著者
小澤 夏紀 富家 直明 宮野 秀市 小山 徹平 川上 祐佳里 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.521-529, 2005-07-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
1

痩身記事を含む女性誌への曝露と食行動異常の関係をモデル化することを目的とし,女子学生933名を対象として調査を行った.その結果,定期的に女性誌に曝露している学生はEAT-20のカットオフポイントを超える割合が女性誌を読まない学生の7倍もあることが示された.また,彼女らは女性誌からの影響を受けやすい被影響特性が高く,痩身理想の内面化が顕著という認知的特徴をもっていた.一方,女性誌に曝露していても被影響特性が低ければ摂食障害傾向への影響は小さかった.最後に,共分散構造分析により,被影響特性,痩身理想の内面化,自己像不満,やせ願望は循環的関係を有し,食行動異常に悪影響を及ぼすことが示された.これらのことから食行動異常の予防や治療にはメディア曝露のコントロールが必要ではないかと思われた.
著者
中川 正宣 富家 直 柳瀬 徹夫
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.147-158, 1985-03-30
被引用文献数
8

本研究において, 我々は与えられた表色系から一意的に色彩感情得点が計算できるようなシステムの構成を行なった。まずEvaluation, Potency, Activityという3つの色彩感情因子を得るため, 色刺激のSD法の結果に因子分析(キャロル・チャン法)を行ない, 次にスプライン関数による平滑化を用いてそれらの感情因子得点と与えられた表色系指標(マンセルの明度, 彩度)との関数を構築した。最後に, 各因子とマンセル指標(明度, 彩度)との関数関係を表わす曲面を描くため, 得られた関数を用いて理論得点を算出した。将来はこの曲面の数学的特徴を探ることによって色彩感情系の一般的メカニズムに迫りたいと考えている。