著者
荒木 功平 奥村 謙一郎 安福 規之 大嶺 聖
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_267-I_272, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
11

地球温暖化等の気候変動に伴う大雨の頻度増加が指摘されるようになり,各種産業への影響等が懸念されている.特に沖縄県では,亜熱帯特有の高温多雨気候により,土壌侵食を受けやすく,農地や開発事業地等から流出する赤土等は1950年代頃から問題化しているが,未だ解決に至っていない.沖縄のみならず亜熱帯化が懸念される九州地方においても侵食を受けやすい土壌を有している. 本研究では,50年,100年スケールで年平均気温や激しい雨の年間発生日数の経年変化を調べ,九州の亜熱帯化の現状把握を試みている.また,亜熱帯地域である沖縄県国頭郡宜野座村の農地で土壌侵食実験環境を整備し,降雨量~土壌水分~土壌侵食量関係の計測および考察を行っている.
著者
荒木 功平 奥村 謙一郎 安福 規之 大嶺 聖
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_267-I_272, 2012

地球温暖化等の気候変動に伴う大雨の頻度増加が指摘されるようになり,各種産業への影響等が懸念されている.特に沖縄県では,亜熱帯特有の高温多雨気候により,土壌侵食を受けやすく,農地や開発事業地等から流出する赤土等は1950年代頃から問題化しているが,未だ解決に至っていない.沖縄のみならず亜熱帯化が懸念される九州地方においても侵食を受けやすい土壌を有している.<br> 本研究では,50年,100年スケールで年平均気温や激しい雨の年間発生日数の経年変化を調べ,九州の亜熱帯化の現状把握を試みている.また,亜熱帯地域である沖縄県国頭郡宜野座村の農地で土壌侵食実験環境を整備し,降雨量~土壌水分~土壌侵食量関係の計測および考察を行っている.
著者
石垣 幸整 堀江 直樹 大嶺 聖
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.171-174, 2014 (Released:2015-09-18)
参考文献数
6

連続繊維補強土は砂質土にポリエステル繊維を均質に混合した補強土である。繊維の混合により,セメントを用いずに疑似的な粘着力が付与されるため,法面保護工として広く適用されている。連続繊維補強土の安定性向上のため,石灰系添加材を混合すると低い垂直応力下でせん断強度が増強され,粘着力が増加することが明らかになっている 3) 。本試験では,石灰系添加材を混合した連続繊維補強土の生育基盤としての適用性を確認した。さらに,石灰系添加材の補強効果について,一面せん断試験を実施し,セメントと比較した。試験の結果,石灰系添加材はセメントよりも植生への影響が軽微でありながら,その補強効果は同程度であることがわかった。
著者
大嶺 聖
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
地盤工学会誌 (ISSN:18827276)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.10-13, 2011-07-01

Coal ash of more than 8000 thousand tons generates a year in Japan. It is classified by fly ash and clinker ash. As a new treatment method, bioremediation was applied to the fly ash. It was found that concentration of Cr (VI) can be reduced by mixing the microorganisms such as lactic acid bacteria, yeast and bacillus natto. The reducing effect was nearly connected with a quantity of the microorganisms. Furthermore, one of potential bacteria was selected from coal ash damping site. The strain exhibited high boron resistance. The strain was capable of removing boron from the artificial medium containing boron. It is expected that these microorganisms are useful for remediation of fly ash.
著者
大嶺 聖 安福 規之 宮脇 健太郎 小林 泰三 湯 怡新 TANG Yixin 山田 正太郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

建設発生土や廃棄物をリサイクルする場合には,実際の建設にかかる費用だけでなく環境負荷に関する影響も考慮することが望ましい。また,各種リサイクル材に対して,材料作製に伴う環境負荷および廃棄物削減に伴うメリットを何らかの数値として算出し,環境負荷低減効果を表すための評価手法を構築する必要がある。本研究では,有害物質の溶出抑制効果を持つ混合地盤材料の開発を行うとともに,リサイクル材を用いる場合の環境負荷の低減効果を定量的に表す手法を提示した。廃棄物の有効利用法として,バイオマスの炭化物としての活用および都市ごみ焼却灰の地盤材料としての有効利用を例に,再資源化の効率について考察を行った。得られた結論は以下のとおりである。1)都市ゴミ焼却灰に炭化物を混合することでの重金属溶出が抑制される。また、木炭を混合しても,都市ゴミ焼却灰と同様の透水性および圧縮性を有し,力学的にも地盤材料として活用できると考えられる。2)炭化物の吸水性によってセメント安定処理土中の水セメント比を低下させ,強度が増加する。また,セメント安定処理土からの溶出が懸念されている六価クロムの溶出量を木炭混合によってある程度抑制することができる。3)刈草炭化物を混合することで、いずれの火山灰質粘性土についても強度改善効果が認められた。生石灰と刈草炭化物を質量比1:1で混合すると,生石灰添加量を軽減できるなど効果が大きい。4)都市ごみ炭化物を最終処分場における覆土材として利用した場合,廃棄物層から溶出される重金属や無機塩類等陽イオンに対する吸着効果が発揮されるため,浸出水質の早期安定化が期待される。5)リサイクル材の製造工程におけるCO_2排出量と廃棄物の活用に伴うCO2削減量を算定し,再資源化効率の評価法を示した。その結果,製造時のCO_2排出量が小さく,多くの廃棄物を使用している材料ほど再資源化効率が高いことが示された。
著者
大嶺 聖 EDWARDRAJA Chellaiah EDWARD Raja
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では,有用微生物による地盤環境改善技術の適用性を検討した。様々な地盤環境問題が生じているが,できるだけ自然の材料を活用し,低コストでかつ環境負荷の低減を図ることにより,アジア地域へ広く適用することのできる持続可能な技術の開発を目指している。その中で,バイオレメディエーションによる汚染土および石炭灰の環境負荷低減技術の適用性を検討した。得られた結論は以下のとおりである。1) ホウ素,フッ素,ヒ素,セレンなどに耐性のある微生物を同定することができた。これらの微生物によって重金属類の濃度を低減させることができる。2) 石炭灰については,乳酸菌・酵母・納豆菌などの身近な微生物を加えることにより,六価クロムの溶出量を低減させることができる。3) 石炭灰の埋立地から採取したサンプルからホウ素に耐性のある微生物を分離・同定し,溶液中のホウ素の濃度を低下させることができた。4) 堆肥に含まれる耐塩性試験により,16~18%程度の塩分濃度でも増殖できる数種類の好塩菌が存在することが確認できた。また,好塩菌堆肥を塩害土壌に混合することにより塩類濃度を約1ヶ月で4割程度低減できることを示した。