著者
原田 恵理子 渡辺 弥生
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-91, 2011 (Released:2016-03-12)
参考文献数
60
被引用文献数
5

本研究では,高校1年生を対象としたソーシャルスキルトレーニング(SST)を行い,ソーシャルスキルと自尊心に及ぼす効果を検討した。このプログラムは,自尊心や怒りといった感情のコントロールをターゲットスキルに取り入れ,感情の認知的側面に焦点をあてて実践されたものである。実施期間は4か月で,総合的な学習の時間を利用し,10セッションが実施された。ターゲットスキルは,a)自己紹介,b)コミュニケーション,c)聴く,d)自尊心,e)敬意,f)感情のコントロール,g)目標をたて実行する,h)あたたかいことばかけ(感謝する)の8つのスキルであった。アセスメントに,社会的スキルや自尊心の尺度を用い,行動評定とともに実践前と実践後に行った。その結果,向社会的スキルが増加し,引っ込み思案行動と攻撃行動が減少した。自尊心は,失敗不安を抑制する効果を得ることができた。高等学校における感情の認知に焦点をあてたSSTは,向社会的スキルの向上と引っ込み思案行動および攻撃行動の抑制を支援するプログラムとして効果をもつことが示唆された。
著者
原田 恵理子 福田 麻莉 神野 建
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.55-63, 2014-09-30

本稿は、大学生を対象とした文章力を向上させる授業実践の効果を検討することを目的としたものである。調査対象者は大学1年生13名であり、計15回の授業実践を実施した。実践の効果の指標として、読み方略尺度と自由記述による文章力テストを用い、実践前と実践後に測定を行った。t検定を行った結果、実践を通じて命題的方略の使用が増加したことが明らかとなり、本研究で実施した授業実践に一定の効果があることが示された。
著者
原田 恵理子
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.9-18, 2013-09-30
被引用文献数
1

本研究では、高校生のネットいじめの実態について調べ、ネットいじめの実態に応じた支援のあり方を検討した。高校生325名を対象にした質問紙調査を行い、パソコンと携帯電話によるネットの使用、伝統的いじめとネットいじめの併存、傍観者の経験、ネットいじめに対する支援のニーズを検討した。その結果、伝統的いじめとネットいじめの併存は1%、傍観した経験は7%であった。また、多くの生徒がネットいじめに対する教育を希望し、学校及び学級に対する心理教育の重要性が明らかとなった。
著者
原田 恵理子 ハラダ エリコ Eriko Harada
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.9-18, 2013-09-30

本研究では、高校生のネットいじめの実態について調べ、ネットいじめの実態に応じた支援のあり方を検討した。高校生325名を対象にした質問紙調査を行い、パソコンと携帯電話によるネットの使用、伝統的いじめとネットいじめの併存、傍観者の経験、ネットいじめに対する支援のニーズを検討した。その結果、伝統的いじめとネットいじめの併存は1%、傍観した経験は7%であった。また、多くの生徒がネットいじめに対する教育を希望し、学校及び学級に対する心理教育の重要性が明らかとなった。
著者
原田 恵理子
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.33-45, 2013-03

聴覚障害児のソーシャルスキルと自尊心の向上を目的とした本研究は、ソーシャルスキルトレーニング(以下、SST)を実践し、その効果を検討した。SSTは、コミュニケーションレベルの異なる3つのグループで実施し、対人関係に必要な9つのスキルを獲得することを目標とした。生徒評定では、失敗不安、引っ込み思案行動、攻撃性などが低下した。一方、教師評定では、生徒の向社会的スキルが向上し、引っ込み思案行動が低下したという結果が得られた。また、実践の評価においても、教師は実践自体を肯定的に受け入れていることが明らかになった。本研究の結果、コミュニケーションレベルに応じたSSTを計画することが効果的である可能性が示唆された。