著者
福田 桂子 杉山 広 熊沢 秀雄 多々良 成紀 金崎 依津子
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.21-24, 2017-03-31 (Released:2017-06-08)
参考文献数
15

高知県立のいち動物公園で飼育されていたマンドリル(Mandrillus sphinx)1頭が死亡し,肺に形成された虫嚢に吸虫の寄生を認めた。成虫と糞便内虫卵の形態および成虫DNAの塩基配列から,虫体は宮崎肺吸虫(Paragonimus miyazakii)と同定された。マンドリルは,飼育施設に侵入したサワガニ(Geothephusa dehaani)を摂食して感染したと考えられた。本事例は,日本においてヒト以外の霊長目が宮崎肺吸虫に自然感染した初めての報告である。
著者
多々良 成紀 杉山 広 熊沢 秀雄 斑目 広郎
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.45-47, 2010-03
参考文献数
15

高知県の動物園で飼育されていたミーアキャット(Suricata suricatta)の1例について,左肺の虫嚢から2隻の吸虫が認められ,その虫体と卵の形態学的特徴およびDNA分析から宮崎肺吸虫(Paragonimus miyazakii)と同定された。ミーアキャットの飼育区画に侵入した野生サワガニ(Geothelphusa dehaani)を摂食し感染したと考えられた。本例は,輸入動物であるミーアキャットが動物園飼育下で宮崎肺吸虫に自然感染した初めての報告である。
著者
宇根 有美 多々良 成紀 野村 靖夫 高橋 令治 斎藤 保二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.933-935, 1996-09-25
被引用文献数
1

2頭のオグロプレーリードッグ(Cynomys ludovicianus)に, 肺転移を伴う肝細胞癌と非腫瘍部の慢性活動性肝炎の同時発生と, 肝細胞の過形成が認められた. 過形成性の肝細胞は細胞質内に多数の好酸性, Orcein染色陽性の封入体を持っていた. 電子顕微鏡で, 細胞質内封入体に一致して鎖かたびらのような編み目状の構造物を観察した. これらの封入体の電顕像は, 肝癌に関連するヘパドナウイルスの封入体の形態と異なっていた. また, ヘパドナウイルス様の粒子も認められなかった.