- 著者
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中村 美穂
- 出版者
- 日本カウンセリング学会
- 雑誌
- カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.2, pp.81-91, 2017
本研究の目的は,高校教師が,1)スクールカウンセラー活用事業をどのように評価し,当事業による教師自身の体験に伴う変化を認識しているかを明らかにし,2)スクールカウンセラーの教師へのコンサルテーションにどのような役割と機能を期待しているかを探索的に調査すること,さらに 3)予防援助的および危機管理的問題状況に対するコンサルテーションに期待するスクールカウンセラーの役割と機能は,各問題状況によってどのように異なるかを検討することである。112名の高校教師対象の調査の結果,スクールカウンセラーの専門性に対する安心感や教師への援助を評価している一方,スクールカウンセリング活動への不満や教師自身の葛藤を認識していることが明らかとなった。また,高校教師は,スクールカウンセラーに,予防援助的問題状況においては,(1)教師主体の援助活動のコーディネーター役,(2)教師の適切な援助活動のアドバイザー役,(3)教師の内省促進のモニター役,(4)教師と保護者の関係調整のコネクター役,危機管理的問題状況においては,(1)チーム援助活動のコーディネーター役,(2)教師の緊急支援活動のディレクター役,の役割と機能を期待することが示された。