著者
福田 恵一 小林 芳夫 半田 俊之介 吉川 勉 内田 博 中村 芳郎
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1913-1918, 1989-09-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
7

Methicnlin耐性ブドウ球菌 (MRSA) による感染性心内膜炎と, これに伴う大動脈弁閉鎖不全症にCefmetazole (CMZ) とFosfomycin (FOM) の併用療法を行い根治し得た症例を経験した。被検出菌はin vitroにおいてもDisc法及び平板法によりCMZとFOMの相乗効果がみられた。MRSA感染症において感染性心内膜炎のような重症感染症に対してもCMZとFOMの併用が有用であつたとの報告はなく, 両者の併用が相乗効果を持つことが確認できた希有な症例と考えられ報告した。
著者
柏木 航介 野口 智康 中村 美穂 半沢 篤 半田 俊之 福田 謙一
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.37-41, 2018 (Released:2019-12-04)
参考文献数
6

症例の概要:37歳男性.上顎左側第二大臼歯および眼窩部の疼痛のため,眼科を受診するも改善しなかった.その後近歯科医院を受診したところ急性上顎洞炎と診断され,クラリスロマイシンとロキソプロフェンナトリウムを処方されたが症状改善せず,当科受診.当該歯に齲蝕が認められたため齲蝕除去を行ったが症状は改善せず,1日に5回以上生じる歯痛と眼窩から側頭部にかけての拍動性の激痛は残存した.また結膜充血,鼻汁を伴い,症状が生じると診療室内を落ち着きなく動き回っていた.症状から群発頭痛を疑い,酸素投与を行ったところ症状の緩和が認められた.そのため当院内科へ対診し,スマトリプタンコハク酸塩100mgを頓服処方されたが,症状は再発し再度来院した.そこで発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania:PH)を疑い,インドメタシン50mgを処方したところ,歯痛・頭痛ともに症状が改善し,現在疼痛の再発はなく,経過良好である. 考察:PHを発症している患者の15%は歯痛を感じており,発作性の歯痛,顔面痛を訴え歯科に来院することも少なくない.今回の症例も歯痛を主訴として来院しており,診断に難渋したものの自律神経症状から神経血管性歯痛と診断しインドメタシンで除痛することが出来た. 結論:今回私達はPHによる上顎臼歯部と眼窩部の痛みに対する治療を経験した.鑑別に苦慮する神経血管性歯痛を訴える患者が来院することもあるため,歯科医師にも頭痛の知識は必須だと考えられた.
著者
茅野 真男 薄葉 文彦 池川 徹 戸山 雅子 小川 聡 半田 俊之介 中村 芳郎
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.183-190, 1986

失神26例を, 失神時心電図所見により, 持続性心室頻拍 (SVT) 8例, 非持続性心室頻拍 (NSVT) 5例, 心室細動 (VF) 5例, 心電図記録なし (syncope) 8例の4群に分け, programmed ventricular stimulation (PVS) を施行した.対象例の基礎心疾患は, 虚血性心疾患10例, 心筋症7例, 基礎心疾患なし5例, その他4例である.VT誘発は, 右室の2カ所で, 2連発早期刺激法を用いた.その結果, 9例でinduced SVT, 8例でinduced NSVTが誘発された.各群でのinduced VT (SVT+NSVT) の誘発率はSVT100%, NSVT60%, VF60%, syncope38%, induced SVTのみの誘発率はSVT75%, NSVT20%, VF40%, syncope 0%であった.失神時と誘発時で12誘導心電図上VT波形を比較しえたSVTの4例全例とも, QRS波形は一致した.induced SVTの停止に, 4例でDC shockを要したが死亡はなかった.PVS法は, VT, VF, 失神時心電図のない例において, 発作の原因推定に有用な方法と思われる.