著者
砂川 智佳 後藤 縁 小川 健一朗 北川 喜己
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.946-950, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
11

水タバコは,燃やしたタバコの煙を水にくぐらせ濾過された煙を吸う喫煙方法である。タバコの加熱時に発生する一酸化炭素(CO)を吸入することで急性CO中毒を生じるリスクがあるが,わが国での報告は限られている。症例は25歳,女性。シーシャバーで水タバコを3時間喫煙した後,意識障害を生じ救急搬送された。意識レベルはGlasgow Coma Scale(GCS)E1V1M4。静脈血ガス検査でCOHb 30.7%と高値であり,急性CO中毒と診断した。 高濃度酸素を投与し,COHbは2時間後に14.5%,8時間後に0%まで低下。意識レベルは4時間後にGCS E4V5M6まで改善した。遅発性脳症のリスクを考慮し,高気圧酸素療法が可能な施設へ転院とした。5カ月後の時点で後遺症はみられていない。わが国でも水タバコを提供する店舗が増加しており,救急医療にかかわる者は,水タバコによるCO中毒の危険性を認識し啓発に努める必要がある。
著者
大佛 俊泰 小川 健一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.576, pp.101-107, 2004-02-28 (Released:2017-02-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1 4

Our regional images are composed of many evaluations about the various kinds of elements or activities within different regions. In quantitative terms, the extraction of regional images is difficult. In this paper, we focus on a phenomenon in which a part of regional image is reflected in the names of buildings. In the first instance, a model based on the random utility theory is constructed to describe the spatial distribution of buildings names. Secondly, the proposed model is calibrated using actual data from the city of Tokyo (Setagaya Ward), and the effects of such regional elements or activities on regional images are then estimated. Finally, values for the regional images are quantitatively estimated and their spatial distribution is represented on a map.
著者
小川 健一朗 三宅 美博
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.7-13, 2013-03-05 (Released:2013-05-17)
参考文献数
17

我々は,ショウジョウバエの頭尾軸形成における遺伝子発現の理論的研究を通じて,多細胞生物における細胞の観測行為と観測結果の関係を数理的にモデル化し,個体差に対する遺伝子の発現パターンのロバスト性に対して新たな説明を与えた.この数理モデルは,発生生物学の問題に限らず,広く生物システムにおける主体の行為と知覚,およびそれに基づく認識のロバスト性に関する現象をモデル化する際に数理的観点から示唆を与えるものと考えられる.そこで,本稿では,ショウジョウバエの頭尾軸形成における遺伝子発現におけるロバスト性の問題を例にして,この数理モデルの特徴について解説を行う.