著者
勝部 昭明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.296-299, 2002 (Released:2003-03-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

This paper reports recent research activities and developments of odor sensor and taste sensor. The application fields and market places of these sensors are expanding by the remarkable progress both in sensing devices and signal processing engines. These sensor developments are first reviewed by comparing the differences between odor and taste detection technologies. Then, the quantitative analysis method of taste sensor is discussed and finally mentioned about a flavor sensor consisting of taste sensor and odor sensor.
著者
瀬戸 就一 川辺 弘之 下村 有子 大薮 多可志 勝部 昭明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.279, pp.7-12, 2003-08-22

半導体ガスセンサの表面で反応する化学種を定性・定量的に分析することがこの研究の目的である.従来,半導体ガスセンサにおけるガス検出の研究は,センサの化学種に対する感度に重点を置き,応答が飽和した状態でのセンサ出力に着目してきた.しかしながら,反応の初期段階,すなわち,反応が平衡するまでの過渡期間においては,センサ表面で反応している気体の化学的過程に関しての情報を有している.本研究では,未飽和状態(反応の過渡状態)の時系列データに対して,自己回帰(Auto Regressive,以下ではARと略す)モデルを採用しデータ解析を行った.なぜならば,ARモデルは,指数関数的に振動・減衰するデータを解析できる手法だからである.従来,ARモデルの主な適用対象は高精度で解析可能な振動現象である.減衰波形を適用対象にした場合,適用現象が限られたり,解析精度が満足できないなどの不満があった.本研究ではARモデルに工夫を加えることで,減衰波形を満足行く精度で解析可能にした.まず,指数関数的に飽和する過渡応答データを指数関数型減衰信号に変換する.そして,ARモデルを適用する.指数関数型出力を重ね合わせたセンサ出力モデルに対しこの方法を適用した.乱数で生成した雑音を加えた信号ですら個々の減衰波形成分に分離可能で,減衰定数と初期振幅とが決定可能であった.この方法を半導体センサの出力に適用すると,ガス種の同定と初期濃度の決定が可能である.