した.
著者
内海 ゆづ子 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.476-487, 2007-10-15 (Released:2008-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

顔認識の特徴量としては,様々なものが利用されているが,その代表的なものとしてGaborウェーブレット特徴量がある.Gaborウェーブレット特徴量は,出力特性が生物の視覚特性と似ており,Eigenface等,他の顔認識手法と比較して良好な性能を示している.しかし,顔認識の特徴量として,Gaborウェーブレット特徴量が最適であるか明らかではない.そこで,本研究では,Gaborウェーブレット以外の様々なウェーブレット(Haar, French hat, Mexican hat, Daubechies, Coiflet, Symlet, O-spline)を用いて特徴抽出を行い,どのウェーブレット特徴量が顔認識に最適であるかを調べた.ウェーブレットのスケールを固定したもの,スケールを可変にしたものの認識率を AR Face Databaseを用いて比較を行った.さらに,スケール可変ウェーブレットを8方向に回転させ特徴抽出を行い,認識を行った.その結果,スケール可変ウェーブレットで8方向から特徴抽出を行った場合,全てのテスト画像において Haarウェーブレットが Gaborウェーブレットより高い認識率を示すことが明らかになった.
著者
勝手美紗 内海ゆづ子 黄瀬浩一
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.5, pp.1-7, 2012-11-26

本稿では,インターネット上の大規模な動画像を自動で分類することを目的とし,動画像中のイベントを検出する.インターネットで配信されているホームビデオなどの動画の多くは視点が固定されずに撮影されているため,動画像から人物や物体の動きの情報を取得することは困難であり,行動認識などの技術を用いてイベントを検出することは困難となる.また,イベントは行われる環境や環境を構成する物体に大きく依存する.そこで,動画像中の背景や動画像中に登場する物体に着目し,イベントの検出を行う.背景からは, Opponent SIFT 特徴量を Bag-of-Feature で表現したものを特徴量として抽出する.物体特徴量には,動画像から物体検出器により検出した物体の頻度と識別器の信頼度の値を用いる.それぞれ特徴量を用いて最近傍探索を行い,結果を統合することでイベントの認識を行った.評価は TRECVID2012 Multimedia Event Detection タスクのデータセットを用いて行った.その結果,特定の環境でのみ行われるイベントと動画中の物体を高い精度で検出できたイベントを検出できた.
著者
黄瀬 浩一 岩村 雅一 岩田 基 内海 ゆづ子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

実世界指向Web とは,我々の周囲にある物体が情報の出入り口になるWeb である.物体にカメラをかざすと関連情報を瞬時に取り出せる.また,物体の撮影を通してユーザ自らが情報を関連付けることもできる.扱う物体は,文字,文書から3次元物体,顔など様々である.本研究では,このような新しいWeb を実現する上で必須となる物体認識技術の大規模化(文書の場合,1 億ページの識別),高速化(文書の場合,27ms/query),高精度化(文書の場合,認識率99%),およびその理論的基盤の構築,さらには,実世界指向Web のプロトタイプの作成を行った.