著者
小川 拓
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 = The Journal of Kyoei University (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
no.15, pp.193-219, 2017-03-31

逆上がりの魅力は、「跳び上がり」ができないような高い場所でも、体位回転をさせることにより、手の届くところであれば、鉄棒の上に上がることができるというところである。人間は高いところに登ったとき、危険から身を守ることができる場合がある。小学校で、体育を教えるとき、「技」としての「逆上がり」ではなく、後者のような「危険を回避する手段」として指導していくことも大きな目的の一つになってくる。子供にとって逆上がりは、あこがれの技であり、やりたい体育技の上位に入ってくる。逆上がりができることで、体育ばかりか他の分野でも良い影響があった子供を多数見てきた。子供の「勲章」ともなりえる逆上がりを達成させ、向上意識や自己肯定感を高めたい。逆上がりができることでの子供の変容や運動力学的に見た「逆上がりの特性」、「逆上がりの効用」から「指導法」までを検証し、逆上がりの必要性や有用性を提示していきたい。
著者
小川 拓
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.11, pp.2297-2303, 2019-11-10 (Released:2020-11-10)
参考文献数
12

免疫不全者のワクチンで共通する問題点は,生ワクチンの接種が難しい点である.免疫抑制薬は,開始してしまえばほぼ生ワクチンは接種できないため,開始前に麻疹・風疹・ムンプス・水痘ワクチンを通算2回ずつになるよう追加接種しておくことが必要である.また,造血細胞移植後には,基礎免疫から獲得させる必要があり,予防接種計画の綿密な立案が必要となる.また,脾臓摘出術後等の脾機能低下患者では,液性免疫不全の状態が遷延するため,肺炎球菌やインフルエンザ菌といった細菌による侵襲性感染症のリスクが高く,予防接種を行うことを忘れてはならない.
著者
小川 拓水 岡澤 敦司 太田 大策
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.51-57, 2017 (Released:2017-08-01)
参考文献数
15

リピドミクスは試料中に含まれる脂質の総体を研究対象とする学問分野である。主要な膜脂質であるグリセロリン脂質は、1 分子のグリセロール骨格に 1 分子の極性頭部と 2 分子の脂肪酸がエステル結合しており、極性頭部の種類によってクラス分類がなされている。その構造多様性をもたらす要因は、極性頭部の種類、2 分子の脂肪酸の種類 (炭素鎖長と不飽和結合数) であるが、それらの組み合わせを考慮した場合、試料中に含まれることが予想される脂質分子種の数は膨大なものとなる。しかし、公共のデータベースに収集されている脂質の実測データは,膨大な数の脂質分子種に対して未だ限定的であり、このことが個々の脂質分子種の同定作業を困難なものにしていた。一方、MS 測定においてそれぞれの脂質クラスに特徴的なイオン開裂反応が起こることが知られていた。そのためリピドミクスでは、計算機上 (インシリコ) で脂質分子種の MS/MS 測定を行って仮想的な MS/MS スペクトルを生成し、それらを参照ライブラリ (インシリコ MS/MS ライブラリ) として利用した脂質同定ツールが開発されてきた。本稿では、これらの脂質同定ツールのリピドミクスへの貢献について概説する。
著者
小川 拓貴 松本 和幸 任 福継
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.2, pp.1-6, 2010-01-21
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究では,Webサービス"えもにゅ"の投稿文をコーパスとして用い, 単語1-gramを素性としたSVMによるつぶやきや一言を対象とした感情推定手法を提案する."えもにゅ"とは一言メモに感情マークを付加して投稿できるWebサービスで, この投稿文をコーパスとして用いることで書き手の感情をコーパスに直接反映でき, また感情タグ付け作業を削減できる. 単語1-gramを素性とした理由としては, つぶやきや一言のような短文において書き手が感情表現する際に単語や記号の言語的意味を用いて感情を表現することが多いと考えられる事,1文あたりに含まれる素性の数が少ないつぶやきや一言から十分な素性の出現頻度を得るためには素性数を抑えることで1素性あたりの出現頻度を上げる必要がある事が挙げられる. 評価実験として, 単語1-gramを素性とした場合と単語2-gramを素性とした場合で比較をしたところ, F値を評価基準とすると単語1-gramを素性とした場合の方が全ての感情において高い値を示した.This paper proposes a SVM-based emotion estimation method from a short message or a word by using word 1-gram as feature and use contribution of "Emonyu" as a corpus. "Emonyu" is a web service to which users contribute a short message or a word with a emotion mark.Therefore, the corpus using"Emonyu"contribution enables reflect writer's emotion directly,and reduce work of adding emotion tags to sentences of corpus. We use word 1-gram as feature is,in short sentences like a short message or a word including a few features,a writer generally express emotion using a linguistic meaning of a word or a mark and it is necessary to reduce a number of kinds of feature to get exact appear frequency of features. The result of experiments show that the F-measure of proposed method is higher than the F-measure of method using word 2-gram as a feature in all emotions.
著者
小川 拓也 倉持 元陽 山本 昇志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.139-142, 2011-02-12

本稿では,光学的整合を必要とする複合現実において,既知物体が作る影の情報から光源位置を推定する手法を提案する.正確な光学的整合の実現には,鏡面球に映り込む画像を取得することにより周囲環境の光源位置を推定する手法が多く行われている.しかし,鏡面球には様々な物体が映り込むため,光源位置のみを正確に推定することは難しい.そこで提案手法では,正方形マーカを固定する4隅の押しピンが作る影を利用し,その重心座標と影の形状から光源位置を正確に推定する手法を検討した.再現実験の結果,推定した光源位置情報を元に生成した仮想物体の影が実際の影とほぼ一致することが確認できた.