著者
中川 祐志
出版者
一般社団法人 日本人間関係学会
雑誌
人間関係学研究 (ISSN:13408186)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.21-32, 2012

In recent years, attention has been focused on support for persons with Asperger's Syndrome (AS). This report discusses materials prepared from studies of the culture of Comic Market (Comiket) which is one of the Otaku culture to help in preparing special support education environments for AS persons who have lost their sense of presence. Document research has shown that the system of the Comiket that is one of the Otaku culture may function as a place that AS sufferers who have problems related to theory of mind can easily rely on. In addition, it is thought that a series of circle activities may provide hints on how AS sufferers can regain a sense of presence. The author thinks that AS research into Otaku culture is very significant towards each individual AS sufferer regaining a sense of presence, participating in society and building human relations.
著者
永岡 智之 石田 直樹 中川 祐輔 梶原 伸介
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.1039-1042, 2017-11-30 (Released:2018-09-14)
参考文献数
19

症例1は77歳,女性。認知症のため施設入所中であった。腹痛と嘔吐を主訴に受診し,腹部CTでイレウス像と小腸内にらせん状の低濃度陰影を認めたため,腸重積や腫瘍,異物を疑い手術を施行した。回腸末端より150cm口側腸管を切開すると7cm大の椎茸が陥頓していた。症例2は59歳,男性。腹痛を主訴に受診し,腹部CTでイレウス像と回腸内に不整な低濃度陰影を認めた。椎茸によるイレウスが疑われ,ロングチューブを挿入し保存的加療を行ったところ,約24時間後に排便とともに2cmの椎茸が4片排出された。その後の腹部CTで低濃度陰影の消失とイレウス像の消失を確認した。食餌性イレウスはまれな疾患であり,術前診断が困難なことが多く,手術報告例が多い。今回われわれは,手術治療を行った症例と,保存的に治療可能であった症例をそれぞれ経験したので,文献的考察を加えて報告する。
著者
中川 祐志
出版者
一般社団法人 日本人間関係学会
雑誌
人間関係学研究 (ISSN:13408186)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.21-32, 2012-06-26 (Released:2017-11-01)

In recent years, attention has been focused on support for persons with Asperger's Syndrome (AS). This report discusses materials prepared from studies of the culture of Comic Market (Comiket) which is one of the Otaku culture to help in preparing special support education environments for AS persons who have lost their sense of presence. Document research has shown that the system of the Comiket that is one of the Otaku culture may function as a place that AS sufferers who have problems related to theory of mind can easily rely on. In addition, it is thought that a series of circle activities may provide hints on how AS sufferers can regain a sense of presence. The author thinks that AS research into Otaku culture is very significant towards each individual AS sufferer regaining a sense of presence, participating in society and building human relations.
著者
南浦 涼介 石井 英真 三代 純平 中川 祐治
出版者
日本教育方法学会
雑誌
教育方法学研究 (ISSN:03859746)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.85-95, 2021-03-31 (Released:2022-04-01)
参考文献数
16

これまで多くの場合,評価という形で捉えられてきたものは,それが評定目的であっても,改善目的であっても,基本的には「個人」を対象にし,その能力の判定や形成を如何に目的に合う形でおこなうかという点では,発想は共通していた。しかし,近年のオルタナティブアセスメントの議論を見れば,評価は決して「個」を単位に「数値化・指標化」していくだけではなく,「共同体」を単位に「物語化」していく観点も見ることができる。 本稿では,こうした流れをうけて,評価という営みに教育としてどのような可能性があるのかを論じ,評価概念の再検討を試みる。そして評価について,1)実践共同体の関係性の構築を単位とすることができる点,2)事例をめぐる当事者間の対話による間主観性を生み出す物語の構築が重要である点,3)「評価する」という行為とそれをなす場の存在自体が,新しい学びやつながりを生み出す創発性を有する点,を論じていく。 また,具体的事例として学びの対象者が「外国人」であることから,個人の学習や発達の保障と個人をめぐる社会関係の構築や共同体への参加が不可分な関係にある日本語教育を事例とする。その事例から,上述の「共同体の実践の物語化」がいかにして評価の側面を生み出し,またそこにいかなる価値が見いだされるのかを具体的に見ていきたい。
著者
吉松 靖文 村田 健史 井上 雅彦 木村 映善 中川 祐治
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、自閉症児を主とした発達障害児の日常生活を支援するための携帯型生活支援ツールを設計・実装し、その評価を行う。ツールは携帯電話で動作し、自宅、学校、外出先などどの場所にいても利用できる日常生活に根付いたツールとして設計した。さらに、パーソナルコンピュータでも同じユーザインターフェースと同じ機能で動作するアプリケーションを提供した。本研究では、このツールを実装し、これを用いて次の2点について研究を行った。平成16年度〜平成17年度は、発達障害児の生活支援ツールの設計・実装を行った。まず発達障害児に有効なインターフェースを提案し、XMLをベースにシステム設計した。ツールとしては、タイマー機能、スケジュール機能、カレンダー機能、絵カード機能の4つの機能を実装した。平成17年度〜平成18年度は、ツールによる自閉症児を中心とした発達障害児への実験を行った。臨床応用では、様々なタイプや程度の発達障害および生活シーンにおいて適用を行った。知的障害の特別支援学校では、PCでタイマーやスケジューラを表示し、学級での活用を行った。その結果、指示待ち状態にあった自閉症児が自発的に活動に着手したり、一つ一つの活動遂行に時間がかかっていた知的障害児や自閉症児が所定の時間内に活動を終えることが可能になったりするなどの成果が得られた。また、他児の遂行と自分のそれを比較するようになったり、タイマーを使っていない場面での活動への着手・遂行も能動的になったりするなどの効果も見られた。家庭での応用では、朝の支度や下校後の活動支援を行った。その結果、朝がなかなか起きられなかった高機能自閉症児が短時間で自ら起床するようになったり、宿題が通常の何倍もかかっていた高機能自閉症児が平均的な時間で宿題を終えるようになったりするなどの効果が見られた。
著者
中川 祐志
出版者
別府大学史学研究会
雑誌
史学論叢 (ISSN:03868923)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-12, 2012-03
著者
籠 浩昭 西岡 利博 石川 雅基 中川 祐 塚本 享治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.201-202, 1995-03-15

オブジェクト指向分散環境OZ++は、広域ネットワークに接続された計算機群においても、オブジェクトの共有と交換の機構を利用することで分散したソフトウェア資源を共用し、柔軟な分散アプリケーションの開発を可能にすることを目指したシステムである。OZ++では、分散アプリケーションの開発を支援するツール群としてデバッガ、ブラウザ、ランチャ、コンパイラフロントエンドなどを提供している。本諭文では、OZ++で提供する開発支援ツールを統合的にまとめあげ、プログラマ個々人のプログラム環境を提供する枠組みとしてのワークベンチの概要に関して述べるとともに、このワークベンチを利用した複数プログラマによる協調作業支援への応用に関して述べる。
著者
中川 祐紀子 鈴木 拓也 志村 裕介 菅 幸生 嶋田 努 崔 吉道
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.26-33, 2017-01-10 (Released:2018-01-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

The ward pharmacist received a report from ward nursing staff that an aggregation formed when lansoprazole OD tablets and ground levofloxacin tablets were suspended simultaneously in water. In this study, we elucidated the factors of aggregation focusing on additives, the main drug, and pH in suspension, and also considered ways of preventing the aggregation. To elucidate the contribution of additives in levofloxacin tablets, drugs containing similar additives to those of levofloxacin tablets were suspended with lansoprazole OD tablets in water, but no aggregation was observed. Levofloxacin hydrate intravenous drip infusion (pH 4.8) did not form an aggregation with lansoprazole OD tablets, meanwhile levofloxacin hydrate intravenous drip infusion adjusted to pH 7.3 and levofloxacin hydrate solution adjusted to pH 7.3 formed an aggregation with lansoprazole OD tablets. When lansoprazole OD tablets and ground levofloxacin tablets were suspended in a buffer solution of pH 5.0, pH 6.0, and pH 7.0, no aggregation was observed in a buffer solution of pH 5.0. When generic lansoprazole OD tablets and generic lansoprazole capsules were suspended with levofloxacin tablets in water, aggregation was also observed. On the other hand, the aggregation of lansoprazole OD tablets was not observed when lansoprazole OD tablets and levofloxacin tablets were suspended in apple juice. According to the above results, factors related to the formation of the aggregation were involved in the preparation of lansoprazole, levofloxacin hydrate, and around pH 6.0, and the suspending of lansoprazole OD tablets and levofloxacin tablets simultaneously in acidic drinks such as apple juice is means of avoiding the aggregation.
著者
中川 祐希
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.221-244, 2019 (Released:2019-10-29)
参考文献数
70
被引用文献数
4

本稿は,神戸市の湊川公園の変容過程を事例とし,米騒動後における「市民」形成によって,いかなる都市空間が形成されたのかを明らかにした。米騒動と労働争議を契機に,都市行政は,湊川公園に公設市場や職業紹介所といった施設を設置した。都市行政は,「貧民窟」や労働者地区,歓楽街と近接するがゆえに,湊川公園にこのような整備を施した。さらに音楽堂と児童遊園地が設置されたことで,湊川公園は,諸階層を「市民」へと教化する空間に変容した。このように「市民」が湊川公園の利用者として想定される一方で,不況により公園内には数多くの野宿者が姿を現していた。はじめ都市行政は野宿者を救済の対象として認識した。しかし,「市民」を想定した公園の整備が進展し,昭和天皇の即位を祝う記念事業が開催されたことで,野宿者は排除や抑圧の対象に位置づけられた。湊川公園が私生活を積極的に管理する「勤勉」な「市民」によって利用される公園に変容する過程で,野宿者はこの規範から逸脱する「怠惰」な主体として捉えられた。こうして米騒動後の湊川公園は,「市民」への主体化の成否によって,諸階層が選別される空間へと変容した。
著者
中川 祐希
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.221-244, 2019

<p>本稿は,神戸市の湊川公園の変容過程を事例とし,米騒動後における「市民」形成によって,いかなる都市空間が形成されたのかを明らかにした。米騒動と労働争議を契機に,都市行政は,湊川公園に公設市場や職業紹介所といった施設を設置した。都市行政は,「貧民窟」や労働者地区,歓楽街と近接するがゆえに,湊川公園にこのような整備を施した。さらに音楽堂と児童遊園地が設置されたことで,湊川公園は,諸階層を「市民」へと教化する空間に変容した。このように「市民」が湊川公園の利用者として想定される一方で,不況により公園内には数多くの野宿者が姿を現していた。はじめ都市行政は野宿者を救済の対象として認識した。しかし,「市民」を想定した公園の整備が進展し,昭和天皇の即位を祝う記念事業が開催されたことで,野宿者は排除や抑圧の対象に位置づけられた。湊川公園が私生活を積極的に管理する「勤勉」な「市民」によって利用される公園に変容する過程で,野宿者はこの規範から逸脱する「怠惰」な主体として捉えられた。こうして米騒動後の湊川公園は,「市民」への主体化の成否によって,諸階層が選別される空間へと変容した。</p>
著者
岡田 倫明 清地 秀典 永岡 智之 中川 祐輔 山内 達雄 石田 直樹 今井 良典 中村 太郎 岡田 憲三 梶原 伸介
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.350-356, 2015-04-01 (Released:2015-04-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2

症例は20歳の男性で,抗生剤抵抗性の発熱,咽頭痛,激しい乾性咳が2週間継続し,突然の左側腹部痛を主訴に当院救急受診した.採血にて肝機能異常,リンパ球優位の白血球上昇,異型リンパ球の出現,EBV-VCA-IgM抗体の陽性,EBNA抗体陰性を認めた.また,CTにて脾腫,脾損傷,腹腔内出血を認めた.Epstein-Barr virus感染による伝染性単核球症(infectious mononucleosis;以下,IMと略記)からの脾腫に伴う脾破裂と診断し緊急手術を行った.腹腔内に500 mlの出血を認め,脾腫,被膜損傷を伴っていた.術後IMに非典型的な,咳嗽が続き,マイコプラズマ抗体が入院時の8倍の上昇を認めた.マイコプラズマ肺炎の合併による咳嗽からの腹圧の上昇が脾破裂の誘因と考えられた.IMによる脾破裂はまれであり,マイコプラズマ肺炎の合併から脾破裂に到った報告例はなく,非常に貴重な症例と考えられた.
著者
中川 祐希
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.373-394, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
42

本稿は,近代期における天皇の即位大礼を契機とした京都駅前の変容過程を,「景観形成」という分析視角から検討した。大正天皇の即位大礼(大正大礼)においては,京都駅前に恒久的な建造物は建設されなかった。大正大礼後には,商業的競争を通じて京都駅前に洋風建築が建設された。昭和天皇の即位大礼(昭和大礼)では,この洋風建築の建設が進展する一方で,これと対立する風致保全という景観認識が生まれた。こうして,駅前の景観をめぐる葛藤が顕在化した。昭和大礼後では,複数の主体がこの葛藤に対処する過程を通じて,駅前の景観が形成された。以上の過程から明らかになったのは次の2点である。第1に,国家儀礼を契機とした「観光都市京都」の形成過程は,調和的なものではなく,葛藤に満ちたものであった。この過程においては様々な利害が交錯し,様々な実践が空転した。第2に,このような葛藤を通じて「観光都市京都」の特異性が形成された点が明らかになった。諸主体は,この駅前の景観をめぐる葛藤に巻き込まれながら,駅前の景観形成を進展させた。その過程で,駅前には,京都という地域ゆえの特異性と評価できる景観が形成された。
著者
中川 祐介 多田 雅毅 小島 克己 中丸 裕樹
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.40-45, 2015 (Released:2014-12-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

Fineness of ferrite grain is desirable for good surface quality of film laminated steel for drawn cans. And softness of steel is suitable for drawn cans from the view point of high formability. Generally, ultra low carbon steel (ULC) is soft, but it has coarse ferrite grains. On the other hand, low carbon steel (LC), which has fine ferrite grains, is hard and has poor formability, and therefore it is not suitable for drawing. In order to improve these contradictory properties, the amount of carbon and niobium in ULC steel is varied to control the size of precipitates of niobium carbide, which contribute to reduction of grain size. The study suggested that the newly developed steel has a potential to have an excellent balance of both properties.