著者
大沼 雅也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.53-66, 2009-09-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
37

本稿では,既存技術と新規技術の関係性> の経時的な変化という動態的な現象について議論する.このような問題は既存の技術革新研究では必ずしも十分に検討されてきたわけではない.そこで,イノベーションの普及理論をはじめとする議論を基に,技術を利用するユーザーの行動がもたらす影響を組み入れた技術の関係性の変化メカニズムの説明枠組みを,日本におけるX線CTとMRI の普及過程を事例として提示する.
著者
河野 英子 竹内 竜介 大沼 雅也 福嶋 路
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、新しい医療の制度化と国際的普及の事例分析を通じて、制度化過程とその変容を明らかにするものである。対象とするのは、自動体外除細動器(AED)を使用した一般市民による救命を意味する「市民による除細動(PAD)」である。PADの制度化と国際的な普及プロセスについて地域間比較を行う。多様な制度や組織・集団と関係する医療産業は、その重要性・特異性に比して社会科学的な研究が相対的に少ないなか、本研究成果は制度論に関する議論への貢献が期待できる。
著者
大沼 雅也
出版者
成蹊大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、ユーザー自らがイノベーションを起こし、それが企業によって製品化され、普及する過程の背後にあるメカニズムを探求することにある。こうした目的に向けて行われた本研究の成果は大別すると二つある。第一に、ユーザーイノベーションをめぐる既存研究を包括的に整理し、ユーザーイノベーションに関して企業が直面する組織・戦略的課題を明らかにしたことがある。第二に、その課題を実証するための定性・定量データの収集および分析の結果、今後の研究の礎となる一定の知見が得られたことがある。