著者
北尻 真一郎 田渕 圭作 平海 晴一
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.17-20, 2001-01-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
19

A case of fracture of the stapes footplate with ossicular disruption and perilymph fistula caused by earpick-induced trauma is reported. A 51-year-old female was presented with hearing loss and vertigo just after sticking an ear pick into her left ear. Pure tone audiometry showed a mixed hearing loss of 67.5dB. Nystagmus was not observed, and vertigo improved in a week. On exploratory tympanotomy, the fracture of the stapes footplate accompanying a dislocation of the incudo-stapedial joint and perilymphatic leakage from the oval window were found. The perilymph fistula was sealed with temporal fascia, and ossicular chain continuity was reconstructed by type N tympanoplasty. After the operation, the cochlear and vestibular symptoms improved.
著者
亀井 昌代 桑島 秀 片桐 克則 平海 晴一 佐藤 宏昭 小田島 葉子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.7, pp.580-585, 2020-07-20 (Released:2020-08-06)
参考文献数
13

集音器はあくまで「家電製品」として販売されており, 管理医療機器である補聴器とは異なる. われわれは, 補聴器2機種と通信販売されている集音器2機種の4機種について周波数特性を測定し, 20~22歳の若年者と41~55歳の壮年者の健聴被験者に対して客観評価, 印象評価について検討した. その結果, 集音器の周波数特性は, 語音聴取に必要な特性ではなく, リニア増幅で出力も 100dB SPL を超えるため短時間の会話でも聴取時間によっては騒音性難聴の危険があることが分かった. 補聴器の周波数特性は各種聴力検査の結果を基に調整を行い, また出力制限は症例に応じて調整可能で騒音性難聴の危険はない. 雑音下語音明瞭度は, 補聴器が集音器に比較し有意に高値であったが, 印象評価では集音器が良い傾向であった. したがって, 補聴器は印象評価が集音器に比較し低い傾向があるが, 十分な調整と補聴リハビリテーションをすることにより聞き取れ, 集音器は聞き心地がよく聞こえた感じはあるが聞き取れているわけではないことが分かった.
著者
古田 一郎 山本 典生 平海 晴一 坂本 達則 伊藤 壽一
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.131-135, 2013-05-25
参考文献数
9

当科で経験した8例10耳の耳硬化症再手術症例につき検討した。10耳中2耳は再々手術例であった。初回手術から再手術までの平均期間は4年9か月で、再手術のきっかけとなった主訴は9耳が難聴で1耳がめまいであった。術中所見では8耳(80%)でピストンの脱落を認めたが、術前にコルメラの評価を行った側頭骨CTでは、5耳しかピストンの変位を指摘できなかった。術前、術後の聴力評価は気導3分法で行ったが、再手術により難聴を主訴にした9耳のうち7耳で15dB以上の聴力改善を認め、再手術による内耳障害等、重篤な合併症を認めた症例は1耳もなかった。このことより、耳硬化症術後に難聴をきたした場合は、再手術により聴力改善が大きく期待され、原因精査の意味も含め、積極的に再手術を行うべきだと考えた。
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 田浦 晶子 山本 典生 坂本 達則 北尻 真一郎 平海 晴一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

根本的治療方法のない感音難聴に対して、その主要な責任部位である内耳蝸牛の発生メカニズムを解明し、内耳再生医療の確立を目指す本研究では以下の事を達成することができた。1.再生のための操作対象となる蝸牛内幹細胞群の同定、2.内耳発生に重要な役割を果たす新規遺伝子候補の同定、3.NotchシグナルやIGF1の内耳再生医療への応用、4.ヒトiPS細胞の有毛細胞への誘導プロトコールの改良。本研究で得られたこれらの成果を適切に組み合わせることにより、内耳再生医療のヒトへの応用に近づくことができると考えられる。
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 平海 晴一 山本 典生 坂本 達則 小島 憲 田浦 晶子 北尻 真一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって内耳発生に重要な因子が内耳再生医療に有用であることを発見した。細胞増殖制御因子p27Kip1を生後マウス蝸牛で抑制すると、増殖能がないとされていた生後哺乳類の蝸牛支持細胞が増殖した。HGFやEP4アゴニストが内耳障害の予防や治療に有用であることを発見し、そのメカニズムを解明した。Notchシグナルが、内耳内の細胞運命決定だけでなく感覚上皮前駆細胞の分化タイミングの制御や維持を担うことを発見した。