著者
多田 稔 高木 馨 川久保 和道 白田 龍之介 石垣 和祥 武田 剛志 藤原 弘明 梅舟 仰胤 齋藤 圭 斎藤 友隆 渡邉 健雄 秋山 大 内野 里枝 岸川 孝弘 高原 楠昊 高橋 良太 山本 恵介 濱田 毅 水野 卓 宮林 弘至 毛利 大 松原 三郎 木暮 宏史 中井 陽介 山本 夏代 佐々木 隆 笹平 直樹 平野 賢二 伊地知 秀明 立石 敬介 伊佐山 浩通 小池 和彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1474-1478, 2015-08-05 (Released:2015-08-05)
参考文献数
15

IPMN,膵嚢胞は,膵癌高危険群の中で最も効率のよい指標である.IPMNは進行が緩徐で比較的予後のよいIPMN由来浸潤癌がよく知られているが,予後不良の通常型膵癌の発生もともなう.最適な経過観察方法は定まっていないが,EUSがいずれの発癌形態にも最も感度のよい検査方法である.ただし,スクリーニングのための最適な検査方法については検討事項である.
著者
植松 夏子 柴原 弘明 岡本 妙子 木下 早苗 眞野 香 青山 昌広 西村 大作 伊藤 哲 吉田 厚志
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.764-769, 2012

直腸癌術後仙骨転移による坐骨神経痛に対し緩和ケアチームが介入した。娘の結婚式を控え,早急な疼痛緩和と,レスキューの人工肛門からの投与経路変更が必要であった。投与していたフェンタニル貼付剤25.2mg/72hrを16.8mg/72hrへ減量し,モルヒネ注射薬3.6mg/hrを新たに併用した部分的オピオイドローテーションと,患者自己調節鎮痛ポンプによる経静脈的経路へのレスキュー投与経路の変更により,患者は疼痛なく,家族も安心して結婚式に参加することができた。今回行なった部分的オピオイドローテーションは,①比較的短時間に行なえる,②異なるオピオイドを新たに加えるため鎮痛が期待できる,③オピオイド変更による副作用が全量オピオイドローテーションより少ない,といった利点がある。癌患者の疼痛緩和での薬剤調整は,患者と家族の視点で立案することが肝要である。
著者
柴原 弘明 世古口 英 竹下 祥敬 鈴木 伸吾 森本 美穂 稲熊 幸子 森 陽子 工藤 壽美代 太田 由美 西村 美佳 植松 夏子 今井 絵理 西村 大作
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.523-528, 2013 (Released:2013-06-29)
参考文献数
10

【緒言】フェンタニル貼付剤による色素沈着の報告は現在までにみられない. 【症例】43歳, 男性. 直腸がん術後再発に対して, セツキシマブ+イリノテカン療法後, パニツムマブ+FOLFIRI療法を施行した. がん疼痛に対して, フェンタニル貼付剤(フェントス®)投与し, 再発部位に後方からの放射線療法を行った. 経過中, 胸部と腹部のフェンタニル貼付剤の貼付部位に色素沈着がみられた. 貼付中止後, 4カ月でほぼ消失した. 【考察】色素沈着の機序として, フェンタニル貼付剤による接触皮膚炎後の炎症後色素沈着である可能性が高い. 正確な機序の解明のためには, パッチテスト・皮膚生検が望ましい. 【結論】フェンタニル貼付剤投与時には, 色素沈着に留意する必要がある.
著者
小室 一成 瀧原 圭子 松原 弘明 斉藤 能彦 室原 豊明 福田 恵一
出版者
千葉大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

本研究の目標である心不全の病態解明と新たな治療法の確立について多角的に研究を推進できたと考えられる。特にマウスの心機能解析法(心臓カテーテル検査、心臓エコー検査)を確立させたことは、我が国全体における心機能解析技術の飛躍的な向上に寄与できだと思われる。また、本研究代表者や研究分担者らがこれまで世界的にもリードしてきた研究対象であるナトリウム利尿ペプチド、アンジオテンシンII、サイトカイン、三量体G蛋白質、などに着目し、これらの遺伝子改変マウスを作製し実験に用いることができた。心機能に関与する遺伝子をターゲットとした遺伝子改変マウスの解析をおこなうことで心不全の病態を分子レベルで解明した。さらにこれらのマウスに胸部大動脈の縮窄または冠動脈の結紮などの手術を施し、圧負荷心肥大モデル、心筋梗塞モデル、虚血再灌流モデルなどを作製した際の心不全の発症・進展に対する影響も検討した。得られた知見は心不全の発症機序のみならず、心筋細胞が正常機能を維持するための機序についても新しい概念を与えた。心不全発症の分子機序を明らかにすることで心不全の新たな治療基盤を打ち立てることができた。また、心筋細胞の分化・発生の機序に関する研究をおこない、心筋細胞の分化に必須の転写因子や成長因子などを同定した。複数の転写因子を同時に発現させることにより心筋細胞の分化が誘導されることを明らかにした。細胞治療に関する研究では幹細胞生物学と再生医学、心臓病学の領域において先駆的な業績をあげ、国内外における心筋細胞の再生研究に大きな進歩をもたらした。