著者
田中 洋次 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.30, no.Special_Issue, pp.255-260, 2011-11-15 (Released:2012-11-15)
参考文献数
18
被引用文献数
12 4

To clarify the current status of irrigation pond abandonment and the problem for aquatic plant conservation, we investigated the percentage of abandoned pond in local area, the relationship between the depth of pond and aquatic and meadow plants diversity at farm village on hilly terrain in northern part of Awaji Island. The investigation was carried out by interviewing 133 pond manager and by field survey. We found half of ponds had been abandoned already, and, we verify the strong correlation between depth of pond and species richness of aquatic plants.
著者
折原 貴道 大藪 崇司 岩瀬 剛二
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会50周年記念大会
巻号頁・発行日
pp.67, 2006 (Released:2007-06-05)

ユーカリ属Eucalyptus の多くはオーストラリア大陸原産であり、成長が早く、また乾燥や塩害等にも強いことから、世界中の多くの地域で植林が試みられている。近年では更にパルプ材としての利用や葉から抽出・精製したオイルの利用など、幅広い用途可能性を有する樹木として注目されている。ユーカリ属の樹種は外生菌根を形成することが知られており、オーストラリアやブラジルを初めとする多くの地域からその菌根菌相が報告されているが、日本におけるユーカリ外生菌根菌相ついては未解明な点が多い。本研究では、三重県亀山市の王子製紙森林資源研究所ユーカリ試験植林地において、植栽後8-9年が経過したE. globulus 植栽地に2箇所、及びE. camaldulensis 植栽地に1箇所の方形コドラート(10×10 m)を設置し、2004年7月より月1回の間隔で外生菌根菌の子実体発生状況の定点調査を行った。その結果、Laccaria fraterna, Scleroderma cepa, S. sp. 及びPisolithus sp. の計4種の子実体発生が現在までに確認された。また、子実体発生量及び種数は9月から12月にかけて多くなった一方、1月から8月にかけては常に少ない状態であった。主要な原産国であるオーストラリアでは約660種の外生菌根菌が確認されており(Bougher, 1995)、日本におけるユーカリ植栽地の外生菌根菌相の種多様性は著しく低いことが示唆された。本発表では、これら4種の子実体の形態的特徴及び発生状況の季節変動について考察するとともに、現時点までに演者らが観察した、オーストラリアのユーカリ林及び日本国内の他地域で採集された同種標本との比較も行い、日本におけるユーカリ外生菌根菌の種多様性と、ブナ科樹種の菌根菌相との共通性に関しても考察を行った。本研究の主旨に賛同し、試験植林地の利用を快く承諾してくださった、(株)王子製紙 森林資源研究所に心より御礼申し上げます。
著者
田中 洋次 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.255-260, 2011
被引用文献数
4

To clarify the current status of irrigation pond abandonment and the problem for aquatic plant conservation, we investigated the percentage of abandoned pond in local area, the relationship between the depth of pond and aquatic and meadow plants diversity at farm village on hilly terrain in northern part of Awaji Island. The investigation was carried out by interviewing 133 pond manager and by field survey. We found half of ponds had been abandoned already, and, we verify the strong correlation between depth of pond and species richness of aquatic plants.
著者
金丸 拓央 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.437-445, 2015 (Released:2016-04-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

オオフサモは主に関東以西の各地で水路の閉塞や在来種の圧迫などの問題を引き起こしており,特定外来生物に指定されている。近年,各地でオオフサモの駆除が行われているが,どの事例でも駆除後にオオフサモが再繁茂し,根絶できていない。本研究では,オオフサモの根絶手法を検討するため,オオフサモの生育状況調査,室内での遮光実験,野外での駆除試験をおこなった。生育状況調査の結果,オオフサモはため池全面を高被度で覆っていたが,定着しているのは水深の浅い水際部だけで,水深が 30 cmを超える場所には生えていなかった。室内での遮光実験の結果,長さ約 20 cmのオオフサモの苗は,遮光期間が長くなるにつれて主茎の上部から枯れ下がり,短くなっていった。遮光 158日目にはまだ生残個体があったが,遮光 197日目には生残個体は確認されなかった。野外での駆除試験の結果,底泥剥ぎ取りと遮光を併用した場合に限り,駆除後にオオフサモが再生しなかった。これは,大部分の根茎断片が底泥剥ぎ取りによって除去され,残された少数の断片が遮光によって枯死したためと考えられる。底泥剥ぎ取りと遮光を併用すれば,オオフサモを局所的には根絶させられる可能性がある。
著者
田中 洋次 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.255-260, 2011-11-15
参考文献数
18
被引用文献数
4

淡路島北部を事例として,中山間地におけるため池の放棄(利用停止)の実態と放棄理由等を把握することと,放棄ため池における水生生物保全上の課題を抽出することを目的として,ため池の管理者への聞き取り調査,および放棄ため池の水深と植物相についての現地調査を実施した。
著者
田中 淳 纐纈 裕美 大藪 崇司 藤原 道郎 田中 賢治 朝日 伸彦 杉浦 弘毅
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.139-142, 2011-08-31
被引用文献数
2 3

土壌化学性の改質による外来植物の防除技術の開発実験を実施した。土壌 pH を 4.6,5.5,6.8 に調整した土壌にナルトサワギクならびセイタカアワダチソウを移植した。土壌 pH 4.6 では,移植後約 1 ヶ月で 2 種ともほぼ枯死した。土壌 pH 5.5 の地上部の生育は,pH 6.8 とあまり変わらなかったが堀取った根は生育不良であった。また,土壌を酸性にする溶液をろ紙にひたし発芽実験を行った。ススキの発芽率は,精製水をろ紙にひたしたものと比較して発芽率の低下が少なかったが,ナルトサワギクの発芽率は低下し 0%となった。これらのことから,土壌化学性の改質が,外来植物から在来植物への植生構造の転換技術へ応用できることが示唆された。