著者
尾澤 伸樹 石川 宗幸 中村 美穂 久保 百司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.351-356, 2012-06-10 (Released:2012-06-29)
参考文献数
4
被引用文献数
7 14

A chemical mechanical polishing (CMP) mechanism of a glass surface by a CeO2 abrasive grain under water environment has not been elucidated because the CMP process is complicated combination of chemical reactions and mechanical polishing. In this review, we introduce our successful clarification of the CMP mechanism by computational simulation methods. First, we revealed that the oxygen defects in the CeO2 abrasive grains lead to the generation of exposed Ce3+ atoms on the CeO2 surface and then the chemical reactions of the exposed Ce3+ atom and the glass surface make the elongation of Si-O bonds. We also clarified that H2O molecules react with the above elongated Si-O bonds and then the Si-O bonds are dissociated. These chemical reactions are suggested to soften the glass surface and enhance the mechanical polishing. Furthermore, according to the above clarified CMP mechanism, we succeeded to propose the design principles for the alternative materials of CeO2 abrasive grains.
著者
櫟 直美 尾形 由起子 小野 順子 中村 美穂子 大場 美緒 吉田 麻美 猪狩 崇 平塚 淳子 田中 美樹 吉川 未桜 山下 清香
出版者
福岡県立大学看護学部
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-23, 2022-03-31

「目的」本研究の目的はA県の3年間にわたる訪問看護ステーション連携強化の取組について意義と課題の整理を行い、今後の訪問看護ステーション連携について検討することを目的とした。「方法」A県の同意の得られたすべての訪問看護ステーション419か所に所属する訪問看護師3,750名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し、統計学的解析を行った。「結果」936名から回答を得た(有効回答率:25.0%)。交流会に参加して他のステーションと連携がしやすくなったのは37.1%だった。今後の必要性について、交流会を必要とする肯定群は936人中641人(68.5%)で、同行訪問研修を必要とする肯定群は936人中562人(60.0%)だった。しかし同行訪問研修の実際の参加率は16.8%にとどまり、参加の困難さがあった。医療介護福祉の連携意識は、年代と職位に有意な差があった。また交流会および同行訪問研修の必要性と連携意識に有意な差があった。在宅医との連携では、最も必要であると感じているが、連携の取りやすさでは困難さを感じていた。「考察」本研究結果では訪問看護ステーション間での連携の深まりを明らかにすることはできなかった。しかし交流会や同行訪問研修の必要性を感じている割合が高かったことから継続する意義はあると考えた。その意義として具体的には、連携上の課題が共有でき、医療的ケアの知識や技術が学べることや運営方法を知る機会となることである。また在宅医療推進のために在宅医との調整の積み重ねの必要性があり、コミュニケーションスキルを磨き、連携力を獲得していくための場への積極的参加の啓発と参加しやすい仕組みづくりが必要である。
著者
中村 美穂
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.81-91, 2017

本研究の目的は,高校教師が,1)スクールカウンセラー活用事業をどのように評価し,当事業による教師自身の体験に伴う変化を認識しているかを明らかにし,2)スクールカウンセラーの教師へのコンサルテーションにどのような役割と機能を期待しているかを探索的に調査すること,さらに 3)予防援助的および危機管理的問題状況に対するコンサルテーションに期待するスクールカウンセラーの役割と機能は,各問題状況によってどのように異なるかを検討することである。112名の高校教師対象の調査の結果,スクールカウンセラーの専門性に対する安心感や教師への援助を評価している一方,スクールカウンセリング活動への不満や教師自身の葛藤を認識していることが明らかとなった。また,高校教師は,スクールカウンセラーに,予防援助的問題状況においては,(1)教師主体の援助活動のコーディネーター役,(2)教師の適切な援助活動のアドバイザー役,(3)教師の内省促進のモニター役,(4)教師と保護者の関係調整のコネクター役,危機管理的問題状況においては,(1)チーム援助活動のコーディネーター役,(2)教師の緊急支援活動のディレクター役,の役割と機能を期待することが示された。
著者
中村 美穂 Miho NAKAMURA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
no.21, pp.17-27, 2021-03

本研究では、長崎国際大学の学生にとって有益な相談環境の整備を目指し、学生相談室を利用しようとする学生の情報ニーズを把握した。学生は、安心かつ信頼して相談できる環境を求め、カウンセラーの人となりや相談室内外の環境、学生相談の利用状況などを確認したいということが明らかになった。また、情報提供の仕方については、学生がアクセスしやすい Web 上のホームページをはじめ、学生の目に入りやすい媒体で行う必要があることが示された。さらに、学生にとっての相談相手として友人、家族、教員、学生相談カウンセラーそれぞれのイメージや相談することに対する抵抗感や不安を把握した。その結果、学生は、自分の問題や状況などに応じて相談相手を選択し、相談することによる良好な予後を期待していることが推察された。つまり、学生相談カウンセラーは、学生の問題や状況などに合う学内外の援助資源の情報を提供し、必要に応じて学生相談カウンセラー自ら学生と支援者との橋渡しをする必要もあると考えられた。
著者
山口 のり子 福岡 洋子 中村 美穂子 猪狩 崇 尾形 由起子
出版者
福岡県立大学看護学部
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
no.18, pp.21-26, 2021-03-31

在宅医療推進のための官民学協働を基盤とした多職種連携・協働で取り組んだ、『ケア・カフェ』の効果を明確にした。 研究協力者は、ケア・カフェの企画及び実践を行っている地域の保健・福祉・医療関係者の多職種(薬剤師、理学療法士、管理栄養士、主任介護支援専門員、看護師、保健師)とした。方法は、半構造化面接(FGI)を行い、質的に分析した。 結果は、官民学の多職種連携・協働による「ケア・カフェ」の効果として、[ケア・カフェによる多職種連携の士気の高まり][官民学の役割認識の高まり][多職種の主体性の高まり][住民に寄り添う各種専門職の専門性の向上][多職種が「死生観」を培う][地域への発信力向上の必要性の認知]の7つのカテゴリーが抽出された。 多職種連携を推進するためには、地域の中でカフェのようなリラックスした雰囲気で多くの職種との対話ができる場の確保や、多職種と行政・大学等が協働し活動基盤を築くこと、多職種で「死生観」について考える機会を持つこと、住民参加を進めること、多職種連携の現状を地域へ発信する力を高めることに効果があることが示唆された。
著者
柏木 航介 野口 智康 中村 美穂 半沢 篤 半田 俊之 福田 謙一
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.37-41, 2018 (Released:2019-12-04)
参考文献数
6

症例の概要:37歳男性.上顎左側第二大臼歯および眼窩部の疼痛のため,眼科を受診するも改善しなかった.その後近歯科医院を受診したところ急性上顎洞炎と診断され,クラリスロマイシンとロキソプロフェンナトリウムを処方されたが症状改善せず,当科受診.当該歯に齲蝕が認められたため齲蝕除去を行ったが症状は改善せず,1日に5回以上生じる歯痛と眼窩から側頭部にかけての拍動性の激痛は残存した.また結膜充血,鼻汁を伴い,症状が生じると診療室内を落ち着きなく動き回っていた.症状から群発頭痛を疑い,酸素投与を行ったところ症状の緩和が認められた.そのため当院内科へ対診し,スマトリプタンコハク酸塩100mgを頓服処方されたが,症状は再発し再度来院した.そこで発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania:PH)を疑い,インドメタシン50mgを処方したところ,歯痛・頭痛ともに症状が改善し,現在疼痛の再発はなく,経過良好である. 考察:PHを発症している患者の15%は歯痛を感じており,発作性の歯痛,顔面痛を訴え歯科に来院することも少なくない.今回の症例も歯痛を主訴として来院しており,診断に難渋したものの自律神経症状から神経血管性歯痛と診断しインドメタシンで除痛することが出来た. 結論:今回私達はPHによる上顎臼歯部と眼窩部の痛みに対する治療を経験した.鑑別に苦慮する神経血管性歯痛を訴える患者が来院することもあるため,歯科医師にも頭痛の知識は必須だと考えられた.