著者
太田 猛彦 塚本 良則 城戸 毅
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.383-390, 1985

<br>丘陵性自然斜面における雨水移動機構を解明するため,多摩丘陵に試験斜面を設け,土層中の水分変化を観測した。これより斜面全体にわたる等サクション線図と等水理水頭線図を作製し,その時問的変化を追跡 して,斜面内の雨水移動の実態を,降雨の開始からそのピーグ,終了,乾繰過程に至るまでに生起する各種の水文事象について詳細に説朗した。なかでも,不飽和浸透流の実態飽和側方流の諸相,復帰流の役割等が明らかになった。また,これらの解析を通して,斜面に生起する大帯の現象が基盤地質の影響をうけていることを示し,とくに,斜面頂部に存在する厚いローム層の役割について以下の点を指摘した。 1) 大きな土湿不足をもつた め,降雨流出に対していわば負のソースエリアとして働く。 2) 大量の雨水を一時貯留し,おそい直接流出に貢獣する。 3) 急傾斜部以下に生起する諸水文現象の支配要因となる。
著者
城戸 毅
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.45-47, 1992-11-06
被引用文献数
4

食品を加害する蛾類には,ノシメマダラメイガ・スジマダラメイガ・スジコナマダラメイガ・チャマダラメイガ・バクガ等が知られており,加工食品工場では重要な害虫として問題視されている.大型食品工場においては,工場内環境がほぼ一定であるため,年間を通してこれら蛾類の発生が見られるようになって来ている.これら蛾類の発生モニターとして最も有効であるのは,フェロモントラップとされている.食品害虫用の性フェロモントラップの利用法は,1.成虫発生の早期発見(発生予察)2.発生場所の探知・限定3.定位阻害4.大量捕獲5.未発生の高度な確認・証明が挙げられる。そこで,フェロモントラップを使用してのモニタリング調査及び防除対策を行っている某食品工場の過去3ヶ年間のデータをとりまとめて報告する.