著者
喜多 雅一
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 44 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.373-376, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
14

EUではHorizon 2020のワークプログラムの一つとして「Science with and for Society社会とともに社会のための科学」においてRRIが提案され, RRIの6つのディメンジョン1. 社会的関係者の関与, 2. ジェンダーの平等性, 3. オープンアクセス 4. ガバナンス, 5. 倫理性, 6. 科学教育を取り入れた様々な教育プロジェクトが実施され,教員向けの多数のモジュールや教材開発の成果が上がっている.その概要を述べ,日本の科学技術・イノベーション(STI)基本法が本年6月に施行されたが,日本の科学技術・イノベーション基本計画におけるRRIの影響やどのように取り込まれているかを検証し,科学教育での取り組みについて考察した.
著者
東 俊一郎 喜多 雅一
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.1-10, 2008-11-30
被引用文献数
1

高等学校で使われる「化学I」の教科書の大多数が,アルカリ金属と水との反応をナトリウムに代表させて,生徒実験として取り上げている。また,「理科総合A」の教科書のうちにも,同様の生徒実験を扱っているものがある。この実験の主要な部分を占めるのが,水素が発生することをマッチの火で点火したときの爆発音で確認する操作である。ところが,教科書で指示されている方法やナトリウム片の大きさでは,爆発音が確認できない場合が多い。この理由は,発生する水素の体積と,水素が捕集されていてマッチの火を近づける容器の容積との関係が十分に検証されていないことに起因する。本稿では,爆発音を発生させるのに必要な,水素の容器に対する体積の比を測定して,100%の確率で実験の目的が達成できる条件を求めた。ナトリウムが水と反応する実験は簡単に行うことができる。この反応とともに重要なのが,ナトリウムと塩素が直接反応して塩化ナトリウムを生成する現象である。しかし,この実験は,反応が激しく危険であると考えられているのか,生徒実験で扱っている教科書はない。ところが,実験の方法を工夫すれば,非常に印象的な実験を,安全にかつ簡単にできることがわかった。
著者
喜多 雅一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究により,日本の小学校・中学校・高校が,アジア・アフリカの学校と連携し,互いの教員が相互に訪問し,自然環境教育の題材に関する授業実践を通して,互いの自然環境・文化の違いや類似点,児童・生徒の自然環境に対する認識,学校間の連携のあり方を追究した。4年間に50人以上の相互訪問を実現し,互いに授業実践や研究協議を行った。互恵となる連携のモデルを構築できた。