著者
寺阪 昭信
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.21-38, 2004-03

前回の論文(スポーツと都市2 38巻号3号)では,主として1998年フランス大会のキャンプ地のあり方と開催都市における競技場の立地を見たが,それに引き続いて今回はドイツ(1974,2006年),イタリア,スペインの諸都市について考察し,2004年のヨーロッパ選手権,およびここ10年間のヨーロッパチャンピオンズリーグが行われた都市を検討することによって,ヨーロッパにおけるサッカー都市とはどこかについて考察することにした。前回の論文と対応させるために,やや小さいが都市についての地図は全て,10万分の1に統一してある。
著者
山本 健兒 熊谷 圭知 栗原 尚子 竹内 啓一 寺阪 昭信 山田 晴通
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

欧州の大都市自治体はEUROCITIESを通じてEUに都市政策を推進させる行動や、相互の経験交流を進めてきた。これを受けて、EUも当初、文化遺産の保全や環境問題に焦点をあてる都市政策を、社会的排除、失業、移民の統合、経済的活力などを重視する都市政策を1990年代半ば以降推進している。EU主要都市によるグローバリゼーションとEU統合への文化的対応に関して2つの論点が浮かび上がる。第1は移民マイノリティの生活実態とこれに対するホスト社会の対応、第2は都市の建造環境の整備保全という論点である。第1については、オランダへのモルッカ移民の統合、スペインへの移民のラテンアメリカ化、同じドイツ都市といえどもベルリンとミュンヘンでは移民比率の高い街区の様相に大きな違いがあることが明らかとなった。移民とホスト社会との間で対立が激しいというわけではなく、移民たちはドイツ都市を故郷と認識する傾向にある。しかし、移民は失業などでより厳しい立場にある。また中国を含む世界各地からの移民がパリ、ローマ、バルセロナでも可視的存在となっている。第2の論点について、イタリアでは都市政府の政権交代が建造環境の変化に大きく影響すること、フランスでは文化遺産としての建造物の保全に中央政府の力がより大きく働くことが判明した。ロンドンの影におかれやすいイギリスのその他の主要都市は、欧州文化首都として指定を受けることによって大陸部のEU主要都市との競争に対応しようしている。2つの論点のいずれに主眼をおこうとも、都市住民あるいは訪問外国人に対して都市の物理的な構成は大きな意味を持つ。欧州各国主要都市の動向を総括するならば、外的圧力に対する文化的対応は政治的対応とならざるを得ず、中央政府の力が強いフランスと地方政府の力が強いドイツを両極として、各都市を位置づけうる。その際に鍵をなすのは、参加と自治のありようである。
著者
寺阪 昭信 テラサカ アキノブ
雑誌
流通經濟大學論集
巻号頁・発行日
vol.24, no.3/4, pp.1-10, 1990-03
著者
寺阪 昭信 若林 芳樹 中林 一樹 阿部 和俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.159-173, 1988-05-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

本論文は,情報の伝達が空間に果たしている役割を,高度情報化社会といわれている現在の日本の状況のなかで捕らえてみることにある。コンピュータ技術の発展と通信のデジタル化による新しいネットワークの形成は, 1982年の第2次通信の自由化により,ニューメディアの進展となって現れた。地域的なネットワークの例として, NTTによるINSモデルの実験は東京武蔵野・三鷹地区で1984年から行われたが,これを実用化するまでには解決すべき多くの問題があることが明らかとなった。 CATVは初期の難視聴対策から出発して,ニューメディアとして普及するにまでに至った。可視チャンネル数の増加に加えて自主放送を行うことにより,地方都市では地域活動の活性化と自治体と住民をつなぐ役割を果たし,農村地区では地域の振興に,ニュータウンや大都市域では住民への情報の供給やコミュニティーの形成に役立つ可能性を開いている。 情報化の進展にともない,企業の分散が予測されたが,東京区部,とくに都心3区への中枢管理機能はかえって集中する傾向が見られる。これはマネージメントのための情報を求める企業の立地行動によるものである。さらに,最近では東京は世界的な規模での金融市場としての重要度を高めてきたことから,外資系企業のオフィスの立地が盛んになってきている。その需要にたいしてオフィス用ビルの建設が進んでいるが,不足ぎみなので値上がりが著しい。こうして都心のビジネス地区は拡大している。 このような動向から,日本における情報の地域格差は拡大している。東京を中心とする首都圏への情報の集中は著しく,大阪を初めとする他の大都市や地方都市の比重は相対的に低下している。民間における情報化の進展や情報サービス業の発展のほかにも,郵政省のテレトピア計画や通産省のニューメディアコミュニティー構想など,政府は情報化の進展をはかっている。これらが実現すると地域社会や住民の生活を大きく変える可能性がある。このような社会の変化に対して,我が国の地理学からの研究は立ち遅れている。
著者
寺阪 昭信 テラサカ アキノブ
雑誌
流通經濟大學論集
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.21-38, 2004-03

前回の論文(スポーツと都市2 38巻号3号)では,主として1998年フランス大会のキャンプ地のあり方と開催都市における競技場の立地を見たが,それに引き続いて今回はドイツ(1974,2006年),イタリア,スペインの諸都市について考察し,2004年のヨーロッパ選手権,およびここ10年間のヨーロッパチャンピオンズリーグが行われた都市を検討することによって,ヨーロッパにおけるサッカー都市とはどこかについて考察することにした。前回の論文と対応させるために,やや小さいが都市についての地図は全て,10万分の1に統一してある。