著者
竹島 慎一 音成 秀一郎 姫野 隆洋 原 直之 吉本 武史 高松 和弘 高尾 信一 栗山 勝
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.791-797, 2014-10-01 (Released:2014-10-24)
参考文献数
30
被引用文献数
5 2

10年間で成人無菌性髄膜炎,男性203例,女性157例を経験した.毎年夏~秋に,数回の小流行をみとめた.2012年流行期の21例中17例(81%)で起因ウイルスを同定した.試料の同定率は,便71%,髄液67%,咽頭拭い液42%,血清5%であった.すべてエンテロウイルスで,エコーウイルス(E)9型9例,E6型4例,コクサキーA9型1例,3例はエンテロウイルス属まで同定できた.E9型とE6型の臨床的差異はなかった.10年間でムンプス髄膜炎14例,水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎8例,単純ヘルペスウイルス髄膜炎5例をみとめたが,散発的発症であった.流行性のものはエンテロウイルスが主であり良好な経過であった.
著者
深沢 剛司 下地 邦幸 河村 雅也 岡村 茂樹 木曽原 直之 江沼 康弘
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

近年に生じた地震と同規模の地震動がナトリウム冷却炉(JSFR)に作用した場合を想定し、主要機器を対象に耐震性を評価した。本報ではその結果について述べる。
著者
竹丸 誠 竹島 慎一 原 直之 姫野 隆洋 志賀 裕二 竹下 潤 高松 和弘 野村 栄一 下江 豊 栗山 勝
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.377-384, 2018 (Released:2018-06-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)11例を報告する.男性2例,女性9例で平均年齢47.9 ± 14.1歳で若年者に多かった.雷鳴頭痛と言える強度の頭痛は64%,全身けいれん27%,運動麻痺36%であった.脳内病変の合併は,脳表限局のくも膜下出血63%,皮質下出血9%,可逆性後頭葉白質脳症45%で発症初期から認めた.脳梗塞は45%に,発症後1~3週間目頃に起った.脳血管攣縮は発症1ヶ月目頃から改善傾向を認めた.誘因は,産褥,片頭痛既往,輸血,急速な貧血改善,腎不全,入浴,脳血管解離の合併などが認められた.発症時の血圧異常高値を55%に認めたが,誘因なのかは確定的ではなかった.
著者
寺西 正充 森山 史就 原 直之 安食 健一 園山 智宏 横手 克樹 平野 榮作 後藤 澄子 岩成 治
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.670-674, 2014-10-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
6

常用薬の服用に関連する緊急入院症例に対する薬剤管理指導業務の内容を検討し,今後の業務改善に役立てることを目的として,2010年1月から2012年12月までの3年間に入院した患者について発現症状と原因薬剤,薬剤師の介入などを後方視的に調査した。入院症例数は10,152例,常用薬の服用を確認できた症例は4,095例,常用薬による症状・徴候が原因で入院したと思われる症例は142例,薬剤師が積極的に原因究明に介入した症例は31例であった。主な原因の多くは副作用(疑い)で,発現症状は電解質異常,循環器障害,出血徴候などが多かった。その原因薬剤として,血圧降下薬(利尿薬を含む),漢方薬,血液凝固阻止薬,抗血小板薬,糖尿病用薬などがあった。薬剤師が介入して常用薬や服薬状況などの情報を収集・評価して医師へ情報提供することで,より的確な診断と治療を行うために有用であるとともに医師の業務負担の軽減につながると推察された。
著者
原 直之 大隣 辰哉 西原 伸治 大田 泰正 栗山 勝
出版者
Societas Neurologica Japonica
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.395-402, 2014
被引用文献数
8

特発性脊髄硬膜外血腫16例の臨床分析をおこない,脳卒中と類似した点を検討した.初診時に片麻痺を示す症例が10例(62.5%)で,ホルネル症候群を4例(25%),無痛性の発症を1例(6.3%)みとめた.また激痛発症で迷走神経反射による意識障害をきたし,くも膜下出血様の症例もみとめた.MRI画像が確定診断に有用であり,好発部位は頸髄下部であった.横断像では血腫は,左右どちらかに偏った楕円形が多く,偏在性の脊髄圧迫が片麻痺出現の要因である.発症は活動時に多く,関連要因は,抗血栓剤内服,C型肝炎,慢性腎不全などをみとめた.急速進行例は,緊急手術の適応になるが,保存的治療も可能であり,予後も良好であった.