著者
小林 裕康 田口 修 安井 浩樹 小林 哲 吉田 正道 ガバザ エステバン
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.94-97, 1997-03-25
被引用文献数
1

気管支鏡検査後に生じる発熱の病態把握の一助として検査後の末梢血白血球数の経時的変化を胃内視鏡検査例と比較し検討した。対象は当科入院中で気道感染のない気管支鏡施行患者15名と胃内視鏡施行患者10名である。方法は検査施行直前, 直後, 2時間後, 4時間後, および8時間後に体温と末梢血白血球数を測定し, 4時間後には咽頭ぬぐい液と静脈血培養を施行した。その結果, 胃内視鏡検査施行群では体温の上昇や, 白血球数の増加が認められなかったのに対し, 気管支鏡施行群では両者ともに上昇, 増加が認められた。しかし, 静脈血培養では細菌は検出されなかった。また, 気管支鏡検査時の処置内容による相違は認められず, 発熱の原因として気道へのファイバー挿入そのものによると考えられた。
著者
児玉 秀治 佐貫 直子 酒井 美紀子 山川 智一 宮本 翔子 藤井 稚奈 秦 いづみ 北山 智美 今出 雅博 吉田 正道
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.111-116, 2023 (Released:2023-04-19)
参考文献数
9

症例は73歳女性.肺扁平上皮がん(cT3N3M0-Stage IIIC)に対し当科治療中.2022年6月より肺がん進行に伴い後腹膜リンパ節転移による腰背部痛が増強した.疼痛以外に両下肢浮腫による体動困難もあり7月8日に緊急入院し,後腹膜リンパ節転移に対して放射線治療(30 Gy/10 fr)を行った.タペンタドール200 mg/日で疼痛管理を行っていたが入院中にフェンタニル貼付剤1200 µg/日へ変更し腰背部痛は軽減した.また浮腫の原因疾患を鑑別し,理学所見・検査所見や病歴から,後腹膜リンパ節転移に関連したリンパ浮腫と診断した.入院31日目に浮腫は改善し,ベッド周囲のADLが向上し一時退院可能となった.リンパ節転移に関連したリンパ浮腫の治療方法は確立されておらず,放射線治療の有効性が報告されている.リンパ浮腫の診断に至るまでに他の病態を鑑別し,放射線治療によりリンパ浮腫が改善した1例を報告する.
著者
加納 寛起 山根 岳志 吉田 正道 柴柳 敏哉
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.27-34, 2022-03-20 (Released:2022-03-20)
参考文献数
15

2種の輸送物性,拡散係数およびSoret係数が未知である水溶液に対して,レーザホログラフィ実時間干渉法を適用し,それぞれを同一の光学系上で計測するシステムを提案する.まず,本計測法の妥当性と信頼性を検討した.拡散係数はNaCl水溶液,KCl水溶液を対象に,拡散方程式の厳密解が正規分布にしたがうことから干渉縞群厚さの時間変化を利用して算出し,文献値と良好に一致した.Soret係数はNaCl水溶液を対象に,ある時刻の干渉縞位置,熱拡散項を含んだ拡散方程式の厳密解,上記で求めた拡散係数から算出し,既往研究の計測値と良好に一致した.妥当性確認後,文献値に乏しいNa2CO3水溶液10 wt%においても両者の計測を行った.また,本計測に対する誤差要因を明らかにし,拡散係数およびSoret係数の不確かさ幅を推定した.本法は等屈折率線と一致する干渉縞の解析に溶液の屈折率と温度・濃度の関係を利用することで,既存手法に比べて拡散係数およびSoret係数算出の単純化が図られた.
著者
伊與田 浩志 小西 洋太郎 吉田 香梨 西村 伸也 野邑 奉弘 吉田 正道
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.94-99, 2003-01-20
参考文献数
6
被引用文献数
4 6

大気圧の過熱水蒸気雰囲気下で食品を乾燥あるいは加工処理する方法は,食品が水蒸気の凝縮により処理直後に急速加熱されること,殺菌効果が期待できること,また,空気を用いた処理と比して高温でも製品が酸化されにくいことなど,さまざまな特徴を有している.そのため,過熱水蒸気は乾燥分野のみならず,製品の高品質化・高機能化のために食品加工分野への適用が期待されている.<br>本研究では,代表的な炭水化物系の食材であるジャガイモの生スライスを試料とし,170℃および240℃の過熱水蒸気ならびに高温空気気流中で乾燥実験を行い,特に表面の色の変化とその原因について調べた.その結果,過熱水蒸気乾燥では表面近傍においても澱粉が糊化されることにより,空気乾燥時よりも表面の色味が強くなり,また,光沢を有することが明らかになった.また,試料全体の成分定量結果から,過熱水蒸気乾燥の方が糊化澱粉(水溶性多糖)量の増加がはやく,また,着色に寄与すると思われる低分子糖と遊離アミノ酸の増加量も空気乾燥のものより多くなる傾向が得られた.
著者
井村 英昭 吉田 正道
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.56, no.532, pp.3816-3820, 1990-12-25
被引用文献数
4

An experimental study on the heat transfer coefficient and critical heat flux in two-phase double-tube thermosyphons was carried out using water, ethanol and R113 as the working liquids. The same experiment for a single-tube thermosyphon was also performed for comparison. The effects of the top-end shape of inner tubes on the heat transfer coefficient and the critical heat flux were investigated in detail. As a result, it was shown that the heat transfer coefficient was not significantly affected by the difference of the top-end shape, but the critical heat flux was very sensitive to the top-end shape of the inner tubes. For R113, the critical heat flux in the thermosyphon with the inner tube having a T- or flange-shape top-end, was about four times as large as that in the single-tube thermosyphon.