著者
北村 章二 生田 和正 鹿間 俊夫 中村 英史 鈴木 幸成 棟方 有宗
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2005-12 (Released:2011-03-05)

2002年度から全域キャッチアンドリリース(C and R)制となった湯川において、C and Rによる魚類資源維持効果の判定を目的として釣り人へのアンケート調査及び釣魚期間前後における資源調査を2002年と2003年に行った。C and R制導入前の2001年と比較すると、釣魚者は27.4%(2002年)及び34.2%(2003年)増加し、フライ釣り人の割合はそれぞれ83.8%及び88.1%に増加した。時間当たり釣獲率も2003年には1.21と有意に上昇した。また、両年とも釣魚期間前よりも釣魚期間後にカワマス資源量が増加していた。これらから、元々C and Rを基本とするフライ釣りの割合の高かった湯川におけるC and R制の導入は、釣魚者には好意的に受け入れられ、カワマス資源の維持に効果的であったことが示された。
著者
北村 章二 生田 和正 鹿間 俊夫
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-10, 2005-12
被引用文献数
1

2002年度から全域キャッチアンドリリース(C and R)制となった湯川において、C and Rによる魚類資源維持効果の判定を目的として釣り人へのアンケート調査及び釣魚期間前後における資源調査を2002年と2003年に行った。C and R制導入前の2001年と比較すると、釣魚者は27.4%(2002年)及び34.2%(2003年)増加し、フライ釣り人の割合はそれぞれ83.8%及び88.1%に増加した。時間当たり釣獲率も2003年には1.21と有意に上昇した。また、両年とも釣魚期間前よりも釣魚期間後にカワマス資源量が増加していた。これらから、元々C and Rを基本とするフライ釣りの割合の高かった湯川におけるC and R制の導入は、釣魚者には好意的に受け入れられ、カワマス資源の維持に効果的であったことが示された。
著者
杜多 哲 杉山 元彦 本城 凡夫 大和田 紘一 浅川 明彦 田中 信彦 佐古 浩 北村 章二 淡路 雅彦 飯倉 敏弘 熊田 弘 山本 茂也
出版者
水産庁養殖研究所
雑誌
養殖研究所研究報告 (ISSN:03895858)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p13-29, 1990
被引用文献数
2

五ケ所湾において1984年から1989年の塩分の測定結果を用いて,ボックスモデルを用いた解析を行い次のことを明らかにした。(1)五ケ所湾内を1ボックスとした場合,滞留時間は多くの場合2~7日であり,平均は1984年から1985年で4.7日,1986年から1989年で3.3日であった。輸送係数は2月から4月にかけて最大値を,11月から1月にかけて最小値をとる傾向がみられた。(2)五ケ所湾に適用したボックスモデルで得られる輸送係数の精度は,5割の誤差範囲におさまるが湾口部(ボックス1)と中間部(ボックス2)の塩分差が0.05‰より小さくなると,誤差が大きくなる。従って海水交換が良く,塩分差の小さい時期にはより適切な観測点配置と,より精度の良い観測を行う必要がある。(3)五ケ所湾の支湾の1つである迫間浦は,他の支湾に比べ海水交換が著しく悪い。その原因の1つとしては,流域面積が小さいため流入する河川水が少なく密度流が他の支湾に比べ生じにくいこと,冬季の季節風によって生じる吹送流が,地形的な原因で海水交換に結びつかないことが考えられる。
著者
山家 秀信 棟方 有宗 会田 勝美 伏谷 伸宏 北村 章二
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.896-901, 2004 (Released:2005-07-08)
参考文献数
20
被引用文献数
2 4

福島県秋元湖に生息するコクチバスの生殖腺周期を調査した。雄では4~7月と9~12月において精子又は精細胞がみられたが, GSI の低い8月には精母細胞が多く観察された。雌では4~6月と10~12月において周辺仁期と卵黄球期の卵母細胞がみられ, GSI の低い7~9月には卵黄球期の卵母細胞の割合が減少した。testosteroneと17,20β-dihydroxy-4-pregnen-3-oneの血中量は, 雌雄共に5月にピークを示した。本種は春から初夏にかけてが主な繁殖期であるが, 秋以降も一定の成熟度を保つことがわかった。
著者
武田 維倫 糟谷 浩一 福冨 則夫 土居 隆秀 室井 克己 加藤 公久 室根 昭弘 佐藤 達朗 花坂 泰治 長尾 桂#北村 章二
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.45, pp.3-12, 2002-03 (Released:2013-10-08)

栃木県中禅寺湖では、平成7年に密放流によると思われるコクチバス(Micropterus dolomieu) が県内で初めて確認された。本種は北米原産の肉食魚であり繁殖力が強く、さらには冷水域や河川にも生息可能であることから我が国の内水面漁業や在来種に悪影響を与える事が懸念されている。そこで本種の効果的な駆除方法を確立することを目的として、平成7年から平成12年の間、毎年4月から9月にかけて本種の生態調査と駆除方法の検討を行った。期間中に捕獲したコクチバスは96尾、確認した産卵床は46個であった。捕獲方法の内訳は水中銃で33尾、地曳網で31尾、巻網で22尾、釣りで9尾、刺網で1尾であった。また、実際に産卵が行われた産卵床は10個であった。年度毎にみると、捕獲尾数、産卵床確認数ともに平成8年が最も多かった(42尾、18個)が、平成12年には捕獲尾数1尾、確認された産卵床数1個のみとなり駆除の効果が表れているものと思われた。捕獲魚の胃内容物のうち最も多く確認されたのはヨシノボリ(Rhinogobius sp. )とスジエビ(Palaemon paucidens)であったが、漁業対象種であるヒメマス(Oncorhynchus nerka)及びホンマス(Oncorhynchus sp. )の稚魚も発見された。コクチバス及びその産卵床は水温が12℃以上になる5月下旬から確認され始め、産卵床は水深1.3~4mの範囲で付近に障害物のある遠浅の砂礫地につくられる例が多かった。以上の結果から、中禅寺湖では水温12℃以上になる期間中に地曳網、巻網、水中銃を地形に合わせて使い分けて駆除を行うのが効果的であると考えられた。