著者
塚原 丘美
出版者
名古屋学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

若年女性の耐糖能異常者の実態を把握し、規則正しい糖質摂取によって、その耐糖能異常を是正することができるか検討した。女子大学生412名に75g糖負荷試験を施行したところ、若年者にもかかわらず30.3%に耐糖能異常が認められた。耐糖能異常を認めたうちの26名を被験者として、体格に応じた糖質を3食/日摂取する3ヵ月間のオープン介入試験を行った。介入試験の結果、消化管ホルモンであるGLP-1分泌30分値及び初期インスリン分泌能は有意に増加し、血糖30分及び60分値、HbA1cが有意に低下した。望ましい糖質摂取はインスリン分泌能を正常化させ、若年女性の耐糖能異常は改善できることが示唆された。
著者
塚原 丘美
出版者
名古屋学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

若年女性に多発する耐糖能異常の原因を解明するために、糖質制限によってインスリンの分泌能が低下するか検討した。健康な若年女性26名を被験者として、糖質30%の低糖質食を摂取する3ヶ月のオープン介入試験を行ない、介入前後の75gOGTTの結果を比較した。その結果、75gOGTTにおけるインスリン30分値及びインスリン初期分泌指数は有意に低下したが、インスリン感受性が有意に増加したために、血糖値に有意な差は認められなかった。一般化線形モデルを用いて検討した結果、インスリン分泌に影響を及ぼす因子は糖質摂取量の減少のみであった。3ヶ月間の低糖質食摂取により、インスリン分泌能が低下することが示唆された。
著者
藤山 友紀 立花 詠子 塚原 丘美 草間 実 今峰 ルイ 溝口 麻子 間瀬 創 佐藤 愛 関口 まゆみ 渡会 敦子 中島 英太郎
出版者
名古屋学芸大学管理栄養学部
雑誌
名古屋栄養科学雑誌 = Nagoya Journal of Nutritional Sciences (ISSN:21892121)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-16, 0208-12-25

糖尿病治療では、良好な血糖コントロールを行う上でエネルギー摂取量の遵守は重要である。しかし、糖尿病治療薬によっては安静時エネルギー消費量(REE)に影響を及ぼすことが報告されている。そこで、sodium glucose cotransporter 2(SGLT 2)阻害薬のREEに及ぼす影響を検討した。外来受診中の2 型糖尿病患者20名を対象に、SGLT 2 阻害薬服用前と3か月後でREE 測定、体組成測定、血液検査、食物摂取頻度調査を行い比較した。結果、REE は服用前後で1554±257kcal/ 日から1491±313kcal/日と低下傾向を示したものの有意差は認められなかった。また、体重当たりのREEも有意差は見られなかった。体重や体脂肪量が有意に低下したが、骨格筋量は有意な変化は見られなかった。以上の結果より、3ヶ月間のSGLT 2阻害薬服用ではREEに影響を及ぼさない可能性が示唆された。今後は症例数を増やした検討が必要である。
著者
鳥羽 美香 藤木 理代 塚原 丘美 田村 明 小澤 良太 青石 哲也 菅野 昌明 高田 正義
出版者
名古屋学芸大学健康・栄養研究所
雑誌
名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 = Annual Report of Institute of Health and Nutrition, Nagoya University of Arts and Sciences (ISSN:18821820)
巻号頁・発行日
no.5, pp.39-47, 2012-09

スポーツ選手の栄養サポートを行う部活動NSTA(Nutrition Support Team for Athlete)は、愛知県内のA 大学ラグビー部の学生寮にて、朝食・夕食の食事提供を行っている。この活動が始まった2005年から2009年の5 年間に、選手を対象に行った身体測定、体力測定結果の推移を見た。その結果、間欠性持久力を評価するYo-Yo Intermittent test の成績が有意に上昇した。一方、10m、30m スプリントタイム、スクワットジャンプパワーといった瞬発力を評価する項目や、身体計測値に変化は認められなかった。持久力の上昇には、練習後の速やかな糖質摂取による貯蔵グリコーゲン回復が必要であり、NSTA による食事提供の寄与は大きいと考えられる。