著者
尾立 純子 藤田 忠雄 神戸 保 大柴 恵一
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.267-273, 1980-09-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

圧力鍋と常圧鍋を用いで炊く, 煮る, 蒸す調理をそれぞれ質玄米, 大豆, さつまいもで行い, 調理後のビタミン類の残存量とアミノ酸の煮汁中への溶出量を比較した。1. 玄米を炊いた場合のB1残存量は, 圧力鍋で56~64%常圧鍋で72%となり, 圧力鍋での損失量が約10%大きかった。2. 大豆を煮た場合のB1残存量は, 圧力鍋で65~70% (豆中57~60%, 煮汁中8~9%), 常圧鍋で51% (豆中50%, 煮汁中1%) となり, 圧力鍋での損失量が約15~20%少なかった。3. さつまいもを蒸した場合のB1とCの残存量は, でんぷんα化度約90%で比較すると, 圧力鍋でB1 73%, C54%, 常圧鍋で, B1, Cともに85%となり, 圧力鍋での損失量がB1で約10%, Cで約30%大きかった。4. 大豆調理時の煮汁中への窒素とアミノ酸の溶出量は圧力鍋で常圧鍋の約1.5倍大きかった。また溶出されやすいアミノ酸はトリプトファン, アルギニン, アラニン, グルタミン酸, セリンの順で, アミノ酸の溶出パターンは, 両鍋で差異はなかった。
著者
瓦家 千代子 大柴 恵一 来住 輝彦
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.83-88, 1989-03-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

The variation of vitamin C and bacterium contents during the cooking and storage of chopped cabbage were studied by both hand and machine cooking under various conditions.The results are as follows.1) The water contents wear the same and had the constant value (93.9-95.5%) on each method.2) The loss of vitamin C was affected little by cooking and storing, the loss being about 25%. However, the ratio of vitamin C retention declined significantly (p<0.001) in cooking by hand and stocking in water.3) The number of bacterium and E. coli. increased to twice the reference during the cooking, while no increase was recognized in the storing.These results explain that chopped cabbage has little loss of vitamin C in cooking and storage, bacterium pollution is ignored for stock during one day in a cold storage.
著者
尾立 純子 藤田 忠雄 神戸 保 大柴 恵一
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.267-273, 1980
被引用文献数
1

圧力鍋と常圧鍋を用いで炊く, 煮る, 蒸す調理をそれぞれ質玄米, 大豆, さつまいもで行い, 調理後のビタミン類の残存量とアミノ酸の煮汁中への溶出量を比較した。<br>1. 玄米を炊いた場合のB<sub>1</sub>残存量は, 圧力鍋で56~64%常圧鍋で72%となり, 圧力鍋での損失量が約10%大きかった。<br>2. 大豆を煮た場合のB<sub>1</sub>残存量は, 圧力鍋で65~70% (豆中57~60%, 煮汁中8~9%), 常圧鍋で51% (豆中50%, 煮汁中1%) となり, 圧力鍋での損失量が約15~20%少なかった。<br>3. さつまいもを蒸した場合のB<sub>1</sub>とCの残存量は, でんぷんα化度約90%で比較すると, 圧力鍋でB<sub>1</sub> 73%, C54%, 常圧鍋で, B<sub>1</sub>, Cともに85%となり, 圧力鍋での損失量がB<sub>1</sub>で約10%, Cで約30%大きかった。<br>4. 大豆調理時の煮汁中への窒素とアミノ酸の溶出量は圧力鍋で常圧鍋の約1.5倍大きかった。また溶出されやすいアミノ酸はトリプトファン, アルギニン, アラニン, グルタミン酸, セリンの順で, アミノ酸の溶出パターンは, 両鍋で差異はなかった。
著者
福田 正則 大柴 恵一
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.345-347, 1984-11-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
4

新品種のメロンの成分について分析して次の結果を得た。水分, たん白質は成分表値に比較してやや高く, 逆に炭水化物は低かった。脂質, 灰分は成分表値とほぼ同じ値であった。無機質ではカルシウムとリンが成分表値より低く, ナトリウムと鉄が逆に高かった。カリウムはナトリウムの10倍近い値を示した。ビタミンCは成分表値より低かったが, 果実類の中では柑橘類に次ぐ高い値であった。メロンの保存状態と品質保持との関係を調べたところ, 無包装で室温に置くと10%もの減少を示し旗が, ラップで包み, 冷蔵庫に置くと変化は1%以下であった。すなわち保存する際にはそれらの条件を守る必要がある。
著者
尾立 純子 大柴 恵一
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.228-232, 1992-08-20
被引用文献数
1

減塩及び普通しょうゆを使用し、油使用、油不使用の条件でかぼちゃを煮た時のナトリウムとカリウム含量の変動を検討した。1.水分量は、生鮮品では、油の使用の有無による差は認められなかった。冷凍品では、油不使用で明らかに高くなった。2.ナトリウムの煮物中への浸透量は、各調味液で生鮮品に比べ、冷凍品で高くなった。油の使用によって生鮮品では、浸透量が高まり冷凍品では、逆に低下した。煮物をする時にナトリウムの量を減らす事を考えると、生鮮品では、炒め煮をしない。ナトリウム濃度の低い調味料を使う方が良い。3.生鮮品では、煮物中へのカリウムの浸透はなく、逆に煮汁中への移行が認められた。煮物と煮汁中のカリウム含量の比は、どの調味液中でもほぼ1:1となった。冷凍品でも同じような比率となった。