著者
岩井 儀雄 勞世竑 山口 修 平山 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.343-368, 2005-05-13
参考文献数
222
被引用文献数
24

画像処理による顔情報処理に関連した研究について,1)顔検出法 2)イメージベースの顔認識法 3)モデルベースの顔認識法 という観点に基づき最近の動向を紹介する.In this paper, we survey research on facial image processing. We explain the followings: 1) face detection, 2) image-based face recognition, and 3) model-based face recognition.
著者
神谷 卓也 山口 優太 中谷 真太朗 西山 正志 岩井 儀雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.438-447, 2021 (Released:2021-05-01)
参考文献数
29

本論文では,頭上カメラで撮影された映像中の身体動揺を用いることで,立ち止まる人物の性別を識別できるかどうかについて評価する.従来より性別認識において,歩容の映像から抽出された特徴量が用いられている.一方,立ち止まる人物の動きについては,性別認識において,これまで考慮されてこなかった.立ち止まる人物の性別を識別するため,我々が過去に提案したLocal Movement (LM) 特徴量を,身体動揺が撮影された映像から抽出する.本論文の目的は,LM特徴量と識別器との組合せによって,性別を識別できるかを評価することにある.ここでは識別器として線形SVMを用いた.男女の身体動揺の映像データセットを構築し,性別認識の精度を評価した.実験結果から,LM特徴量と線形SVMとを組合せた本評価対象手法は,他の手法と比べて,立ち止まる人物の性別を,身体動揺の映像から高精度に識別できることを確認した.
著者
岩井 儀雄 勞世竑 山口 修 平山 高嗣
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38(2005-CVIM-149), pp.343-368, 2005-05-13

画像処理による顔情報処理に関連した研究について,1)顔検出法 2)イメージベースの顔認識法 3)モデルベースの顔認識法 という観点に基づき最近の動向を紹介する.
著者
平山 高嗣 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1625-1634, 2003-06-15
被引用文献数
5

顔画像を利用したヒューマンインタフェースを構成する場合,システムがユーザに拘束条件を与えないことが理想の形態となる.顔はその姿勢や表情により,その見え方が様々に変化するため,この変化にロバストな認識技術が必要になる.本研究では,入力画像中の顔領域と照合に用いるモデルの大きさが異なる場合でも,顔認識が可能となる照合手法を提案する.これはフレキシブル特徴照合法を拡張した手法で,照合に用いる特徴量が顔の大きさの変化に対して正規化されるため,顔認識の精度を保つことができる.特徴量の正規化には,顔の大きさの確率的な推定手法と効率的な処理を行うために改良したガボールウェーブレット変換を用いる.我々は提案手法に基づいた個人識別システムを構築し,個人識別実験によりその有効性を検証した.Facial recognition technology needs to be robust for arbitrary facial appearances because a face changes according to facial expressions and facial poses. In this paper, we propose a method which automatically performs face recognition for variously scaled facial images. The method performs flexible feature matching using features normalized for facial scale. For normalization, the facial scale is probabilistically estimated and is used as a scale factor of an improved Gabor wavelet transformation. We implement a face recognition system based on the proposed method and demonstrate the advantages of the system through facial recognition experiments.
著者
岩井 儀雄 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.44-55, 1997-01-25
参考文献数
16
被引用文献数
58

単眼動画像からの構造・運動推定問題は剛体で単純な形状であれば可能であるが, 関節物体などは解析的に問題を解くのが困難で形状モデルを用いた方法がよく研究されている.特に, 関節物体の一つである手の運動推定は, 手話理解や人工現実感のような応用が期待できる. 手の動作を認識する研究の中で, 手話理解のようなカのフィードバックを必要としないインタフェースでは, 手に何もつけない状態の方が有効である. 本研究では非接触で手の3次元運動と位置を復元する方法を提案する. 非接触の入力装置としては単眼のカメラを用いて, 手形状モデルを生成し, 時系列画像から手の特徴抽出および対応付けを行う. 対応付けの結果より得られた特徴点の軌跡から手の3次元運動を求め, その後, 獲得した手形状モデルを用いてモデルマッチングの手法で指の位置を推定する.
著者
石黒 浩 中村 泰 岩井 儀雄
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

22年度では,三者間の非言語コミュニケーションを用いた親和的な情報メディアの創出を目的として,病院の診察場面に陪席するアンドロイドを用いた実証実験に取組むと共に,ヒューマノイドロボットを用いたロボット演劇に取組み,アンケートを実施することで演出家による演技指導の中に含まれるロボットの自然な振る舞いについてのルールの抽出に取組んだ.さらに,小型で単純な構造を持つロボットを利用することで,人間がもつ対話に対する印象に与える影響を調査することで三者間でのコミュニケーションの仕組みの理解に取組んだ.これらの技術を支える動作認識機能を利用した動作生成メカニズムとして,視覚や聴覚に基づいた対話への陪席者として自然な自動動作生成法の開発も行った.病院での実証実験では,医師の後方に陪席アンドロイドを設置し,その振る舞いが患者の持つ診察に対する印象にどのような影響を与えるかを調査し,陪席者としてのアンドロイドが患者の笑顔や頷きに合わせてそれらの表情を表出することで,患者の診察に対する印象が向上することを明らかにした.この結果は,以前行った実験と整合性を取ることが可能なものである.また,以前の実験において課題となっていたアンケートの天井効果などの問題も克服した結果となっており,この知見に対する信頼性を向上することができた.ロボット演劇においては,動作生成システムに改良を加え,それを用いて40分の長編演劇である"森の奥"の上映を行った.アンケートにおいては特に共感性に着目した解析を行っており,人間の役者の共感に関わる評価と同様に,自身の共感性の高低によってロボットの共感に関する評価が分かれることが明らかになった.
著者
吉村 浩典 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.1987-1997, 2007-08-01
被引用文献数
11

本論文では,屋外環境において照明変動に対してロバストかつ物体の影を除去した移動物体検出手法を提案する.この手法は明るさ可変背景モデルを用いて背景成分をカルマンフィルタにより連続して推定,更新を行うことで実現する.また移動物体の検出には,明るさ可変背景モデルを用いて色情報により識別を行う.更にMSC(Margined Sign Correlation:マージン付き符号相関)を利用して空間情報による識別も同時に行う.これにより更なる移動物体の検出精度の向上を図る.このシステムを実際に屋外において撮影された動画像に適用することで,カルマンフィルタによる背景成分の推定の様子を示し,移動物体の検出精度の評価とその考察を行う.
著者
北村 謙典 武村 紀子 岩井 儀雄 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.134, no.2, pp.218-224, 2014-02-01 (Released:2014-02-01)
参考文献数
13

In this study, we investigated expressive facial reactions in response to changes in the visual environment and their automatic extraction from sensors, in order to construct a comfortable level of illumination in personal living spaces. We conducted an experiment that showed that expressive facial reactions occur when illumination in the visual environment changes. We captured facial images and manually classified them as expressing or not expressing discomfort. We then conducted a second experiment that showed that automatic image processing can be used to extract and identify these expressive facial reactions. We extracted facial features and used a support vector machine to learn the classification in this experiment.
著者
岩井 儀雄 青木 康洋 石黒 浩
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.546-556, 2010-04-01
被引用文献数
3 1

In this paper, we propose a generic framework for detecting suspicious actions with mixture distributions of action primitives, of which collection represents human actions. The framework is based on Bayesian approach and the calculation is performed by Sequential Monte Carlo method, also known as Particle filter. Sequential Monte Carlo is used to approximate the distributions for fast calculation, but it tends to converge one local minimum. We solve that problem by using mixture distributions of action primitives. By this approach, the system can recognize people's actions as whether suspicious actions or not.
著者
岩井 儀雄 松村 朱里 伊藤 陽生 清水 敏之 不殿 健治 横地 裕次 山崎 隆一 山本 隆史 村山 健二 池田 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.525, pp.125-132, 2001-12-14
被引用文献数
6

本パターン知識・メディア理解(PRMU)研究専門委員会では、平成9年度から研究活動の一環として、若手研究者の発掘・育成と活性化を目的としたアルゴリズムコンテストを実施している。5回目の今年は、4月から公募を開始し、9月に情報・システムソサイエティ大会併催事業として、審査結果の発表と表彰、講演会を実施した。今回のテーマは、画像処理・パターン認識の基本的な問題としてCG画像の道路交通標識の認識、実画像の標識認識、実画像中からのセグメンテーションに挑戦するものである。問題の困難さに応じて3つの課題レベルを設定した。その実施報告を前半に行ない、後半には入賞したアルゴリズムについて入賞者らが詳細を紹介する。
著者
石黒 浩 平田 勝弘 小川 浩平 開 一夫 石井 カルロス寿憲 吉川 雄一郎 岩井 儀雄 西尾 修一 中村 泰 吉峰 俊樹 平田 オリザ 神田 崇行 宮下 敬宏 板倉 昭二 港 隆史 平田 雅之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

本研究は,従来の遠隔操作型アンドロイドやロボットを,さらに進化させ,今後主流になると予測される遠隔操作型ロボットの研究開発プラットフォームとして,半自律遠隔操作型アンドロイドやロボットの実現を目指した研究開発を展開した.具体的には次の課題について研究に取り組んだ.多様な相互作用が可能な半自律アンドロイドの開発.社会的存在としてのアンドロイドやロボットの機能開発.現実社会おけるアンドロイドやロボットの社会における実証実験.アンドロイドのブレインマシンインターフェース(BMI)による遠隔制御の研究.
著者
岩井 儀雄 勞世竑 山口 修 平山 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.343-368, 2005-05-13
参考文献数
222
被引用文献数
24

画像処理による顔情報処理に関連した研究について,1)顔検出法 2)イメージベースの顔認識法 3)モデルベースの顔認識法 という観点に基づき最近の動向を紹介する.In this paper, we survey research on facial image processing. We explain the followings: 1) face detection, 2) image-based face recognition, and 3) model-based face recognition.
著者
内海 ゆづ子 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.476-487, 2007-10-15 (Released:2008-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

顔認識の特徴量としては,様々なものが利用されているが,その代表的なものとしてGaborウェーブレット特徴量がある.Gaborウェーブレット特徴量は,出力特性が生物の視覚特性と似ており,Eigenface等,他の顔認識手法と比較して良好な性能を示している.しかし,顔認識の特徴量として,Gaborウェーブレット特徴量が最適であるか明らかではない.そこで,本研究では,Gaborウェーブレット以外の様々なウェーブレット(Haar, French hat, Mexican hat, Daubechies, Coiflet, Symlet, O-spline)を用いて特徴抽出を行い,どのウェーブレット特徴量が顔認識に最適であるかを調べた.ウェーブレットのスケールを固定したもの,スケールを可変にしたものの認識率を AR Face Databaseを用いて比較を行った.さらに,スケール可変ウェーブレットを8方向に回転させ特徴抽出を行い,認識を行った.その結果,スケール可変ウェーブレットで8方向から特徴抽出を行った場合,全てのテスト画像において Haarウェーブレットが Gaborウェーブレットより高い認識率を示すことが明らかになった.
著者
岩井 儀雄
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,草木などの揺れにより背景領域を物体として検出してしまう問題と,背景色と同じ物体は抽出することが出来ない問題に対して,人物領域を安定に抽出する方法を開発する.しかしながら,この2つの問題はトレードオフの関係にあり,草木の揺れなどに対応しようとして,安易に背景の範囲を広げてしまうと,背景色が多くなり,物体の検出率が落ちてしまう.そのため,事例データベースに基づく手法により,安定的に人物領域を抽出できる手法を開発し,数値的には遜色のない抽出性能を得られた.
著者
畠 直志 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.9, pp.1983-1992, 1998-09-25
参考文献数
25
被引用文献数
28

本研究では, 接触型センサやマーカなどを装着することなく, また背景や人物が異なった場合などの環境の変化にもよらない人物のジェスチャを認識するロバストなシステムを提案する.本手法は, カメラから得られる動画像において人物の動き情報に注目し, 画像上の各点の動き(オプティカルフロー)を抽出する.そして, 得られた動き情報をKL展開(Karhunen-Loeve Expansion)することでジェスチャ空間を作成する.入力された動き情報は, そのジェスチャ空間に投影して次元圧縮し, 1次元のシンボルに変換する.得られたシンボル系列を解析する方法としてHMM(隠れマルコフモデル)を用いる.シンボルの時系列をHMMで学習させ, 各HMM内でのゆう度を計算し, 最大となるHMMのモデルを選択することで認識を行う.このシステムを評価するために, 楽器を演奏するジェスチャをサンプル画像として用い, 異なる環境のもとで学習者以外の人物によるジェスチャ認識の実験や, 主成分数を変えたときの認識率の実験を行った.
著者
渡辺 賢 岩井 儀雄 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2713-2722, 1997-10-25
被引用文献数
21

本論文では, 単眼カメラから手を撮像し, 得られた画像特徴量から指文字を認識するシステムの構築を目的とする. 手のような関節物体は自由度が多く多彩な変形をするため, その形状を認識する際には, 対応付け問題, オクルージョン問題などのさまざまな問題が発生する. そこで, 本研究では撮像の際にカラーグローブを装着することにより, 手の特定領域の検出を正確かつ容易にし, オクルージョンにも対処できる方法を提案する. また, 実画像データをもとに計算機で生成したCAD理想モデルを用いた決定木の学習結果と, 実画像を用いた学習結果の検証についても併せて紹介する.
著者
渡辺 賢 岩井 儀雄 八木 康史 谷内田 正彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J80-D2, no.10, pp.2713-2722, 1997-10-25

本論文では,単眼カメラから手を撮像し,得られた画像特徴量から指文字を認識するシステムの構築を目的とする.手のような関節物体は自由度が多く多彩な変形をするため,その形状を認識する際には,対応付け問題,オクルージョン問題などのさまざまな問題が発生する.そこで,本研究では撮像の際にカラーグローブを装着することにより,手の特定領域の検出を正確かつ容易にし,オクルージョンにも対処できる方法を提案する.また,実画像データをもとに計算機で生成したCAD理想モデルを用いた決定木の学習結果と,実画像を用いた学習結果の検証についても併せて紹介する.
著者
大垣 健一 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1739-1749, 1999-10-25
参考文献数
15
被引用文献数
21

人の動きの計測はジェスチャ認識や,CGなどによる動きの再現に利用され応用範囲は広がっている.装着物を使用しない画像による動きの計測は対象の負担とならず,より望ましい.本研究では形状モデル,動きモデルを利用して時系列ステレオ画像から姿勢を推定する方法を提案する.具体的には時系列ステレオ画像から色と位置を利用した領域抽出により,頭と手の領域を抽出し,ステレオマッチングを行うことで対象の3次元位置を求める.頭と手の3次元位置と形状モデルを利用した逆運動学問題を解くことにより姿勢のパラメータを推定する.効率良くパラメータを推定するため動きモデルを用いたパラメータ予測を行い,シルエット領域とのモデルマッチングによる最適化を行う.また,合成画像に対するシミュレーション,実画像に対する実験を行い姿勢推定の有効性を示す.
著者
神吉 良典 長原 一 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.153-160, 2008-11-20

近年のカメラ技術の発達に伴い,カメラの高解像度化や高フレームレート化が進んでいる.しかしながら,画像データレートが解像度とフレームレートの積に比例して増加することなどから,高解像度高フレームレート動画像を取得することは一般的に困難であった.この問題を解決するための手法の1つとして,2つのカメラで同一シーンを撮像する複合センサカメラシステムが提案されていたが,装置が大型であるという問題点があった.本研究では,2つのCCDを1つのカメラに内蔵した小型複合センサカメラを提案する.従来機と比較して取り扱いの容易な小型複合センサカメラを用いることにより,高解像度,高フレームレートな画像センシングや映像の取得をより容易に行うことが可能となる.
著者
山本 文香 岩井 儀雄 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.177-184, 2008-11-20

本稿では,GPUを利用することで移動物体領域の検出処理を高速化し,リアルタイムで高精度な移動物体検出を行うことを提案する.GPU (Graphics Processing Unit)は,全てのピクセルについて同じ計算を繰り返す処理を高速に実行できるので,GPUを利用することでピクセルベースの移動物体検出手法の高速化を図ることができる.GPUを利用して,ABM (Adaptive Background Model:明るさ可変背景モデル)とMSC (Margined Sign Correlation:マージン付き符号相関)を用いた移動物体領域検出を行うことで,CPUを用いた場合より9倍以上高速に計算できることを確認した.このシステムを解像度720×486のカラー動画像に適用した結果とその処理時間を示す.