著者
加藤 道夫
出版者
文化庁 国立近現代建築資料館
雑誌
国立近現代建築資料館紀要 (ISSN:24366765)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-21, 2022-09-30 (Released:2022-12-14)
参考文献数
20

The aim of this paper is to situate the rideau of “Pantheon” theater in Tokyu Cultural Center [Tokyu Bunka-Kaikan] in the career of Le Corbusier as an artist. The results are the followings. 1) The seeds of ‹taureau› covers all of his painting genres: still life (object types and objects with poetic reactions), figure (female), mythology and landscapes. 2) The rideau was related to his tapestries collaborated with Pierre Baudouin through dessins. 3) It realized the peak [floraison] of his ‹taureau› series as a rideau. 4) It composed of the «taureauX» and «taureauXI». 5) There exists another rideau project of for Sakakura, based on ‹I dreamed [je vais]› series, which has not been executed as a rideau. 6) It is located almost in the center of bull-related mythology: from the rape of Europa to Adriane. 7) He picturized his final message of «Between-two [Entre-deux]» in the rideau.
著者
A.カミュ [著] 加藤道夫譯
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1951
著者
加藤 道夫
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Supplement1, pp.157-162, 2005 (Released:2010-08-25)

日本語における透視図, あるいは, 遠近法 (パースペクティヴ (perspective) ) の語源は, ラテン語のペルスペクティーヴァ (perspectiva) に由来するが, その本来の意味は「正しい視方」である.その理論的基盤は古代ギリシアのユークリッドに遡ることができる.しかし, その像を具体的に表現する技法, いいかえるならその作画 (作図) 法については説明されていない.つまり, この時点では, 現象は説明可能という意味で「科学」であっても, 「画像」を生成できないという意味で「技術」ではないということができる, ルネサンス期に具体的に図を作成するという作図法技術が考案され, 以降, 普及・発展した.その技術は, 「固定化された視点」という決定的な前提を含んでいた.見方を変えるならば, 視点を固定化するという条件を設定することで, 作画法が考案可能となったといえる.以降, 遠近法は変質し, その本来の意味である「正しい見方」から「偽りの見方」を表示する技術としての変化をとげる.一方で, 「固定化した視点」を克服するさまざまな試みも見られる.また, 近年の計算機の発展と普及は, ルネサンス以来遠近法が抱えてきた諸問題をクリアしたかに見える.他方で, 計算機による一義的な表現とは異なる手の痕跡を残した手描き画像の価値も見直されつつある.本発表は, 科学技術の視点から遠近法の歴史的変遷を俯瞰するものである.
著者
加藤 道夫
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement2, pp.83-88, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

モデュロールの初期の導出作図には, それまで用いられてきたトラセ・レギュラトウールの内, 対角線を手段とするトラセ・ディアゴナルが適用されていた.本研究はトラセ・ディアゴナルの性質を明らかにすることで, 初期の導出作図の誤りが軽視された理由を考察するものである.その結果, 次の点が明らかになった. 1) 初期の導出作図は近似解であり, その誤差を再検証した結果, ル.コルビュジエの著書で指摘されるように0.6パーセントであった. 2) トラセ・ディアゴナルの適用例を検証し, それが事後的な調整であり, 予め定められた一定の比に依存しないことがわかった. 3) 初期の導出作図に見られるトラセ・ディアゴナルも事後的に確認された近似的関係を作図に導入したものである. 4) 以上から, 当初の導出作図の誤差は, それ以前のトラセ・ディアゴナルにおける誤差と同様, ル・コルビュジエにとって大きな問題ではなかったと考えられる.
著者
加藤 道夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.536, pp.275-279, 2000
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Le Corbusier's architectural polychromy was analyzed on following 3 aspects. 1. The influence of De Stijl, which introduced polychromy into architecture before Le Corbusier. 2. Relations between purism's painting theory and architectural polychromy. 3. Relations between usage of equi-directional planning grid and architectural polychromy. The conclusions are as follows. 1. Architectural polychromy is the application of purism's painting theory. 2. To apply purism's painting theory to architecture, standard planes have to be established in architecture. 3. Identified with the standard planes of architectural polychromy, the imaginary standard planes to be provided by the equi-directional planning grid are able to apply purist's painting theory into architecture.
著者
鈴木 賢次郎 安達 裕之 加藤 道夫 山口 泰 横山 ゆりか
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年、コンピュータによる立体形状の図的表現と図形処理-コンピュータ・グラフィックス(以下、3D-CG)-とその設計製造技術の応用-計算機援用設計(以下、3D-CAD)-が実社会で普及するに連れて、図学教育へのCG/CAD教育導入の必要性が高まっている。そこで、本研究においては、東京大学教養学部前期課程教育(教養教育)における実践を通して、すべての分野に進学する学生を対象とした3D-CG/CADを用いた図的表現法に関する基礎教育-これを、グラフィックス・リテラシー教育と呼ぶ-のためのカリキュラムを開発し、これを普及することを目的とした。平成17年度においては1クラスを対象として、また、平成18年度においては5クラスを対象として試行教育を実施し、これらの試行教育結果の分析を基に、平成19年度から、対象を10クラスに広げて本格教育を開始した。カリキュラム開発に当たっては、学生に提出させたレポート(課題の出来具合/課題を遂行するに学生が要した時間/授業で困難を感じた点を記載)、期末試験、学生による授業評価結果、および、切断面実形視テストを用いた学生の空間認識能力の育成効果について詳細な分析を行い、また、学期末には担当教師による反省会を催し、次年度の教材・教育方法の改善に役立てた。これら授業実施結果の分析によれば。まだまだ、改善すべき点は多いものの、ほぼ目的に沿った授業が実現できたものと考えられる。平成19年3月には、この授業用に執筆した教科書を出版し世に出した。また、カリキュラム開発の経過は、日本図学会、日本設計工学会、グラフィックスとCAD研究会(情報処理学会)、建築学会、図学国際会議、日中図学教育研究国際会議、設計工学国際会議などにおいて、講演・論文の形で公表し、広く当該カリキュラムの普及を図った。