著者
須崎 有康 田沼 均 平野 聡 一杉 裕志 塚本 享治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第51回, no.ソフトウェア, pp.21-22, 1995-09-20

筆者らは文献[1]においてパーティショニングアルゴリズムを使った時分割処理方式を提案した。時分割処理方式の性能はシミュレータにより、投入された全タスクの処理時間、タスクの応答性、プロセッサ利用率などで従来のパーティショニングアルゴリズムより効率が良いことを示した。しかし、ここでの解析は主に全体性能の解析であり、投入される個々のタスクの動的な振舞いの解析は不十分であった。また、個々のタスクの解析が不十分のため、タスクの優先度を導入するための指標が立たなかった。このため筆者らは作成したシミュレータにアルゴリズムアニメーションの手法を適用し、時分割処理方式の動的な振舞いを解析した。ここではアルゴリズムの動作と共にグラフ表示を連動させることにより、動的に変化する振舞いの解析を容易にした。
著者
籠 浩昭 西岡 利博 石川 雅基 中川 祐 塚本 享治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.201-202, 1995-03-15

オブジェクト指向分散環境OZ++は、広域ネットワークに接続された計算機群においても、オブジェクトの共有と交換の機構を利用することで分散したソフトウェア資源を共用し、柔軟な分散アプリケーションの開発を可能にすることを目指したシステムである。OZ++では、分散アプリケーションの開発を支援するツール群としてデバッガ、ブラウザ、ランチャ、コンパイラフロントエンドなどを提供している。本諭文では、OZ++で提供する開発支援ツールを統合的にまとめあげ、プログラマ個々人のプログラム環境を提供する枠組みとしてのワークベンチの概要に関して述べるとともに、このワークベンチを利用した複数プログラマによる協調作業支援への応用に関して述べる。
著者
保田 正則 藤野 晃延 西岡 利博 塚本 享治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.303-304, 1997-03-12

広域分散システム上で、そこに参加している各組織が管理している情報資源を相互に利用したいという需要がある。しかし、実用的なシステムでは、それらの資源は独自の管理ポリシーに基づいて管理されており、意味的/表現形式的に不均質であるので、この相違を埋めなければならない。例えば自動二輪免許は日本では限定付 (中型二輪) と限定解除の二種による規制があるが、米国ではこの分類は存在しないため、日本の二輪免許所持者はその限定付/解除の分類に拘らず、米国では全ての排気量の二輪車両を運転できる。このような相違を埋めるために新たに均質なシステム (上の例で言えば、日米共通の法律) を導入するのは、管理ポリシー上からもコスト面からも不適切なことが多い。既存のシステム間でのサービス利用インタフェースを変換するような方向で調整できれば、リソースの自治的管理を保ったまま相互利用が可能となる。そこで、現在開発しているオブジェクト指向分散環境OZに、そのような変換の枠組みであるフェデレーションの機構を導入すべく、その概念設計を行ったので報告する。
著者
塚本 享治 濱崎 陽一 音川 英之 西岡 利博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.853-864, 1996-05-15
参考文献数
18
被引用文献数
8

ネットワークと計算機の普及によって 数多くの計算機がネットワークによって接続された分散環境が広く使われるようになってきた. しかし 分散環境で動作するアプリケーションの開発には OS等の広範な知識が要求されるとともに 単一計算機上のアプリケーションにない (1)データの移動によるデータとプログラムの所在の不一致 (2)局所的な変更で相互運用性が損なわれる (3)プログラムを共有・再利用することが難しいなどの問題がある. これらの問題を解決するために オブジェクト指向技術を分散環境に採用し オブジェクト指向分散環境0Z++を開発した. 本論文では その基本部分 すなわち (1)オブジェクトを共有し配送する機能 (2)必要なクラスを自動的に取り寄せる機能 (3)クラスの新旧バージョンを混在させて開発・実行する機能 に焦点を絞り その設計思想 実現方法 性能評価について述べる. クラスのインタフェースに着目したバージョン管理と新旧バージョンの混在利用に工夫がされている.Distributed environments with many computers and networks are becoming popular nowadays. However, the development of application programs for a distributed environment is harder than for a single machine. The reasons are (1)programs which process data do not always exist where the data are transferred, (2)programs which are modified locally are not inter-operable with others, (3)sharing or reusing programs is almost impossible, etc. To solve these problems, we developed an object-oriented distributed environment OZ++. The topics of this paper are the design, implementation and preliminary evaluation of the OZ++ system. This paper describes in detail the basic features of OZ++: (1)objects are shared and transferred among machines, (2)classes are delivered on demand to where they are required,(3)classes of different versions can be developed and executed at the same time. Version management based on interfaces of classes is one of outstanding features of OZ++.
著者
長谷川 明史 塚本 享治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.31, pp.137-144, 2009-03-11
参考文献数
9
被引用文献数
1

オープンソースソフトウェアのソースコードを読む機会が増えているが、利用者は大量のプログラムから目的の場所を見つけなければならない。文字列検索やソースコードブラウザのような既存の方法ではソフトウェアの構造を検索できないため、セマンティック Web 技術を用いてクラスの構造や関係に基づく Java ソフトウェアの構造検索システムを提案する。 セマンティック Web の技術を用いて Java ソフトウェアの構造解析を行うため、Java のソフトウェア構造を RDF 化し、SPARQL というクエリ言語を用いてソフトウェアの構造を検索できるようにした。このときに OWL2.0 による推論を用いている。また、RDF グラフに対して、調べたい構造のパターンを持った SPARQL クエリを用いて検索を行った。The opportunity of reading open source software's source codes has increased. User has to read a large amount of source codes for finding target codes. Conventional methods like text search and source browser can't search for complex software structures. So this paper proposes a new method by Semantic Web Technology. The system converts the structures into RDF for querying by query language SPARQL. At this time, the system use inference of OWL 2.0. After that, we ask query the RDF graph in SPARQL and get the target software structures.