著者
武藤 浩二 長島 雅裕 原田 純治 安部 俊二 古谷 吉男 上薗 恒太郎 小西 祐馬
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究では、疑似科学が用いられた学校教育の実態等を調査するとともに、最近の大規模調査データを用いた血液型と性格に関する解析を行った。その結果、疑似科学言説を用いた授業の多くが「水からの伝言」とその派生物であること、ほぼ全国で行われており高校理科で肯定的に扱われている事例もあることを明らかにした。また血液型と性格に関する解析では、過去の研究結果を拡張することができたとともに、21世紀以降のデータでは、安定して血液型ごとに性格の自己申告について有意な差が出ることが判明した。
著者
原田 純治 山城 健
出版者
長崎大学教育学部
雑誌
長崎大学教育学部紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Nagasaki University, Combined Issue (ISSN:21885389)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.151-156, 2017-03-01

長崎大学教育学部紀要:教育科学 通巻 第81号(Bulletin of Faculty of Education, Nagasaki University:Educational Science, Vol.81)
著者
原田 純治
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.275-278, 1981-01-20 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15

The present study was designed to investigate the effect of diffusion of responsibility on helping behavior in a non-emergency situation, and to investigate this effect in the bystanders' face-to-face (FF) and non-face-to-face (NFF) conditions. The proportion and the latency of helping were employed as the measures of helping behavior. The results showed that the proportion of helping did not decrease with the increase of the bystander group size. Especially, in the two-bystander-FF condition, facilitation of helping was observed on the contrary to the hypothesis about diffusion of responsibility. From these findings, it was suggested that diffusion of responsibility would be inhibited by the joint effect of the relative intensity of the psychological costs of helping and the difference in the bystanders' face-to-face rleations.
著者
原田 純治
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.109-121, 1990-11-20 (Released:2010-02-26)
参考文献数
16

本研究は, 7つの援助行動型ごとに, その行動といかなる援助動機・性格が関連するのかを検討した。大学生を対象に質問紙調査を行い, 援助動機の因子構造を分析した上で, 各援助行動型と動機・性格との関連を重回帰分析を用いて検討した。主な結果は, 以下の通りである。1. 「金品の譲渡・貸与」型援助とは, 「互恵と友好的関係」動機が関連し, また女性では「合理的でない援助効用の予期」動機が関連することが見出された。2. 「紹介・勧誘」型援助とは, 「互恵と友好的関係」動機と「援助コストの低さと当然さ」動機が関連した。男性では「合理的でない援助効用の予期」動機が関連した。また, 「社会的外向性」はこの型の援助に対し促進的影響を, 「自己顕示性」は抑制的影響を及ぼすことが見出された。3. 「代行」型援助とは, 「互恵と友好的関係」と「援助コストの低さと当然さ」動機が関連した。また, 「共感性」と「進取性」がこの型の援助に対し促進的影響を及ぼす傾向が見出された。4. 「同調」型援助とは, 男性では「コストの低さと当然さ」, 女性では「互恵と友好的関係」動機が関連した。また, 「社会的外向性」がこの型の援助に対し促進的影響を, 「自己顕示性」が抑制的影響を及ぼすことが見出された。5. 「小さな親切」型の援助とは, 「合理的でない援助効用の予期」動機との関連がみられ, 「共感性」はこの型の援助に対し促進的影響を及ぼすことが見出された。また, 女性では「抑うつ性」が抑制的影響を及ぼすことが見出された。6. 「助言・忠告」型の援助とは, 「援助コストの低さと当然さ」動機と関連があり, 女性では「援助規範意識と合理的援助効用の予期」動機や, 被援助者への「同情」動機と関連があった。また, 男性では「持久性」はこの型の援助に対し促進的影響を及ぼすことが見出された。7. 「気遣い・いたわり」型援助とは, 「援助規範意識と合理的援助効用の予期」動機と関連があった。また, 「持久性」は促進的影響を及ぼすことが見出された。以上の結果に関し, 援助行動と動機・性格との関連, さらにその関連のあり方からそれぞれの援助行動型の特徴が考察された。また, 援動行動型ごとの動機・性格との関連の検討の必要性・有用性が論じられた。