著者
宇佐美 芳明 安生健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.746-755, 1992-05-15
参考文献数
9

コンピュータ・グラフィックスにより リアルな人間を表示可能にすることは ニーズのある重要な課題であるしかし従来の映像生成の手法では 他の人体各部に比較して 頭髪の表現レベルが不十分であるまた 容易に髪形を定義できるような 頭髭のモデリング方法も存在しないこれらの問題は頭髪の形状決定の際に 頭髪の物理的特性が考慮されていないことが原因と考えられるそこで 頭髪の曲げ変形に対する剛性を考慮した物理シミュレーションを導入して 新しいモデリング方法を提案する。曲げ剛性を利用すると 頭髪の変形長はこれに作用する曲げモーメントの大きさから求められ 頭髪の変形の基本的性質をシミュレートできるすなわち 頭髪の生え際付近では変形量が小さく 先端に向かうにつれて変形量が大きくなる性質であるそのため 本手法では頭髪の分け目やボリューム感が容易に表現でき 従来手法にないリアルな頭髪の表現が可能となったまた 頭髪をコンパクトな3次元のポリラインのデータで表現しており 多数のポリゴンで頭髪を近似する必要はないしたがって グラフィックス・ワークステーションのハードウェアを利用して 高速なレンタリングが可能であるさらに モデリング処理である頭髪の曲げ計算の時間についても 実用上問題のない範囲で処理できる
著者
鈴木 正康 山田 裕 出口 勝昭 安生健一郎 粟島 亨 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.5, pp.35-40, 2004-01-22

NECエレクトロニクスが開発したDynamically Reconfigurable Processor (DRP)は、粗粒度のリコンフィギャラブルプロセッサで、内部に持つ16のデータパスの構成情報を切替えることによって、様々な処理を実現する。本稿では、リコンフィギャラブルプロセッサDRP上でのエッジ近傍合成機能付きαブレンダの設計事例を紹介し、DRPの処理能力を検証するため、Pentium 4、Athlon XP、DSP(TI C6713)などのアーキテクチャと比較した。その結果、並列処理の効果的な利用により,エッジ近傍合成機能付きαブレンダを実行した場合、DRPはPentium 4、Athlon XPの3倍、DSPの17倍の処理性能を達成することができた。Dynamically Reconfigurable Processor (DRP) developed by NEC Electronics is a coarse grain reconfigurable processor that selects a data path from the on-chip repository of sixteen circuit configurations, or contexts, to implement different logic on one single DRP chip. This paper describes our implementation of an alpha blender with anti-aliasing capabilities on the DRP. Comparison with various architectures including Pentium 4, Athlon XP, and DSPs (TI C6713) are done to evaluate the potentials of the DRP. Our results show that the DRP outperforms Pentium 4 and Athlon XP by three times, and DSP by seventeen times when compared against the implementation of anti-aliasing alpha blender.
著者
三好 雅則 渡辺 範人 安生健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.112, pp.7-12, 1998-12-10
被引用文献数
1

本稿では、多数の自律行動するCGキャラクタで構成される群集を効率的に管理する手法を提案する。木構造を用いてキャラクタを階層管理することで、キャラクタの行動決定に必要な情報を簡単に取捨選択できるようにする。これにより、キャラクタの行動を計算する時間を大幅に短縮できる、さらに映像表現能力を高めることも可能である。実験システムを通して、取り扱うキャラクタの数と演算時間を線形の関係にできること、および群れの疎密を調整できるなど表現力を高めることができることを確認した。This paper proposes a new method for managing computer-generated crowds of autonomous CG characters. We employ the tree structure to manage the crowds, which makes it possible to select the required sets of information efficiently. We can reduce the amount of time to generate locomotion of the characters and get capability to represent more sophisticated crowds' movement.