著者
大岸 智彦 阿野 茂浩 長谷川 亨 加藤 聰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.134, pp.1-6, 2007-07-05

顧客にインターネット接続を提供するプロバイダは,自身のネットワークの安定運用を図るだけでなく,顧客から現在・過去の接続障害の原因を問われた場合に,適切な回答を行うことが求められる.しかしながら,多くの障害申告に対し,ネットワーク状態の調査結果を適切に準備することは,運用者にとって多大な業務となる.これは外部プロバイダから得られるネットワーク状態に関する情報が,公開されたBGPデータ等に限られていることに起因する.本稿では,データベースの利用により,ネットワーク状態の迅速な検索を行う経路検索システムについて提案する.本稿では,システムの設計,実装および性能評価結果について述べる.
著者
井原 卓也 土岐 卓 大岸 智彦 小花 貞夫
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.211-212, 2015-03-17

従来、WebサイトはPCによる閲覧を前提に作成されており、表示する端末の消費電力は十分考慮されていなかったが、近年のスマートフォンの普及に伴い、Webサイト閲覧時の消費電力の重要性が増加してきている。そこで、筆者らはWebサイト閲覧時のパワープロファイルを用いた端末リソース毎の消費電力を考察し、端末での消費電力効率の良いモバイルWebサイトの作成方法を研究をしている。本研究の目標は、HTMLや画像などのWebサイトの構成要素毎に消費電力を推定し、その結果より、消費電力の少ないモバイルWebサイトが作成できるようになることである。これまでに、端末リソース毎の消費電力を測定し、既存のモバイルサイトとPCサイトの作成方法による消費電力の違いについて調査した。本発表では、それについて報告する。
著者
白井 丈晴 藤田 真浩 荒井 大輔 大岸 智彦 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1901-1911, 2017-12-15

LTE網に接続可能なスマートフォン等の端末の急速な普及により,通信の前に端末に無線リソースを割り当てるためにLTE網内で発生する制御信号も増加している.制御信号が設備の容量を超えた場合には,LTE網全体の通信品質の低下を招く恐れがある.制御信号の輻輳への対策として,通信端末が発するすべての通信に対し,プロトコルエラーとならない程度の短時間のランダムな遅延を付与し,端末が制御信号を発生させるタイミングを分散する端末制御方式がすでに提案されている.端末制御方式では,付与する遅延を最大8秒としており,この遅延により制御信号スパイクが抑制できることをシミュレーションにより示している.しかし,端末制御方式によって付与される通信遅延による利用者の体感品質(QoE)の低下が懸念される.そこで本論文では,ユーザの心理的側面からアプローチすることによって,他の対策(設備投資の増加や補償金の支払い等の方法)よりも低コストで,通信遅延によるユーザのQoEの劣化を緩和する方式の提案・評価を行う.提案方式は,「ユーザが注目してしまうようなコンテンツ」をコンシェルジュのようなキャラクタが表示することによってユーザの注意をそらし,ユーザに通信遅延の発生を気付かせない方式となっている.提案方式の有効性を示すために,クラウドソーシングを利用した500名規模のユーザ評価実験を行った.
著者
町田 樹 望月 大輔 安孫子 悠 大岸 智彦 峰野 博史
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.168-178, 2018-01-15

今日のモバイルデータ通信は時間帯や地域によって通信インフラの負荷が偏り,モバイルデータトラフィックの収容効率が低下するという課題がある.そこで遅延耐性のあるモバイルデータトラフィックを適切に遅延させ,通信インフラの負荷を分散してモバイルデータ通信の空間利用効率を高めるモバイルデータオフローディングプロトコル(MDOP)を提案してきた.このMDOPは,eNBの負荷状態,モバイル端末の移動,データの遅延耐性を考慮し,トラフィックの送信レートを制御することで,時間的,空間的,通信路的の3つの次元でモバイルデータ通信の負荷を分散させる通信プロトコルである.本稿では特に,MDOPの空間的オフローディングを実現する具体的な処理を検討し,ネットワークシミュレーションによって評価した.実際の人の移動を再現したシナリオで詳細評価した結果,高負荷な基地局では滞在中のユーザが多くのデータを送信できること,移動ユーザは低負荷なeNBで多くのデータを送信できることで,遅延耐性のあるモバイルデータトラフィックのピークシフト可能なことを確認した.The demand for mobile data communication is increasing rapidly. Furthermore, as a feature of the traffic, there are two localities "temporal locality" and "regional locality". In order to solve these localities of the traffic, we have proposed Mobile Data Offloading Protocol (MDOP). MDOP controls the delay tolerant data such as the data of cloud sync storage and uploading the data of drive recorder and so on. Furthermore, MDOP balances the load of eNBs using three offloading methods of time-wise offloading, place-wise offloading and link-wise offloading. MDOP has not yet solved regional locality problems; hence we propose the place-wise offloading in MDOP. We evaluated the performance through network simulation with mobility scenario based on real world user's mobility. From these results, it was confirmed that the place-wise offloading was able to send more data by staying user in high load eNBs, send more data at low load eNBs and peak shift of mobile traffic localities by using delay tolerant data.
著者
大岸 智彦 井戸上 彰 加藤 聰彦 鈴木 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.165-166, 1995-03-15

近年、異機種間通信の重要性が高まり、各種のOSI通信システムが開発されている。これらの通信システムは、テスタを用いてシステム内の各層の振る舞いを試験する適合性試験を経て、運用が開始される。しかしながら、運用中においても試験で検出されなかった誤りにより、通信障害が生ずる場合がある。このような誤りを検出するには、通信を長時間観測しデータを解析する必要がある。筆者らは、回線上を流れるデータを監視/解析することにより、通信システムのプロトコル手順に従わない誤り箇所(プロトコル誤り)を検出するインテリジェントOSI7層リンクモニタを提案している。本稿では、本モニタにおいてプロトコル誤りを検出するための方針及び実現方法について述べる。