著者
勝田 隆 友添 秀則 竹村 瑞穂 佐々木 康
出版者
日本スポーツ教育学会
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.31-48, 2016
被引用文献数
1

<p>本研究の目的は、現在のスポーツ界において、スポーツ・インテグリティという用語がどのように捉えられているのかを明らかにすること、また、その用語のもとに展開される実践的取り組みにについて、とくに教育的観点から、問題点を指摘することである。<br>そのために、まず、現在のスポーツ界において、スポーツ・インテグリティという用語がどのように捉えられているかを整理し、その上で問題点を見出した。<br>次に、スポーツ・インテグリティを保護・強化をする上で脅威となる要因について整理した。そして、複数のスポーツ団体が実践的に取り組むスポーツ・インテグリティに関するプログラムを、教育的観点から6 つに分類し、問題点について精査した。<br>考察の結果、本研究において以下の問題点が見出された。<br> a) スポーツ・インテグリティは、スポーツの文脈だけでなく、教育的・社会的文脈においても語られること。<br>b) 日本のスポーツ関係者は、大規模イベントの開催国の責任として、この問題に対する教育を啓蒙する必要性について認識し、共有すること。<br>c) 各組織のリーダーは、スポーツ・インテグリティの脅威に関する共通理解を持ち、これまで以上に共に対処していくことが求められていること。<br>d)「スポーツ ・インテグリティ」を自分自身に、そして組織や社会に対して問う姿勢として、スポーツそのものを守るための行動変容に不可欠なものと捉えること。<br>本稿におけるスポーツ・インテグリティに関する考察はまだ序説に位置づくものであり、今後、教育的観点以外の考察を含め、更なる研究が求められる。</p>
著者
勝田 隆
出版者
筑波大学体育科学系
雑誌
筑波大学体育科学系紀要 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.121-123, 2005-03

アテネで開催された第28回オリンピック大会(以下「アテネオリンピック」とする)の日本選手団編成は、選手312人、役員201人、総勢513人であり、日本選手団史上最大の規模であった。312名の選手数についても、1996年 ...