著者
田中 真也 木村 成伴 海老原 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.327, pp.81-86, 2009-12-03
被引用文献数
1

VoIP (Voice over IP)の通話のセッション管理を行う SIP (Session Initiation Protocol)では,いくつかのプロキシサーバを中継してメッセージが送られる.各々のプロキシサーバではメッセージの解析・編集などに処理時間がかかるため,メッセージは平文で送られるのが一般的だが,メッセージの盗み見によるセッションの不正切断などの問題が生じる恐れがある.この問題を改善するため,本論文では,SIPセッション確立時に,SUBSCRIBEメッセージを使用する方式を提案する.本提案では,同メッセージの応答の一部のみを暗号化する事で,プロキシサーバの負荷の増加を抑制している.提案方式のプロトタイプシステムを用いた実験結果から本方式の有効性を示す.
著者
柳原 義彦
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.29-46, 2003 (Released:2006-07-14)
参考文献数
56

Conformity of drug products to their specifications alone is not sufficient to assure the quality of drugs to be administered to human subjects. In many European and North American countries, the necessity of validation of the drug manufacturing processes has been discussed and these countries have incorporated such validation into their regulation of drug products. Validation is now recognized as a global standard and has become an essential requirement for drug manufacture. For sterile drug products, specific methodology for conducting the validation has been established and accepted internationally. Regarding solid drug products for oral administration, however, there have been only a small number of studies on the validation of manufacturing processes and many drug manufacturers have difficulty in deciding how to carry out validation for oral solid preparations. Based on experience in GMP (Good Manufacturing Practice) inspection, the author investigated suitable methodology for the validation of ethical drugs, OTC (over-the-counter) drugs, and natural drug preparations/extract products in oriental medicine formulation. The results of the study were published as Osaka Prefecture's “Guidelines for Validation by Individual Drug Formulatron Groups,” which have facilitated the spread of validation without imposing a great burden on manufacturers. In this report, the author would like to explain the administrative background and the fundamental concept of the study.
著者
封 威 木村 成伴 海老原 義彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.529-542, 2011-02

アドホックネットワークにおけるパケット衝突を防止するため,著者らはDTAP(Distributed Transmission-slot Assignment Protocol)を提案している.このプロトコルでは,移動端末にカラーナンバを割り当てることで効率的なスロット割当てを実現しているが,移動により近隣にいる移動端末のカラーナンバの予約状況が変化すると,適切な予約状況に変更するまでに時間がかかり,通信のパフォーマンスが低下するという問題が生じることがある.これを解決するため,本論文では移動端末がGPS(Global Positioning Systems)を利用して自分の位置が測定でき,これから速度ベクトルが求められると仮定する.そして,これらの情報を互いの移動端末がやりとりしてトポロジ変化を予測することで,パフォーマンスの向上を目指す通信スロット予約プロトコルDTAPSV(DTAP with Speed Vector)を提案する.提案方式の有効性を確認するためのシミュレーション実験を行い,DTAPSVはDTAPなどと比べ,移動端末の総スループットの平均値が向上することを示す.また,GPSの測位誤差が提案方式に与える影響についても評価する.The authors had proposed DTAP (Distributed Transmission-slot Assignment Protocol) for wireless ad hoc networks to prevent packet collisions by effective slot assignment using a color number to each mobile terminal. When the color number reservation status has changed since neighbor terminals move, it takes long time to fix the reservation status, and then the communication performance may be degraded. In order to improve the problem, this paper proposes a transmission-slot assignment protocol DTAPSV (DTAP with Speed Vector). In this method, all mobile terminals are assumed to be able to obtain their position from GPS (Global Positioning Systems) and calculate their speed vector. The mobile terminals exchange their vector each other, and predict the change of the network topology to fix their color number reservation as soon as possible. The network simulation shows that DTAPSV improves the average total throughputs of all mobile terminals from those of DTAP and another method. The affection from GPS measurement error to the proposed method is also evaluated.
著者
海老原 義彦 中村 奉夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. オペレーティング・システム研究会報告
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1-6, 1990-02

上位プロトコル処理時間が無視できないような高速LANの通信システムを対象とした一中継局を含むポイント・トウ・ポイント平均応答時間の性能評価を行った.ユーザトランザクションが通信システムを往復通過する時間を応答時間と定義している.階層型通信システムの各階層モジュールの平均処理時間と制御メッセージ数から,一中継局を含むポイント・トウ・ポイントの平均応答時間を近似的に求めいる.実測平均応答時間の上限値と下限値との比較より,過負荷を除くトラヒック範囲で,本解析手法は有効であることを示した.
著者
西村 拓儀 桑原 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1, 2006-03-08
被引用文献数
1

欧米ではテロ対策として,服の下に隠し持った銃器や爆発物を見つけ出すマイクロ波イメージング装置の研究開発が行われている[1].マイクロ波イメージング装置では画素数の増大はそのままアンテナ素子数の増加,開口規模の拡大につながり,装置を大規模化させる.本稿では小型開口,少ない画素数での画像認識を実現するため,超分解とニューラルネットワークを併用した画像認識手法を提案する.
著者
川野 日郎 原 義彦 上條 秀元 平瀬 清 吉田 甫 草野 勝彦 NAKASONE Rau FINKEL Donal FIKSDAL Susa SMITH Barbar 堀 和郎
出版者
宮崎大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究グループは、これまで3年にわたって大学におけるリカレント教育(生涯学習)の推進についてアメリカのエヴァグリーン州立大学(TESC)と情報交換・共同研究を行ってきた。本年度は代表者川野と協力者小林がTESCを訪ね研究のまとめを行った。TESCでは州に提出される報告書(Portfolio)をもとに教育や評価について詳細な説明を受けた。TESCの理念は、(1)大学の主目的は教育である,(2)個人学習よりも共同学習、共有学習が優れている,(3)受動的に知識を習得させるのではなく、自ら主体的に学ぶ姿勢(Active learning)を育てる教育を旨とする,(4)専門分野を個別ではなく総合的に関連づけて理解させる,(5)習得した知識は現実に適用されて初めて理解されたと云える,となっている。このような理念の実践のためカリキュラムや評価まで大学全体が組織立てられている。通常の専門教育は行われず全ての授業がそれぞれ一つのプログラムのテーマに沿った構成要素になっている。そして授業内容も徹底した横断的・総合的内容になっている。総合的教育のネックは、学生の成績評価であるが、これについても教官及び学生それぞれの立場からの評価を総合し、極めて綿密で行き届いた論述による評価方式をとっている。こうした大学の教育にかける努力には実に注目に値するものがあった。共同研究では、本来大学の使命は教育と研究であるとするわれわれと種々の点で意見の分かれるところがあったが、TESCは少なくとも教育の面については先進的であり、極めて有用な知見を得ることが出来た。本学の新しい大学教育を考えるとき研究と教育の調和をいかに図るかが大きな課題と考える。生涯学習に関しては、TESCの場合、大学教育そのものが生涯学習の一環であるといえる。大学では専門知識をそのまま直接教えるのではなく、知識の獲得の仕方、使い方を学ぶ、これは将に生涯学習者の育成である。生涯学習の制度的側面など比較研究については、未だ十分な結果は得られていないが、アンケートによる意識調査の結果によると、学生・教官ともに生涯学習に関する意識は高いことがわかった。