- 著者
-
大木 幹文
- 出版者
- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
- 雑誌
- 耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.1, pp.1-6, 2015 (Released:2015-03-25)
- 参考文献数
- 21
鼻アレルギーに対する局所療法には鼻腔洗浄法,点鼻液滴下療法,定量噴霧器噴霧療法,ネブライザー療法などがある。鼻洗浄は抗原の回避の意味合いがある。薬液治療法はまず薬液を直接点鼻する方法から始まった。ステロイド療法をコントローラとして考えると初期のベータメタゾン点鼻薬は,血中コーチゾール値が高値になることがある。フロンガスを用いた定量噴霧器が開発されたが,オゾン層破壊の危険のため使用が禁止となり,定量液体スプレーが現在は主体となっている。しかしながら,鼻粘膜への刺激や,液漏れという副作用も認められる。ドラッグディバリーの観点から,欧米ではエアロゾル化を見直した脱フロンの噴霧液が多く市販される様になり,鼻粘膜の吸着も広範囲に均一となる。また,抗ヒスタミン薬とステロイド薬の合剤による噴霧器もその有用性が検討されてきている。本邦においても内服薬のみでは無く局所薬の有益性の検討をさらに進めるべきである。