著者
二宮 敬虔 橋本 樹明 向井 正 中村 昭子 中村 正人 小笠原 雅弘 吉沢 直樹 石田 十郎 水島 泰彦 細田 寛人 高野 匡代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.278, pp.69-75, 1998-09-18
被引用文献数
1

日本初の火星探査機、「のぞみ/PLANET-B」搭載のMars Imaging Camera(MIC)は、小型軽量の可視CCDカメラである。CCDは、波長分離のためにRGBそれぞれのフィルターで覆われた3ラインからなる。MICのCCDのライン方向は「のぞみ」のスピン軸にほぼ平行で、MICでは、「のぞみ」のスピンを利用して2次元画像を取得する。われわれは、画像の幾何補正や感度補正に必要な特性を地上試験で取得した。また、複数の方法を用いてMICの総合的な撮像機能の確認試験を行った。現在、打ち上げ後の機上校正試験を行っている。
著者
薄井 晴 吉沢 直 郭 慶玄 矢ケ崎 太洋 呉羽 正昭
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

1. はじめに<br><br> モータリゼーションの進展,流通資本による大型小売店の郊外立地,少子高齢化などの影響を受け,地方都市の商店街は衰退している。こうした苦境を打開するため,地方商店街では地域資源を活かした観光振興が取り組まれ, 注目を集めている。例えば, アニメを活用した茨城県の大洗町商店街(小原,2018), 「昭和レトロな町」という地域イメージを創出した東京都の青梅商店街(設楽・菊地,2008)では, 商店街の顧客圏を定住人口から交流人口へと拡大し, 地域アイデンティティが再構築される様子が報告されている。 しかし, 商店街と観光に関する既往研究は, 商店街活性化を目指し新たに観光資源を創出した事例の分析に留まり, 古くから地域に根ざした観光資源と商店街の関係性について検討したものはみられない。<br><br> 以上を踏まえ本研究では,花見観光の目的地として著名な長野県伊那市高遠町のご城下通り商店街を対象に,花見観光の実態と商店街の商業機能の分析した上で, 伝統的な観光資源と商店街の関係性を明らかにする。<br><br> <br><br>2. 花見観光と商店街の変容<br><br> 約700年の歴史を持つ高遠城址公園は, 桜の名所として名高く,伊那市全体の観光施策において主要な観光資源として位置づけられている。しかし,開花期間中に高遠城址公園で開催される「さくら祭り」の入場者数は, 2000年ごろから減少傾向にある。また, さくら祭りは各年の開花状況によって集客数が異なるため, 不安定な観光資源となっていた。<br><br> ご城下通り商店街は, 古くより高遠城の城下町として発展し, 周辺地域の中心機能を担ってきた。しかし, 全国的な動向に同じく, 近年は空き店舗が増加しており衰退傾向にある。また, 空き店舗の増加は商店街の裏通りで顕著であった。一方,商業機能が比較的維持されているご城下商店街の表通りにおいても,今後の経営継続意向がない店舗が多く存在し, 特に近隣住民を主な顧客とする伝統的な店舗でその傾向が顕著であった。また, 全体の半数以上の店舗の主要顧客圏は高遠町内であり, 観光客の来店はほとんどない状況であった。<br><br> <br><br>3. 花見観光と商店街の関係性<br><br> 古くはさくら祭り期間中に商店街の店舗による高遠城址公園内での出店が積極的に行われていたが,樹木保護など環境保護の観点から出店数が大幅に減少した。その後,来訪者数の減少により収益が見込めないことや,労働力不足など商店経営上の理由により,さくら祭りへの出店をやめる店舗が増加した。またご城下通り商店街の店舗においても, 商店街に滞在しない観光客が増加したこと, お土産の購入量が減少したことにより, 観光収入は減少傾向にある。つまり, 花見観光と商店街の関係性は希薄化傾向にあるといえよう。<br><br> <br><br>4. おわりに<br> 伊那市全体において観光振興が目指されており, その中での花・歴史の主要な観光資源を持つ高遠町は, 観光振興において重要地区となっている。しかし,その高遠町の主要な商業集積であるご城下商店街は衰退傾向にあり, 花見観光と商店街の関係性も希薄化が進んでいた。今後, どのようにご城下通り商店街で収益構造を作り, 高遠町に利益を生み出すかが課題となっている。
著者
斉藤 博則 野本 淳 田野 入高史 岡村 哲夫 青木 和弘 鈴木 清文 福元 耕 茂木 純一 川井 三恵 横打 邦男 阿部 邦彦 吉沢 直
出版者
心臓
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.92-96, 1995

症例は47歳,男性.平成5年1O月28日事務仕事中,突然意識消失,呼吸微弱となり,心肺蘇生術を受けながら,近医に転送された.来院時意識レベル200~300,瞳孔散大,血圧測定不能,モニターでは心室細動であった.挿管し呼吸管理とするとともに,200~300JのDC計4回施行し洞調律に復した.この間リドカイン,メキシレチン,ベラバミル,ボスミン,メイロン等の静注を受けた.その後順調に回復し,精査加療目的で当院紹介入院となった.入院後心カテ施行.冠動脈造影正常,左室造影上全体的な収縮力低下を認め駆出率は25%であった.また,心筋生検も施行し,さらに電気生理学的検査を施行した.右室2カ所,左室1カ所計3カ所からの3連発刺激,それに加えて,イソプロテレノール負荷後の2連発刺激でも心室頻拍・心室細動は誘発されなかった.治療はアミオダロン200mg/日,カプトプリル,利尿剤,ワーファリンを投与した.現在経過観察中であり,今後ICD植え込みも検討中である.