著者
堀川 恵美 新谷 義弘 長坂 篤 高橋 順一 五味 弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.7-8, 1993-03-01

Lisp言語は,その誕生以来、言語の持つ柔軟性/拡張性により多くの方言が存在したが,仕様の共通化や可搬性などを目的としたCommon Lisp(以下,CLtL1)の登場により統一が進み,Common Lispは業界標準として定着した.その後,第1版の持つ言語仕様の不完全な部分を修正し,ANSI規格とするための作業がANSI X3J13において進められた.この作業の成果をを反映した形で,オプジェクト指向機能(MOPを除くCLOS)等を付け加えたCommon Lisp第2版(以下,CLtL2という)が出されたが,これはまた,ANSI Common Lisp(以下,ANSI CLとうい)へのつなぎ役もかねていた.現在,ANSI CLは,public reviewが終了し,早ければ今春にも制定される予定である.CLtL2とANSI CLでは,残念ながら仕様が異なる点がある.Tachyon Common Lispは,CLtL2に基づいた処理系であり,ANSI CLに基づく仕様に変更する必要があるが,ANSI CLの制定時期に不明確な所があり,また,CLtL2で書かれたプログラムの継承のためにも当面2つの仕様を両立させておくべきだと考えている.本稿では,この新しいANSI CL仕様とCLtL2仕様との言語仕様の違いに対するために採用した方法およびこのために新たに開発したコンパイラの拡張方式について述べる.
著者
堀川 恵司 西田 絵里奈 小平 智弘 張 勁
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

<p>1973年~1974年の南半球の夏期に,熱帯太平洋から南極海にかけて実施されたGEOSECS航海では,南太平洋広域で表層海水が採取され,海水の酸素同位体比が報告されている(Ostlund et al.1987)。本研究では,2014年~2015年の南半球の夏期に,GEOSECS航海と同じ観測点で表層海水試料を採取し,海水の酸素同位体比を分析した。1973-74年と2014-15 年の酸素同位体比組成の比較を通して,(1)過去40年間について温暖化の影響の有無を考察することと,(2)1973-74年はラニーニャ年に相当し,2014-15年はエルニーニョ年にあたるため,酸素同位体比組成の比較から大気海洋循環の影響について考察することも目的とした。</p>
著者
水畑 和子 堀川 恵司 酒井 英男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.344-347, 2016-07-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
4

富山県は,三方を急峻な山々に囲まれ,深い湾を抱くように平野が広がっている。豊富な水資源は,稲作等の農業を盛んにし,また急な川が多いので水力発電所が多く,大量の電力を必要とするアルミ産業を発展させた。過去には,日本の四大公害病の一つ「イタイイタイ病」が発生し,最近では,立山に日本で唯一の氷河があることが確認された。魚津では,国の特別天然記念物に指定された約2000年前の杉林の埋没樹根も発見されており,富山市を中心に半径50kmの中に高低差4,000mの時空を超えた多様な自然環境が見られる。本稿では,富山の川のカドミウム濃度の現状と立山の雪と魚津埋没林の地下水に関する研究について紹介する。