著者
諸岡 晴美 北村 潔和 鳥海 清司 諸岡 英雄 眞鍋 郁代 中橋 美幸
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ストレス社会・高齢社会を迎え, 健康で快適な生活の遂行が希求され, "人にやさしい" 製品の開発が求められている. 本研究では, 脳波, 心電図, 筋電図, 連続血圧, 呼吸代謝, 体温, 皮膚性状, 発汗挙動などの生理生体情報を測定し, 繊維製品からの刺激と生体信号との対応関係を解析するとともに, 感性工学的手法を用いて, 諸機能(筋機能, 代謝機能, 体温調節機能, 皮膚組織の弾力など)の低下を伴う高齢者対応の繊維製品についての基礎的研究および具体的な設計指針の導出と製品開発を行った.
著者
諸岡 晴美 北村 潔和 鳥海 清司 諸岡 英雄 中橋 美幸
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、高弾性衣料として、女性ファンデーション、レッグウェア、スポーツウェアを取り上げ、繊維組成・糸構造・編構造、衣料のデザイン・カッティング・サイズの各因子と衣服圧強度・衣服圧分布との関係を検討するとともに、その衣服圧が人体生理に及ぼす影響を、従来の静止時に加えて運動時・活動時について、さらに若年層に加えて中高齢層をも対象に検討を行った。また、レッグウェアについては、従来軽視されがちだった色柄などの審美特性についても重点的に検討するなど、本研究においては、生理的にも心理的にも健康で快適な高弾性衣料のための基礎的研究から具体的な設計指針を導出し、開発研究にまで繋げることを目的として、被服材料学的、人間工学的、被服生理学・運動生理学的、感性工学的観点から総合的・複合的に解析した。当該期間の研究成果は以下の通りである。1.女性ファンデーションとして、ウェストニッパーおよびブラジャーを取り上げ、衣服圧に及ぼす要因を明らかにする一方、衣服圧が人体生理・心理に及ぼす影響を明らかにした。また、ファンデーション素材の熱特性と温熱的決適性についても検討した。2.レッグウェアとして、サポートタイプパンティストッキング(パンスト)および紳士用靴下の圧的快適性に関する研究を行った。また、審美特性としてパンストの透明感、色彩と縞柄の視感、パンストの構造特性と審美特性との関係を明らかにした。3.スポーツ時の人体生理に関する基礎的研究に加え、歩行・走行時の脚部疲労を軽減しうる圧分布を明確化した。また、腕伸展運動および膝関節運動時に活動筋を支援しうる圧分布のあり方を、弾性テープを用いた数種のテーピング効果を解析することにより明らかにした。4.その他、シリンダー方式による脚型着圧測定装置の開発や高機能性付与素材の効果の検証等を行った。以上の研究は、報文21報、投稿中2報の他、5報を投稿準備中、1件の特許出願を予定している。これらのことから、本研究の目的は十分に達成されたと考えられる。
著者
北村 潔和
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.127-133, 1986-06-01
被引用文献数
1 1

筋持久力トレーニングが,安静時,作業中,回復期の血流量に及ぼす影響を検討した. 筋持久力トレーニングは,3週間とし1日1回最大筋力の30%の負荷を60回/分のテンポに合わせて,1cmの高さに疲労困憊まで持ち上げることによって行わせた. 筋持久力作業は,ハンドエルゴメーターを用いて,前腕血流量(安静時,作業中,回復期)の測定は,水銀ラバーストレインゲージプレチスモグラフ法を用いて行った. 筋持久力は,3週間のトレーニングによって約171.6%増大した(P<0.001). 安静時血流量は,トレーニングによって有意な変化を示さなかった. 作業中最高血流量(P<0.01),作業終了直前血流量(p<0.05),作業終了直後血流量(p<0.05)は,トレーニングによって有意に増大した. また,トレーニング3週間目の作業中血流量は,トレーニング前に比べて作業開始直後から高い値を示した. 以上の結果は,これまでに報告されている筋持久力トレーニング効果の結果を確認し,さらに,作業中血流量がトレーニングによって増大することを明らかにしたものと考えられる.
著者
北村 潔和
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.240-245, 1981-10-01

本実験では,電気刺激を適用して,右下腿の律動的作業を行わせた際の左右の大腿と下腿血流量を水銀ラバーストレインゲージプレチスモグラフを用いて同時測定した。作業終了直後(10秒以内)の右下腿血流量は,安静時に比べて約3.00倍に増大した。一方,非活動部位の右大腿および左大腿と下腿血流量には,安静時に比べて有意な変化が認められなかった。