著者
町澤 朗彦 青木 哲郎 岩間 司 鳥山 裕史 今村 國康 土屋 茂 金子 明弘 前野 英生 高橋 幸雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.10, pp.2308-2318, 2013-10-01

時刻情報は重要な社会基盤となっている.そこで,日本標準時システムに直結した信頼性の高い時刻配信システムを開発し,NTPサーバntp. nict. jpとしてインターネットを介して公開したので報告する.本システムは,インターネットにおける標準的な時刻同期プロトコルであるNTPを利用しているが,安定して時刻を配信するために,耐障害性,過負荷対策,将来にわたるサービスの維持,セキュリティ対策,Stratum 1の提供,GPS非依存などの特徴を有している.また,実運用から得られた利用統計情報を解析した.2012年末現在,1日当りのリクエスト数は約1億7千万,クライアントは約1500万IPアドレスであり,世界230の国と地域に広がっている.更に,ピーク時には1秒間に約13万リクエストの利用があることが明らかになった.一方,1日のポーリング頻度が1回以下のクライアントが約8割であること,並びに,1台の時刻サーバしか参照していないクライアントが約9割であることなど,クライアントの時刻維持が不十分であることが推測される.更に,クライアントのネットワーク距離分布から,インターネットの直径が従来の推定値よりも大きいことを示した.
著者
前野 英生 浦塚 清峰 神山 孝吉 古川 晶雄 渡邉 興亜
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.331-339, 1997-09-15 (Released:2009-09-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

雪上車搭載高感度アイスレーダにより, 1992年に南極大陸ドームF (77°19'S, 39°42'E, 標高3810m) 周辺の深さを最大3520mまで氷厚観測することができた.ドームF頂上部のDF80付近は, 周囲の基盤地形にくらべ盆地上の地形をしており, かつ, 内部層構造は, 傾きが小さいことからから, 流動によって氷床の鉛直分布が大きく乱されていないことを確認した.また, ドームF周辺およびその地点から大陸沿岸のS16までの基盤地形と氷床内部層の構造を明らかにし, それらの特徴について考察した.レーダ観測により判明した基盤高度は, ドームFからMD164 (S16より南へ約440kmの地点) までの内陸部では平均高度約500mであるのに対し, この点を境に沿岸部では海抜高度0m程度にステップ状に段差があることを見出した.また, この段差を境に氷の内部の構造が異なっている.氷床内部層構造は, 沿岸に近いほど複雑であり, 内陸部は沿岸部に比べ連続的で単純な構造であった.その要因は, MD164での段差が氷床流動に影響を与えているためと考えられる.
著者
浦塚 清峰 梅原 俊彦 灘井 章嗣 佐竹 誠 前野 英生 松岡 建志 増子 治信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.134-136, 2001-01-01
被引用文献数
7

平成12年3月31日に噴火を開始した北海道有珠山に対し, 航空機搭載映像レーダによるマイクロ波(波長3cm及び24cm)による有珠山の映像を取得した.このレーダは, 地上12, 000mの高度からでも1.5mの高分解能で地上の地形形状の把握が可能である.観測は噴火から約1週間後の4月6日と, 更にその6日後及び5月30日の3回実施した.この結果について速報する.