著者
片田 昌志 松村 福広 伴 光正 安中 正法 亀山 祐 穂高 桂
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-119_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【目的】大腿骨転子部骨折に対する髄内釘挿入は,大転子のリーミングにより中殿筋損傷が危惧される.しかしながら,従来の治療成績は筋力が加味されていないことが多く運動機能との関連も不明瞭である.本研究の目的は,大腿骨転子部骨折術後12か月の股関節外転筋力と運動機能の関連性を知ることである.【方法】2016 年10 月から2017年12 月までに髄内釘を用いて治療を行った大腿骨転子部骨折133例のうち下記除外基準に該当しない24例を対象とした。除外基準は術後12か月に追跡調査が困難であった者,重篤な合併症を有する者,重度認知症により筋力測定が困難であった者,既往歴に運動麻痺または下肢骨折を有する者とした.平均年齢は75.3歳(42~90歳),男性6例,女性18例であった.骨折型は中野3D-CT分類で2partA:4例,2partB:2,3partA:2例,3partB:8例,3part C:3例,4part:1例,TypeⅡ:4例であった.調査項目は術後12か月の股関節外転筋力のトルク体重比(Nm/kg),歩行再獲得率,Harris hip score, Time up and go(以下TUG)とした.なお,歩行再獲得率は受傷前の歩行様式と同じ水準が獲得できた者を歩行再獲得者とした.統計解析は股関節外転筋力の患側値と健側値の比較に対応のあるt-検定,股関節外転筋力の患健比(%)と歩行再獲得率にはMann Whitney検定,股関節外転筋力の患健比とHarris hip score,TUGの関連性にはSpearman相関係数を用いた.統計ソフトSPSSを用い,有意水準は5%未満とした.【結果】術後12か月の股関節外転筋力は患側値0.6±0.4Nm/kg,健側値0.7±0.3Nm/kgであり,患側の股関節外転筋力が有意に低下していた(p<0.01).歩行再獲得率は67%(16例/24例中)であり,歩行再獲得に至らなかった者は股関節外転筋力の患健比が有意に低下していた(P<0.05).Harris hip score,TUGと股関節外転筋力は有意な相関はなかった.【結論】髄内釘挿入時のリーミングによる中殿筋損傷は20~50%と報告(澤内.2017,McConnell.2003)されているが,大腿骨転子部骨折術後の股関節外転筋力の報告は少なく,経過観察時期も一定では無い.本研究の結果から術後12か月の股関節外転筋力は有意に低下しており,長期的にみても筋力低下が残存することが分かった.また,大腿骨転子部骨折術後の歩行再獲得率は41~70%と報告されており(東原.2008),本研究も同様の結果であった.興味深いことは筋力と運動機能の関連性である.従来から使用されているHarris hip scoreやTUGは良好であっても,股関節外転筋力の低下がみられた.股関節外転筋力の低下があっても他の筋力で代償されれば全身的な運動機能は問題にならないが,他の筋力による代償が困難になった場合,股関節外転筋力の低下が表面化する可能性が推察される.本研究の限界として統計学的に母集団数が少なく,中野3D-CT分類別に統計解析を行えなかったことである。今後は骨折型,術後X線所見も含めた調査が課題となる.【倫理的配慮,説明と同意】対象者にはヘルシンキ宣言を遵守した上で十分な説明を行い,同意を得た.
著者
栗田 哲史 安中 正 高橋 聡 嶋田 昌義 末広 俊夫
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-11, 2005 (Released:2010-08-12)
参考文献数
5
被引用文献数
8 3

山地形のような不整形地盤では、地震動の増幅特性が地形の影響を受けることが知られている。不整形地盤に入射した波と内部で反射した波の干渉により、伝達する地震波は複雑な様相を示す。この様な山地形の地震動特性を明らかにするために、横須賀市内の山地において、アレー観測を行ってきている。観測記録はデータベース化され、震動特性の分析に活用されている。本研究では、この山地形を対象として観測記録の分析及び3次元有限要素法による数値シミュレーションを実施した。観測記録を良く説明できる適切な解析モデルを作成し、山地形の増幅特性を評価することを目的としている。検討の結果、山地形を忠実にモデル化することによって観測記録を良く説明できるシミュレーションが可能となった。更に同モデルを用いて、山地形に地震波が入射した時に地震動がどの様な特性を示すのかを解析的に評価した。
著者
高尾 誠 谷 智之 大島 貴充 安中 正 栗田 哲史
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.2_96-2_101, 2016 (Released:2016-02-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

確率論的断層変位ハザード解析手法は、地表地震断層の変位の量がある値を超過する確率を評価する手法であり、日本においては、高尾ほか(2013)および高尾ほか(2014)によって各種評価式が提案された。これらの論文では、わが国における地震時の地表地震断層の変位量に関する調査結果、模型実験結果および数値解析結果を基に評価式が策定されているが、確率論的断層変位ハザード解析の先駆者であるYoungs et al.(2003)に倣った部分もあった。本論文では、確率論的断層変位ハザード解析手法における副断層の断層変位量を評価するための確率密度関数について、最尤推定法を適用してそのパラメータの見直しを行ったので報告する。
著者
安中 正美
出版者
名古屋大学農学国際教育協力研究センター
雑誌
農学国際協力 (ISSN:13475096)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.41-45, 2009-03

名古屋大学農学国際教育協力研究センター第9回オープンフォーラム「大学等が有する知的資源の組織的活用による国際教育・研究協力の推進と強化 : 農学知的支援ネットワークの形成に向けて」(2008年10月30日~2008年10月31日)名古屋大学大学院環境学研究科レクチャーホール
著者
安中 正一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.660-661, 1959-11-05