著者
古川 敦子
出版者
共愛学園前橋国際大学
雑誌
共愛学園前橋国際大学論集 (ISSN:2187333X)
巻号頁・発行日
no.17, pp.147-155, 2017-03-31

日本語を学び始めた外国人児童と、その児童を迎え入れる在籍学級の児童が、互いに相手の言葉を使ってコミュニケーションを取るための多言語会話集「はなしてみよう-きになるあの子となかよくなろう-」について報告する。この会話集は、前橋国際大学の日本語教育実習を履修した学生が、授業の課題の一つとして作成したものである。小学校の日本語教室で外国人児童を支援した体験をもとに、児童同士がよく使うと思われる表現を選び、各表現を日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・タガログ語で表記してイラストとともに提示した。本稿では会話集の作成経緯、ねらい、内容、そして実践での使用例について記述する。研究ノート
著者
小池 亜子 古川 敦子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.172, pp.88-101, 2019 (Released:2021-04-26)
参考文献数
16

学校教員の現職研修では教員の主体的な計画による研修の推進が求められている。日本語指導に関する教員研修については,学習項目の提示や教育実践を基盤とする研修方法の提言があるが,事例研究は少ない。本研究では,教員の自主的・主体的研修活動である「自主研究班活動」と市教育委員会主催の「市教委研修」とを関連づけて研修を行っている群馬県伊勢崎市の約5年間の取り組みを対象として,市教委研修の内容や方法の変化とその要因を考察した。その結果,自主研究班活動に参加した教員が指導主事とともに市教委研修を企画し運営することにより,地域の教育課題や教員自身の実践上の課題に基づくワークショップを中心とした課題解決型の研修へと変化する道筋が示された。自らの実践に即して教員自身が研修の内容を企画し運営する「ボトムアップ型」の研修の促進要因として,活動を推進する教員の思考と管理職からの助言が影響を与えていることが示唆された。