著者
小澤 健志 間 晃郎 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.133-143, 2009-01

ヘカテは、シェイクスピアの『マクベス』に登場する魔女の首領の名である。ブリッグズはイギリスにおける魔女と魔女裁判について、学者の理論によるよりも、むしろ民俗学的な手法、即ち当時の魔女裁判の記録などを入念に調べることで、魔女の実像を浮かび上がらせようとしている。この論考では、魔女裁判の実状を、「使い魔」「呪詛」「悪魔憑き」「サバト」「子供の告発」などに亘って論じ、最後に魔女狩りと大衆心理の解剖にまで及んでいる。
著者
武長 玄次郎 廣田 純子 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.175-191, 2007-01

第1章ではヘンリー八世時代の経済の混乱とイギリス海洋精神の発揮、第2章では大商人の援助による海上貿易活動とイギリス帝国の形成、第3章はエリザベス朝演劇の世俗的傾向と、宗教から見たギリシャ劇との比較、第4章ではヨーロッパ文化の精華としてのイタリア・ルネサンスの意義とそのイングランドへの影響、科学的精神と結び付きながらも、科学対非科学という近代社会的対立に陥らなかった独自の文化概念を述べている。
著者
小澤 健志 間 晃郎 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.45-52, 2010-02

16世紀末になると、魔女狩の非合理性を批判する懐疑主義が台頭し、レジナルド・スコットらが著作を世に問うた。これに対して、ジェイムズ一世は、スコットランド王時代の1597年に『魔神論』で応え、17世紀初期英国民の間に魔女熱を昂揚させた。続くチャールズ一世治下では、魔女に関する出版は低調だったが、清教徒革命期に論争は再燃し、妖術に関する著作も盛んに刊行された。しかし時代の潮流はすでに逆転しており、やがて懐疑派が実在派を凌ぐようになった。
著者
瀬川 直美 間 晃郎 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.93-111, 2011-02

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、その背景に織り込まれた民俗伝承を研究した先駆的業績である。第7章においては、鳥類を除く様々な動物にまつわる興味深い伝承や俗信が紹介されており、ここに訳出した(その1)では、サルからゾウまでが扱われている。西欧古典やキリスト教伝説などが引用され、古代人の風俗なども紹介されており、大変に興味深い内容である。
著者
清水 公男 板倉 亨 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.61-80, 2010-02

カリーの本論文は『マクベス』の魔女とは何かを端緒として、エリザベス朝において激烈な論争となっていた神、悪魔、亡霊、魔女などの意味を、キリスト教神学ならびに新プラトン主義を核にして辿ったものである。魔女は民間信仰にとどまらず、古代異教の神の変容であり、新プラトン主義の流出宇宙論に由来するダイモーンに連なる。神学的背景から見た悪の形而上的な世界の意味が、多くの文献に依拠して、詳細に解明されている。
著者
清水 公男 上滝 圭介 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.157-175, 2009-01

筆者クウィラ=クーチは、『ヴェニスの商人』のテキスト、材源、モチーフ、ユダヤ人問題、アントーニオ、ヴェネツィアの性格、バッサーニオ、バッサーニオの友人、ポーシャ、劇の結末などについて詳細な分析を行っている。材源の改変によって、ポーシャの性格が大きく変わる。また、マーロウの『マルタ島のユダヤ人』のバラバスと比較してシャイロックの特性を考察し、この劇を実に多面的に分析していて見事である。
著者
"小澤 健志/間 晃郎/古宮 照雄"
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.81-92, 2014-03-31

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、劇の背景に織り込まれた民族伝承を研究した先駆的業績である。第2章では16世紀から17世紀にかけて盛んだった魔女信仰が取り上げられている。ジェイムズ一世が魔術に関心を持っていたこともあり、シェイクスピアは『マクベス』やその他で魔女を扱っているが、本論は魔女信仰の背景を詳述している。
著者
"荒木 英彦/間 晃郎/古宮 照雄" 荒木 英彦 間 晃郎
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.93-98, 2014-03-31

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、劇の背景に織り込まれた民族伝承を研究した先駆的業績である。第3章では亡霊を扱っているが、イギリスでは亡霊に対する関心が特に深く、民間伝承や文学作品に多く登場する。『ハムレット』の父の亡霊は有名だが、シェイクスピアはその他の劇に亡霊を登場させている。また、『十二夜』では霊魂輪廻説も述べられている。
著者
"岩崎 洋一/間 晃郎/古宮 照雄" 岩崎 洋一 間 晃郎
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.99-106, 2014-03-31

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、劇の背景に織り込まれた民族伝承を研究した先駆的業績である。第4章では悪魔学と悪魔伝承が取り上げられているが、キリスト教文明圏では神と対立する悪魔という形で、悪魔に関する迷信が存在する。しかし、シェイクスピアはこの問題を戯画的に扱い、滑稽な効果がもたらされるように使っている。
著者
荒木 英彦 西山 里枝 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.87-96, 2006-01-31

エリザベスからリチャードー世までの資本主義の発展について、独占事業を中心に述べている。重商主義の産業保護により独占企業が国家的規模で成長するが、その背景には王室の窮乏による特許の下付、宮廷人事業家の出現、資本主義事業家の誕生がある。著名な独占企業家であるイングラムやブルマーなどの活躍について述べ、土地所有者である旧貴族や行政家である新貴族とも異なって、経済力で登場した「新しい人間」を描いている。
著者
瀬川 直美 間瀬 裕子 古宮 照雄
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:02857901)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.81-92, 2010-02

シェイクスピアの戯曲には深甚な政治的観察がうかがわれる。彼は秩序の維持が社会の原動力であることを力説する。ルネサンス期のイギリスに充満した権力闘争を強く非難している。浅薄な民衆迎合の日和見主義が国家の危機を招くと主張する。権力と大衆との不安定な関係に懐疑的な目を向けるのである。コリオレイナス、ジャック・ケイド、ブルータス、その他を考察の対象にして、シェイクスピアの政治観を探った興味深い論文である。