- 著者
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時藤 亜衣
米田 妙子
山口 祐美
吉岡 慶子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.19, pp.178, 2007
<BR><B>【目的】</B><BR> 肥満や糖尿病患者の糖の摂取制限において、甘味への欲求が強く、その摂取は制御し難いものがある。砂糖の代わりにエリスリトールを使用したカスタードプディングを調製して、食味やテクスチャー特性を比較し、さらに、低脂肪牛乳使用のプディングの嗜好性を検討した。<BR><B>【方法】</B><BR> プディングの調製は(1)エリスリトールの砂糖代替性について、市販ヨード強化鶏卵、牛乳、グラニュー糖(A)、エリスリトール(B)を使用してプディングA、Bとし、160℃のオーブンレンジで30分間加熱した。(2)エリスリトールと低脂肪牛乳を使用したプディングについて、普通牛乳(C)、低脂肪牛乳(D)で同様に各々調製した。テクスチャー、クリープ特性はレオナーで測定、解析した。官能検査は検査員16名で5段階評点尺度法で検査し、Wilcoxonの検定を行い、また、抹茶、コーヒー等を添加したプディングの嗜好順位や食感、食味を検査してTukey法で検定した。<BR><B>【結果・考察】</B><BR> (1)エリスリトールの砂糖代替性について、プディングのかたさではAがBに比し、高値を示した。官能検査では、Aの方が風味がよく、後味がよいと評価された。Bでは、エリスリトールのあっさりした甘味や冷涼感を反映し、また、後味の苦味や渋味については、カラメルソース、抹茶やコーヒー等の添加により改良された。(2)低脂肪牛乳使用については、プディングDがかたさおよび凝集性で低値を示し、凝固力の低下が推察された。官能検査では、甘味、後味、軟らかさ、なめらかさ、口溶けのよさおよび総合評価(p<0.05)の項目でCに比し、Dがよいと評価された。以上のことから、エリスリトールのプディングにおける砂糖代替性が示唆され、エリスリトールおよび低脂肪牛乳使用により、軟らかく、なめらかな食感のプディングとなり、また、エネルギー量および脂質量が共に低減化され、副材料の添加により嗜好的にも良好な食味を呈した。