- 著者
-
岡崎 邦夫
中山 行穂
川井 信子
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.9, pp.547-552, 1982-09-15 (Released:2010-01-20)
- 参考文献数
- 3
市販の果実飲料(86試料)および炭酸飲料(21試料)の糖組成をHPLC法を用いて測定し,以下の結果を得た。(1) Nucleosil 5NH2カラムは5種類の糖(果糖,ブドウ糖,ショ糖,麦芽糖,乳糖)の分離が良好であった。(2) 天然果汁においてミカン果汁の糖組成はショ糖が主成分であり,リンゴ果汁は果糖が多く,ブドウ果汁はショ糖がほとんど認められなかった。(3) 果肉飲料の合計糖量は最も多く,他の飲料に比べ甘口であった。(4) 果粒入り果実飲料および果汁入り清涼飲料の果汁含有率の低い飲料では,添加された糖の影響で,原材料の天然果汁の糖組成の特徴がなく,糖組成およびその比率は果汁の種類に関係なくほぼ一致していた。(5) 炭酸飲料の無果汁は,添加糖類として砂糖単独の使用頻度が多く,果汁入りよりも2倍のショ糖含量であった。