著者
塚越 貴之 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子 瀬川 大勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.55-60, 2005-02-07
被引用文献数
1

本稿では,多重スケール解析としてウェーブレット変換を用いた非写実的画像生成手法を提案する.分散の異なるガウス関数の差分(Difference of Gaussian; DoG)による多重スケール解析を用いた非写実的画像生成手法が提案されている.本研究では,演算量がスケール数に比例する離散2進ウェーブレット変換を用い,従来手法に類似した画像を,より高速に生成する手法の実現を目指す.従来手法と同様に,分解した各成分の詳細度を考慮した重みを乗じ合成することで,エッジのような局所的な情報や,テクスチャのような大域的な情報を得ることができる.提案手法は,インタラクティブな処理を行うアプリケーションや動画像への応用が期待できる.This study is focused on non-photorealistic rendering (NPR) based on multi scale analysis. In the previous studies, difference of Gaussian (DoG) functions has been mainly used for multi scale analysis. Although wavelet transform is a technique for multi scale analysis, it has not been used for NPR. In this paper, therefore we propose a method of NPR with wavelet transform instead of DoG functions. Proposed method is expected interactive application and applying to video image.
著者
北川 晴香 宮村(中村) 浩子 古谷 雅理 斎藤 隆文
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.325-326, 2008-03-13
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
渡部 秀文 南雲 拓 一宮 和正 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.176-188, 2007-10-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文では,階層的クラスタリング結果の安定性を解析するための新しい数理モデルを提案する.また安定性とクラスタ要素の広がり度合いを可視化してクラスタの最適な分割数を求める手法について提案する.階層的クラスタリングは,未知のデータ集合から意味のある分類を得る目的でしばしば用いられる.しかし,結果の安定性に関する研究は十分なされているとはいえず,安定性を手軽に求める手法も開拓されていない.本論文では,従来手法のような統計的処理を用いずに,仮想要素の追加によって幾何学的に安定性を測る手法を提案する.この手法では,要素を1個追加して階層的クラスタリングを行い,得られた結果の階層構造変化に着目する.追加要素の位置によって,本質的な階層構造変化が起こる場合と起こらない場合とがある.そのうち,構造変化が起こらない要素の割合を算出することで階層安定度を得る.一方,クラスタ分割を決定するための指標として,クラスタ要素の広がり度合いについて述べる.さらに,階層安定度と要素の広がり度合いを樹形図上に可視化する手法についても提案する.また,提案手法と従来手法にサンプルデータを適用し,提案手法の有効性および問題点について比較検証する.We propose a new mathematical model for analyzing the stability of hierarchical clustering results. In this paper, a method for deciding the most suitable number of clusters with visualization of stability and density of cluster elements is also proposed. Hierarchical clustering is often used in order to obtain meaningful classification from an unknown dataset. However, the stability of the clustering results is not studied enough, and the techniques for simply calculating the stability measure have never been developed. In this paper, the stability is measured geometrically by adding a temporary element, without using a statistical analysis. In this method, we focus on the change of hierarchical structures when an element is added. If there is more stable region of the added element without structure change, the structure is more stable. In this context, the hierarchical stability is obtained by calculating the ratio of the stable area. On the other hand, the density of clusters elements as an indicator for deciding the dividing of the cluster is presented. Moreover, the method to visualize stability and density of the elements of the clusters is proposed. We demonstrate the effectiveness and problems of the proposed method by applying it to the sample data.
著者
宮村(中村) 浩子 宮代隆平 七夕高也 品野勇治 斎藤 隆文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.19, pp.45-48, 2007-03-03
参考文献数
8

大規模な階層データを,限られた空間内へ効率的に表現する適応的表示法を提案する.階層データは属性値をもつノードと親子関係を表わすリンクから構成されており,それぞれをプリミティブで表すことで構造を視覚的に捉えられる.しかし,大規模階層データを表示する際に,隣り合うノードやリンクが重なり合ってしまう問題がある.そこで本論文では,大規模階層データを木構造で表す際に,ノードの密集具合に応じて木の表現方法を選択する適応的表示を提案する.さらに本提案手法を大規模分枝限定木に適用し,その効果を検証する.We propose an adaptive visualization technique for a large-scale hierarchical dataset within limited display space. A hierarchical dataset has nodes and links that represent the parents/child relationship. These nodes and links are described using graphics primitives. When the number of these primitives is large, it is difficult to recognize the structure of the hierarchical data, because many primitives are overlapped within a limited region. In this context, we propose an adaptive visualization technique for hierarchical datasets. The proposed technique selects an appropriate graph style based on the density of the nodes. In addition, we demonstrate the effectiveness of the proposed method by applying it to the growing process of a large branch-and-bound tree
著者
海野将範 七夕 高也 宮村 (中村)浩子 斎藤 隆文 篠村 知子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13, pp.49-54, 2007-02-19

本研究では、イネの生長を直上から記録した時系列画像から葉の生長特性を可視化し、解析することを試みる。植物の網羅的解析では数ヶ月に及ぶ生長の観察が必要とされるが、本研究においては直上からイネを観察した際に見られる成長運動に着目し、座標変換および時空間平面への投影により葉の成長運動の軌跡を2次元上に可視化する。これにより発芽誘導からの時間による葉の運動パターンの変化、日周変動、および回旋運動等を観察することができた。In this paper, we present visualization and analyzing method for growth and development of rice leaves from image series taken right above a rice plant. To observe growth pattern of plants for more them two months, we pay attention to the growth and development that was observed above. The tracks of the leaf growth are visualized in two dimensions image using coordinate transform method, then generating to the spatiotemporal image. As a result, we observed many important biological events such as the growth movement pattern according to time from the germination inducement, the circadian rhythm, and the root-tip rotation.
著者
宮村(中村) 浩子 大坐畠 智 中尾 彰宏 川島 幸之助 鈴木 喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.188, pp.85-90, 2009-09-03
被引用文献数
3

大規模ファイル共有ネットワーク可視化方式を提案する.ネットワークデータはノードと,ノード間の接続を表すリンクから構成されており,このリンク数が増加するとリンク同士が交差し,ネットワーク構造を把握するのが困難になる.そこでわれわれは,ネットワーク構造を把握し,主要なノードを探すために,リンクを表示しないマトリクス形式のネットワーク可視化方式を提案する.また,ファイル共有ネットワークのログデータを用いて,提案する可視化方式の有効性を検証する.
著者
木野 千晶 鈴木 喜雄 宮村(中村) 浩子 武宮 博 中島 憲宏
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.20090022-20090022, 2009-11-17 (Released:2009-11-17)
参考文献数
11

流体・構造・化学反応など様々な物理的・工学的現象を考慮した大規模数値シミュレーションの必要性・重要性は年々増している.大規模・複雑な数値シミュレーションからは膨大なデータが出力されるのに対し,そのデータ解析に投入できる計算機資源や研究者の認識能力には限界がある.そのためデータ全体を様々な観点から多角的に精査することは困難であり,研究者は着目すべき領域や現象を絞って可視化・解析するなど解析対象を取捨選択する必要がある.このような解析対象の取捨選択は,見落としや誤認など多くのヒューマンエラーを発生させる要因となり,大規模・複雑な数値シミュレーションを実施するに当たって大きな課題となっている.著者らはこのような大規模・複雑データ解析を支援するために,“認識能力を備えたデータ解析システムCognitive methodology based Data Analysis System (CDAS)”を開発している.CDASは「ある気泡周辺領域における全体平均速度より高い速度領域が発生している」や「応力が集中し,その最大応力が材料の降伏応力を超える領域が存在する」などの物理的・工学的意味を発見・抽出するデータ解析プロセスをデータベースに蓄えておき,それらを実行することでユーザーに物理的・工学的意味を伴ったデータ解析結果 (物理的・工学的情報) を提示するシステムを目標としている.CDASを開発することで,ユーザーは自身が指定した観点からの物理的・工学的情報に留まらず,異なる観点から解析された多種多様な物理的・工学的情報を知ることが可能となる.このような多角的な解析は,見落としや誤認などのヒューマンエラーを防ぐ上で重要であると考えられる.CDASを実現するには,様々な解析体系において実施された数値シミュレーションの結果データに含まれる物理的・工学的意味を,汎用的に処理する能力 (認識能力) を備える必要がある.ここで「認識能力」とは,意味情報を整理・検索・共有・生成し,生成された意味情報を再利用できる能力を指す.数値シミュレーションの結果データは解析体系・条件,物理量データに関する単なる数値の集合に過ぎない.このような数値集合から物理的・工学的意味を発見・抽出するには,数値情報に対しシステムに認識可能な形式で意味情報を付加する方法論を確立する必要がある.本論文ではシステムによる物理的・工学的意味情報の整理,検索,共有に留まらず,生成,再利用までを可能とするための科学概念語彙(Scientific Concept Vocabulary : SCV)情報モデルを提案している.本モデルでは,科学的知識を科学的知見・科学的情報・科学概念という階層構造によって捉えている.科学的知見とは自然現象に見られる様々な特徴を把握・理解するための情報である.この科学的知見を積み重ねることで科学的知識が構成されていく.科学的情報とは「ある観測対象が,ある観測空間における時空間分布情報」と定義され,科学的知見はこの科学的情報を分析することで得られる.この科学的情報は科学概念によって構成されたものであると捉え,この科学概念をシステムが数値的に扱えるようにするため,その意味を定義する具体的な実体データを付して記述することができるように科学概念語彙を提案した.科学概念語彙では概念の持つ物理的・工学的意味情報が数値データやアルゴリズムによって,その概念が持つ意味に即した実体データによって定義されている.よって,この実体データを用いてシステムによって新たな物理的・工学的意味果 (実体データ) を生成することが可能となる.この新たに生成された物理的・工学的意味果 (実体データ) もまた科学概念語彙情報モデルの枠組みの中で記述されることで,その生成された意味を再利用し,さらに新たな物理的・工学的意味果 (実体データ) を生成することも可能とする.本論文では科学概念語彙を用いて上昇気泡流解析および原子炉内熱流動解析に適用し,「接近した気泡」や「燃料棒周辺における液膜破断」などの物理的・工学的意味を持った情報の抽出に成功した.これにより本モデルを用いることによって,数値シミュレーション結果より物理的・工学的情報を発見・抽出するシステムの実現は十分に可能であると言える.
著者
岡部 めぐみ 瀬川 大勝 宮村(中村) 浩子 斎藤 隆文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.86, pp.29-34, 2004-08-18
参考文献数
5
被引用文献数
3

本論文では,多重スケール解析を用いて非写実的顔画像を生成する手法を提案する.サイズの異なるGaussianフィルタを複数組み合わせて周波数分解を行い,複数の異なる周波数帯域の情報を得る.そして,各帯域の詳細度を考慮し,それぞれに重み付けを行なうことで,輪郭などの局所的な情報や,陰影などの大域的な濃淡情報を得ることができる.これにより,輪郭線で表現できるフラットな情報だけでなく,陰影によって顔の凹凸情報も同時に表現する.さらに,色の情報を組み合わせることによって,よりアトラクティブな画像を得ることを可能としている.この手法の特徴は,少ないパラメタで描画結果を制御でき,また,照明条件に依らず,安定した結果が得られることである.We propose a new method to create non-photorealostic facial images. Our method is based on a multi scale analysis which uses Gaussian filters for frequency decomposition. By recomposing with proper weight for each band-pass image, we can get non-photorealistic facial images which include both local edge information and rough shading information of the source image. Furthermore, color information is added to create more attractive images. This method has the robustness against lighting conditions. Also, a user can control the drawing result with a few parameters.