- 著者
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坪内 孝司
金山 裕
油田 信一
- 出版者
- 日本ロボット学会
- 雑誌
- 日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.3, pp.220-230, 1986-06-15 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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建物内部のような人工的環境では, ロボットの視覚の対象となるシーンはほとんど直線からなると考えられる.本論文では, ロボットの視覚のための, 濃淡画像から線分を抽出する新しいアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは, 原画像における対象物の直線状の境界線上でその濃度勾配がほぼ等しいことに着目し, まず, 原画像中の画素のうち, 以下の性質をもつ画素を連結し, 小領域を生成する.(1) その画素の濃度勾配の大きさが与えられたしきい値より大きい.(2) その画素の濃度勾配の方向が与えられた範囲内におさまる.(3) 画素同志が互いに隣接しあう.この小領域は原画像上の対象物の境界線上に細長く生成される.このような小領域に最小二乗法を適用して線分をあてはめることにより線分を抽出することができる.本手法の特徴は以下のとおりである.(1) 原画像に対するただ1回の走査ですべての小領域を生成することができるため, 短時間で画像処理をするのに適当である.(2) 得られた小領域に対して線分をあてはめる際に統計的な計算を用いるため局所的な雑音に強い.(3) 生成された小領域の慣性等価だ円のだ円率によって, その小領域の細長さ, すなわち線分らしさが評価できる.本論文では, 提案した手法により画像を処理した実験例も示し, 本手法が有効であることを実証する.