著者
北尻 真一郎 田渕 圭作 平海 晴一
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.17-20, 2001-01-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
19

A case of fracture of the stapes footplate with ossicular disruption and perilymph fistula caused by earpick-induced trauma is reported. A 51-year-old female was presented with hearing loss and vertigo just after sticking an ear pick into her left ear. Pure tone audiometry showed a mixed hearing loss of 67.5dB. Nystagmus was not observed, and vertigo improved in a week. On exploratory tympanotomy, the fracture of the stapes footplate accompanying a dislocation of the incudo-stapedial joint and perilymphatic leakage from the oval window were found. The perilymph fistula was sealed with temporal fascia, and ossicular chain continuity was reconstructed by type N tympanoplasty. After the operation, the cochlear and vestibular symptoms improved.
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 田浦 晶子 山本 典生 坂本 達則 北尻 真一郎 平海 晴一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

根本的治療方法のない感音難聴に対して、その主要な責任部位である内耳蝸牛の発生メカニズムを解明し、内耳再生医療の確立を目指す本研究では以下の事を達成することができた。1.再生のための操作対象となる蝸牛内幹細胞群の同定、2.内耳発生に重要な役割を果たす新規遺伝子候補の同定、3.NotchシグナルやIGF1の内耳再生医療への応用、4.ヒトiPS細胞の有毛細胞への誘導プロトコールの改良。本研究で得られたこれらの成果を適切に組み合わせることにより、内耳再生医療のヒトへの応用に近づくことができると考えられる。
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 平海 晴一 山本 典生 坂本 達則 小島 憲 田浦 晶子 北尻 真一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって内耳発生に重要な因子が内耳再生医療に有用であることを発見した。細胞増殖制御因子p27Kip1を生後マウス蝸牛で抑制すると、増殖能がないとされていた生後哺乳類の蝸牛支持細胞が増殖した。HGFやEP4アゴニストが内耳障害の予防や治療に有用であることを発見し、そのメカニズムを解明した。Notchシグナルが、内耳内の細胞運命決定だけでなく感覚上皮前駆細胞の分化タイミングの制御や維持を担うことを発見した。