著者
寺本 剛
出版者
中央大学出版部
雑誌
中央大学論集 (ISSN:03889033)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-13, 2014-02-20
著者
寺本 剛
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.237-259, 2014-09-16

デレク・パーフィットは『理由と人格』においてある思考実験を提示している。そこでは,地球にいる人物の全ての情報をコピーし,その情報に基づいて火星に新たなレプリカを作成した場合,それは地球にいた人物の火星への移動と見なされるべきか,それとも地球にいた人物は死に,火星でその人物そっくりの別人が生きはじめると考えるべきなのか,ということが問題とされている。通常私たちは以上の事態を「私の死」と見なしがちであるが,これに対してパーフィットは火星にレプリカが生まれることは,私が普通に生き続けるのと同じくらいよいことだと主張する。この主張の正否を明らかにするために,小論ではパーフィットの議論を必要な範囲で跡づけ,それに対して批判的に検討を加える。その過程で「私は自分自身が何であると信じた方がよいのか」という問いについて一定の見通しをつけるよう試みる。
著者
吉永 明弘 寺本 剛 山本 剛史 熊坂 元大
出版者
江戸川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

学術雑誌『環境倫理』を発行した。2016年度に、小平の住民運動、福島第一原発事故後の双葉町長の避難に関する諸問題、吉野川河口堰に関する住民投票について、キーパーソンにインタビューを行い、ローカルな環境倫理を現場から掘り起こすことを試みた。それらを今年度は原稿にまとめ、解題もつけて雑誌に掲載した。並行して、勁草書房より、吉永明弘『ブックガイド環境倫理』と吉永明弘・福永真弓編『未来の環境倫理学』を刊行した。これらによって、過去の環境倫理学や環境論をレビューすること、最先端の環境倫理学の議論を紹介すること(原発に対する応答、世代間倫理、環境徳倫理、未来倫理、気候工学、環境正義、人新世における倫理など)が達成された。1年間に3冊の本を刊行することができ、関係者に献本したところ、たいへん好評だった。
著者
金光 秀和 直江 清隆 本田 康二郎 寺本 剛 鈴木 俊洋
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、技術が新しい行為の形を生み出し、社会のあり方を大きく変える現代において、技術のあり方に反省的な眼差しを向けることのできる批判的視点を獲得することを目的とした。この研究によって、第一に、技術に対する批判的視点に関する哲学的考察を進めてその成果を発表することができた。第二に、技術の営みを記述することの哲学的な意義について考察し、また、実際に日本の職人のフィールド調査を行い、その営みを哲学的に記述して成果を学会などで発表した。第三に、福島第一原子力発電所事故に関する記述的・規範的探究を進めてその成果を公表した。第四に、技術哲学の知見を反映させた教科書の作成に参加した。