著者
冨田 恭彦
出版者
The Philosophical Association of Japan
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
no.45, pp.47-59,2, 1995

Davidsonian anti-representationalism is sometimes seen as a powerful weapon which can completely destroy the general framework of the Cartesian skeptical argumentation and Kantian anti-skeptical dialectic. Indeed, Davidson's philosophy of language has several very important morals, but, on my opinion, 'the Davidson-Rortyan attack to modern representationalism fails, because it does not successfully recognize two significant points: 1) Cartesian-Lockean theory of idea has the same dynamic structure as Davidson's argument against representationalism shows; 2) Kantian representationalism distorts this original structure in a usually misrecognized way so that it needs to be treated in a quite different manner.
著者
冨田 恭彦
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1108, pp.117-139, 2016-08
著者
冨田 恭彦
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本年度は以下の手順で研究を進めた。1.デイヴィドソンの言語哲学の基本的枠組を、クワインのそれとの比較において捉え直した上で、デイヴィドソン・ロ-ティ的反表象主義の要点を明確にした。この作業において、デイヴィドソンの師であるクワインから、私見に関する様々なコメントや資料の提供を受けた。また、その反表象主義が17・18世紀の観念説・表象説に一様にあてはまるわけではないという私見をめぐって、ロ-ティ自身とも意見を交換した。2.拙書『ロック哲学の隠された論理』およびその英語版“Ides and Thing"で指摘したロックの観念説の本質について、再度検討を行った。この過程で、前オックスフォード大学出版局ロック著作集編集主幹のヨルトン教授から、私見の細部に関する質問が数度にわたって寄せられ、その書評において私見を基本的に評価する旨が表明された。また、ロックを徹底した心像論者とするマイケル・エア-ズに対する批判についても、基本的に支持する旨の見解が寄せられた。3.以上の結果を踏まえて、ロック以降の観念説の検討に入った。ここではリ-ドの反観念説の論理が特に問題となった。つまり、リ-ドはわれわれの知覚の対象は「観念」ではなくて、「物」やその「性質」・「関係」であるとしたわけではあるが、これは、心の志向的性格を考えたとき、当然の結論ではある。しかし、この志向性を支える「内容」とか「質料」とか言われるものが、17・18世紀には「観念」や「表象」と呼ばれていたという可能性を考えるなら、このリ-ドの批判は、「観念」の背後にあった問題構制を単に回避するものと言わざるをえない。この点を明確にするには、デカルト以後の「観念」の用法を「志向性」の観点からもう一度洗い直す必要があり、現在、「近代観念説における自然学的論理とその変貌に関する研究」という研究課題の下に、平成8年度の科学研究費補助金を申請中である。
著者
小川 侃 佐藤 義之 冨田 恭彦 岩城 見一 斎藤 渉 金田 晋 吉田 和男 有福 孝岳 高橋 憲雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

平成12年から15年に継続された本科学研究費補助金によるプロジェクトは京都大学の研究者と京都大学以外の大学の研究者との共同作業に基づいて多くの成功した成果をあげることができた.なかでも海外からのおおくの著明な現象学的な研究者との国際的な協力と共同作業を行いえた.シュミッツ,ゲルノット・ベーメなどのようなドイツからの新しい現象学者,ヘルト,ベルネット,クリスティン,ケルックホーフェン,ダストウールがヨーロッパから共同研究に参加した.アメリカからの参加者はウエルトン,ガシェー,プルチョウなど.毎年数度の研究会を開催し,小川他が海外で共同研究を展開して成果の発表をおこなった.これらの研究プロジェクトの結果,集合心性は基本的に雰囲気と地方的もしくは地球全体の気候,天候,風土などに埋床しており,このことは,地水火風などという四つのエレメントを風土や雰囲気とくに風との連関で研究するべき新たなプロジェクトを立ち上げる必要性を示した.