著者
大柴 弘子
出版者
信州大学医療技術短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:03851982)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-14, 1978-03-30

紀要 3: 1-14(1978)
著者
大柴 弘子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.181-189, 2003
参考文献数
36

現在、ARTにより出現する多様な「母」たちは「サロゲート・マザー」「ホスト・マザー」「借り腹・貸し腹」「ドナー」などの語で呼ばれ、あるいは呼称がないなど、その存在が瞹昧視あるいは無視されている。このことは、「母」のみならず「母・子」関係そのものが存在しないかのごとく、否定される危険性がある。この新たな「母」たちは、従来の母概念では説明できない存在者である。そこで本論では、まず、新たな概念設定によりARTによる新たな「母」の存在を明らかにする。次に、それに基づきこの多様な「母」たちおよび「親・子」の実態と問題を示す。そして、多様な「母」たちの存在を社会がいかに公認できるかという問題ではなく、問題の根源は「不妊治療」そのものにあることを示す。

1 0 0 0 OA 農夫症の研究

著者
松島 松翠 寺島 重信 磯村 孝二 市川 英彦 横山 孝子 大柴 弘子 井出 秀郷 萩原 篤 清水 博昭 白岩 智恵子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.135-144, 1969-03-01 (Released:2011-02-17)

長野県南佐久郡八千穂村の三部落から, 40才代及び50才代の男女113名を選び, 2年間にわたって農夫症々候群を中心に追跡調査を行なった。そのうち4回全部検診及び調査のできた81例について, 次のような結果を得た。1) 労働時間は男に比べて女に多く, かつ逆に睡眠時間は女の万に短かい, とくに40才代にかいて著明である。あきらかに女の万が過労状態であるといえる。また疲労の自覚症状や一般的健康状況, 検査結果, 有病率なども一般に女の万に悪い。即ち女の万が健康障害が多い。2) 農夫症総点数は, 一般に40才代より50才代が, 又, 男より女に多く, 農繁期に増加している。最近2年間の経過では, 男女とも増加しているが, 女の万が増加率が高い。3) 農夫症総点数は, 耕地面積 (一人当り) の多いほど, また乳卵摂取量の少ないほど高い。4) 農夫症総点数は, 疲労の自覚症状 (とくに身体的症状)、有病率と著明に相関している。また諸検査結果 (血圧, 血液, 肝機能等), 心電図, 胃レ線, 腰部レ線結果による異常と若干の相関が認められる。5) 以上の点から, 農夫症は慢性疲労状態, 不健康状態, 疾病状態を表わす一つの健康示標であるといえる。これを減らしていくためには, 農家の生活及び農業全般の根本的な改善がなされなければならない。