著者
大野 朋子
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

地域固有の植物景観を形成する要因の一つとして、人間とタケ類との関わりと植物としてのタケ類がどのように伝播し、拡散しているのかを東南アジアにおける少数民族にみられるタケ類の利用をモデルとして調査した。リス族、ラフ族、モン族、アカ族は10種程度のタケ類を利用に合わせて使っている。4つの民族は共通して竹製の笙を使うが、材料のタケの種類は、ラフ族、リス族、アカ族では共通して自生種を使い、モン族では自生ではない温帯性のタケ類を栽培し、使用する。モン族は、文化的背景のもと笙を葬儀に使う特別なものとして扱うためにその材料となるタケを伴って居住地を移動し、資源供給の確保のために栽培することが明らかになった。
著者
田畑 智博 縄井 あゆみ 大野 朋子
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.164-168, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
12

本研究では,2015年4月に発生したゴルカ地震(ネパール地震)から3年半後における復旧状況を調査したので報告する。筆者らは,2018年11月に現地に赴き,カトマンズ渓谷のカトマンズ及び周辺都市部の調査を行った。カトマンズ市内は建物被害が少なく復興が早かったものの,カトマンズ市外の都市では今なお多くの場所で住宅再建が続いていた。世界遺産であっても,寺院の再建が進行中であったり,崩壊したまま放置されている建物もみられた。住居建物の建築資材を調査した結果,都市部における殆どの建物は,焼成レンガ・日干しレンガとRC造の柱・梁で構成されていた。ネパールでは,家族が複数世代で居住し,その都度住居の上階を増築する行為を行っていることがわかった。このような建築行為が,地震による被害を増幅させたと予想される。
著者
大野 朋子 加我 宏之 下村 泰彦 増田 昇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.603-608, 2002-03-30
被引用文献数
14 9

本研究は,岸和田市における竹林の拡大特性を調査した。その結果,1968年に竹林数567箇所,総竹林面積2,134,600m^2, 1978年に竹林数619箇所,総竹林面積2,535,000m^2, 1992年に竹林数773箇所,総竹林面積4,210,700m^2,を示し竹林の拡大は明らかで,特に1978〜1992年の拡大が顕著である。拡大特性は標高50〜100m,傾斜度5〜10°,傾斜方位は南南東で面積拡大を示し,標高O〜50m,傾斜度0〜5°,傾斜方位は東北東で箇所増加と平均竹林面積の減少傾向を示した。
著者
山口 裕文 佐合 隆一 伊藤 一幸 榎本 敬 種坂 英次 秋本 正博 副島 顕子 大野 朋子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

耕地雑草あるいは侵入植物として生物多様性に影響を及ぼす恐れのあるヒエ属植物(イネ科)について、ユーラシア、北南米、アフリカ、オセアニア地域において海外踏査を行い生態的特性と形態的多様性の実態を調査し、植物標本館における調査と併せて、地域ごとに多様性の実態をまとめた。一年生種は原生地および侵入地とも稲作や畑地の雑草として、国際移動した多年生種は侵入種として水辺や湿地の生物多様性に影響すると推定される。